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食物アレルギー

最終更新日:平成29年4月21日 | 公開日:平成29年4月21日

質問する男性イラスト

Q1
食物アレルギーと思ったら、どうしたらよいでしょうか。医療機関のかかり方についても教えてください。
A1
食物アレルギーの症状かなと思ったら、まず身近な医療機関であるかかりつけ医に相談しましょう。
かかりつけ医は、病状を説明し、必要に応じ、別の医療機関を紹介する役割を担っています。診断や治療方針(専門的な検査や治療を行う医療機関にかかった方がよいか等)について、よく相談しましょう。
的確な治療を受けるためには、事前に症状の経過や変化(何を、どれくらい食べたら、どれくらい後に、どんな症状が現れたか)を整理したり、知りたいことや疑問点を書き出したりする等の準備をし、医師に要点を正確に伝えることも大切です。
  • 一般社団法人日本アレルギー学会の専門医制度で認定された医師が、自分の居住地域にいるかどうかを知ることができます。
  • 一般社団法人アレルギー・リウマチ相談センター*のホームページから、アレルギー疾患全般に関する症状や薬、日常生活の注意点などを相談することができます。
    *厚生労働省より業務委託を受け、一般社団法人日本アレルギー学会が運営しています。
Q2
アレルギーマーチとは何ですか。
A2
アトピー素因があると、同一患者が乳児期の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎に始まり、幼児期以降にぜん息、アレルギー性鼻炎と、成長とともに症状が移り変わったり又は積み上がる傾向がみられます。
アレルゲン感作も成長とともに食物抗原から吸入抗原(ダニ・ネコ・イヌ・花粉など)に変化します。この傾向をアレルギーマーチと呼んでいます。
(独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」より引用・一部改変)
Q3
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係について教えてください。
A3
食物が原因で、乳児期にアトピー性皮膚炎症状が悪化するものとして、「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」があります。すべての乳児期のアトピー性皮膚炎が食物に関与しているのではなく、約50%から70%に食物が関与していると言われています。ですから、乳児湿疹やアトピー性皮膚炎がある場合、原因が食物アレルギーにあると思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。すぐに食物アレルギーと判断せずに、まずは適切なスキンケア、軟膏療法をしっかり行い皮膚症状の改善に努めます。それでも症状が改善しない場合には食物アレルギーかどうかを調べます。
Q4
子供の即時型食物アレルギーと大人の即時型食物アレルギーの違いについて教えてください。
A4
小児の場合、鶏卵・牛乳・小麦が多く、これらは加齢とともに食べられるようになることが多いです(3歳までに50%、6歳までに約80から90%)。学童期以降からの場合、甲殻類、小麦、果物、魚類、そば、ピーナッツが多く、また乳児期発症に比べて治りにくい傾向があり、長期間、時に生涯にわたる除去を必要とすることがあります。
Q5
食物アレルギーがある場合、どの位の頻度で検査を受けるのが望ましいでしょうか。
A5
乳幼児期に発症する頻度の多い鶏卵、乳製品、小麦、大豆は3歳までに約50%、6歳までに約80%から90%の子供が食べられるようになります。このため除去食は定期的に見直しを行い、可能な限り早期に除去終了を目指します。解除が進む傾向の強い食物アレルギーの場合は、およそ6か月毎に診断を見直し、検査結果を参考にしながら食物経口負荷試験の実施を検討します。
Q6
アレルギーの抗体検査(特異的IgE抗体検査*)をしたところ、複数の食物が陽性と判定されました。すべて、除去した方がよいでしょうか。
A6
IgE抗体検査で陽性となっても食物アレルギーの症状が出るとは限りませんので、陽性となった食物のすべてを除去しなければならないということにはなりません。除去する食物については、医師と十分相談しましょう。
*特異的IgE抗体検査:どのようなアレルゲン(アレルギーの原因となっている食物)に対して、血液中にIgE抗体がどのくらいできているかを調べる検査
Q7
鶏卵アレルギーと牛乳アレルギーがあります。この場合は、鶏肉や牛肉も除去した方がよいでしょうか。
A7
鶏肉・魚卵は、鶏卵アレルギーの原因にはなりませんので、基本的に避ける必要はありません。牛肉も、牛乳アレルギーの原因にはならないので、基本的に避ける必要はありません。主治医の指示に従って、食べて症状がでる必要最小限の食物だけを除去しましょう。
Q8
容器に入ったり包装された加工食品に「本製品の製造ラインでは○○(例:エビ)を使用した製品を製造しています」などと表示されている場合がありますが、表示されている原材料にアレルギーがある場合、その食品は食べない方がよいでしょうか。
A8
加工食品では、原材料としては使用していないが、同じ施設内でアレルギー物質を含む食品を製造または使用しており、ごく微量でも、混入してしまう場合、原材料表示の枠外に以下の注意喚起の表示を行うことが認められています。基本的にはその加工食品には含まれないので除去の必要はありませんが、主治医に確認しましょう。
Q9
牛乳アレルギーがある場合に、「乳酸菌」など乳○○を含む食品は食べられないでしょうか。
A9
牛乳は加工食品のアレルギー表示が義務付けられていますが、名称上の「乳」という文字の有無だけでは、一概に食べられるかどうかを判断できません。誤食なく、食べられる食品を増やすためには、アレルギー表示から、食べられる食品と食べられない食品を正しく見分けることが重要です。
  • 「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「発酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの患者さんは食べられません。
  • 「乳糖」には、原料の牛乳タンパク質が、ごく微量に残っていますが、大量に食べなければ、ほとんどの場合は、アレルギー症状を起こす原因にはなりません。利用できるかどうかは主治医に相談しましょう。
  • 「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」「乳酸ナトリウム」「カカオバター」はその名前から、乳製品と誤解されやすいのですが、牛乳とは関係ありません。
Q10
加熱や発酵によってアレルゲンは変化しますか。
A10
加熱や発酵によりアレルゲンの変化は食品により異なります。鶏卵は、加熱によってアレルギーを起こす力が弱くなります。このため加熱卵が食べられるようになっても、生卵や半熟卵には注意が必要です。牛乳・乳製品は、加熱や発酵処理をしてもアレルギーを起こす力はほとんど変わりません。それぞれの食品の特徴を知り、主治医の指示に従って、食べて症状が出る必要最小限の食物だけを除去しましょう。
Q11
除去した食品の栄養補給の方法等を教えてください(乳禁・鶏卵禁の場合)。
A11
原因食物を除去することにより、栄養が偏らないよう、代替えの食品を上手に利用しましょう。

鶏卵を除去する場合
鶏卵はタンパク質を多く含む食品ですので、タンパク質の不足を補うことが必要です。魚介類、肉類、大豆製品、牛乳・乳製品類を利用しましょう。

牛乳を除去する場合
牛乳はタンパク質、カルシウムを多く含んだ食品ですので魚介類、肉類、大豆製品、卵を十分に食べることでタンパク質はとれます。また、アレルギー用粉ミルクや豆乳・豆腐、骨ごと食べられる小魚や海藻を食べることで、カルシウムを補います。
Q12
小麦アレルギーでも麦茶は飲ませてもよいでしょうか。
A12
麦茶は大麦の種子を煎じて作った飲み物であり、小麦と直接関係はありません。しかし小麦アレルギーの中に麦類全般に除去指導されている場合があり、この場合に麦茶の除去が必要な場合があります。
Q13
子供が食物アレルギーですが、災害時に備えてどのような準備をしたらよいですか。
A13
災害に備えてまずは個人で準備することが大切です。
  • 災害時に起こりうる可能性としては、①アレルギー対応食品の不足、②炊き出し時におけるアレルゲンの誤食、③アナフィラキシー時の対応の遅れ、④食物アレルギーに対する周囲の理解の不足が考えられます。
  • 災害に備えた必要物品として、①誤食時の緊急薬、②数日以上保存可能な普段安全に食べている食品(アレルギー対応アルファー化米、アレルギー対応レトルトカレー、アレルギー用ミルクなど)、③アレルギー対応食品が備蓄されている場所の地図と連絡先、④食物アレルギーサインプレートなど除去食品が明確に書かれたもの、が挙げられます。
  • 個人の備えとして大切なことは、食物アレルギーの正確な診断を受けて、本当に除去が必要な食品をしっかり把握しておくことです。「念のため」に避けている食べ物があると、被災時の不安や不便は一層高まります。微量の混入まで完全除去が必要なのか、ある程度までは食べられるのかも明らかにして、普段から可能なレベルまでは食べる習慣にしておきましょう。
  • 食品は、1週間分(少なくとも3日分)を目安に備蓄し、賞味期限が切れる前に入れ替えます。数日以上保存可能な普段安全に食べている食品、アレルギー用ミルク、加熱しなくても食べられるアレルギー対応アルファー化米(特定原材料等不使用のもの)、ふりかけ、アレルギー対応レトルトカレーなど保存可能な商品を準備して、時々は食べて慣れておくといいでしょう。
  • 誤食に備えた緊急薬も数回分は準備します。
  • アレルギーの情報や緊急連絡先を記入したサインプレートや緊急カードを作っておくと役立ちます。

(独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック2014」より引用一部改変)

Q14
授乳中の子供に食物アレルギーがある場合、母親もその食材を除去した方がよいでしょうか。母乳とアレルギーの関係について教えてください。
A14
基本的に食物アレルギーがあるお子さんの母乳育児を止める必要はありません。また、アレルギー疾患の発症予防のために授乳中の母親に食物除去は一般的には勧めません。
Q15
食物アレルギーがある場合、保育園に通うに当たって、園にお願いすべき注意事項はありますか。また、どのようなことを注意しておけばよいでしょうか?
A15
まず、通園先で食物アレルギーについてどのような対応をしてくれるかを知る事が重要です。
  • 園での対応を依頼するために、主治医に生活管理指導表を書いてもらい提出し、その後、保護者、保育園で具体的な個別の対応プランを作成、共有します。
  • 園での食事は、「完全除去」が厚生労働省から推奨されています。これは「少量なら食べられる」や「加熱してあれば食べられる」等の家庭と同様の段階的除去は、誤食事故が起こりやすくなるためです。園でのお子さんの安全な生活を最優先とする考え方に基づく「完全除去」を理解してください。
  • 園で安全な生活を送るために、保育施設の職員、主治医(場合によっては園医)、保護者が十分な連携を図ることが大切です。緊急時の連絡体制等を共有しましょう。
  • 重症のお子さんはより重点的な対応を求める場合があります。お子さんの状況を細かく伝え、園の理解を求めましょう。また園におけるアレルギー対応をきちんと把握し、定期的に面談してもらいます。
  • 食物アレルギーは3歳で約半数、6歳では80~90%が食べられるようになるといわれています。家庭での負担はもちろん、集団給食における不安を減らすためにも、定期的に除去解除の評価をしてもらいます。また、除去解除する場合は、複数回食べて大丈夫であることを確認し、書面で除去解除のお願いをします。
Q16
妊娠中から、食物制限をすれば、生まれてくる子供が食物アレルギーになることを防げますか。
A16
妊娠中に母親が食物除去を行うことによって子供のアレルギー疾患の発症を予防できるという科学的な証拠は今のところ示されていません。したがって、アレルギー疾患の発症予防のために妊娠中の母親に対して食物除去は通常勧めていません。
Q17
アレルギーのある子供の予防接種はどのように考えたらよいでしょうか。
A17
ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、じんましん、アトピー体質などといわれているだけでは、基本的には接種不適当者にはなりません。主治医と相談し、予防接種は該当する年齢で体調の良い時に受けるようにしましょう。
  • 予防接種においてアレルギーと関連すると報告されているのは、ワクチンの安定剤、防腐剤や抗菌剤、培養成分としての鶏卵成分、ワクチン菌体成分そのものなどです。最近のワクチンでは、ゼラチンは黄熱ワクチン(任意接種)に使用されていますが、含有量は微量です。防腐剤や抗菌剤に対するアレルギーの発症率は極めて低く、通常心配する必要はありません。
  • インフルエンザワクチンの鶏卵成分の含有量は、メーカーにより多少異なりますが、極めて微量であり、鶏卵成分に対して即時型アレルギーが起こりえない量です。このため基本的には鶏卵アレルギーがあってもインフルエンザワクチンは接種できます。卵白に対して強いアレルギーがある場合や、保護者に強い不安がある時は、主治医又は接種医とよく相談しましょう。
Q18
離乳食を始める子供がいますが、兄に食物アレルギーがあります。食物アレルギーを防ぐために離乳食を遅らせたり、食物除去をしたほうがよいでしょうか。
A18
離乳食を開始する時期や食物の内容については、標準的な時期、内容で始めましょう。基本的には予防的な食物の除去は必要ありません。最近の研究ではむしろ発症予防のために、早期から原因食物を食べさせていったほうが良いとする成果も出ています。ご家族に強いアレルギー病歴があるなど、心配な場合は、医師に相談することをお勧めします。

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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