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小児のぜん息

最終更新日:令和3年4月7日 | 公開日:平成29年4月21日

ぜん息発作が起こった時の対応

ぜん息発作は、軽いものから重症で緊急性を要するものまであります。このため発作が起きた時には、その程度を見極めて慌てずに対処することが大切です。
日頃から主治医に発作時の服薬の方法などについて確認して、アクションプラン(ぜん息個別対応プラン)を作成してもらいましょう。

ぜん息発作のときの観察のポイント

  1. 日常生活の様子(遊び、食事、睡眠)は普段に比べてどうか
  2. 呼吸の様子(ゼーゼー、ヒューヒュー、呼吸の時の胸の動きなど)
  3. 日頃からピークフローを測定している場合は、ピークフローの値

発作の程度を観察し、強い発作のサインがあるかどうかを見極めながら対応をしていきます。
以下の状態が一つでもある場合は、直ちに受診が必要です。救急車を要請してもかまいません。

強い発作のサイン

  1. 生活の様子
    • 遊べない、話せない、歩けない
    • 食事がほとんどとれない
    • 横になれない、眠れない
  2. 全身の様子
    • 顔色が悪い(唇の色や爪の色の赤みがない)
    • ぼーっとしている、または普段よりも興奮していて暴れている
  3. 呼吸や脈の様子
    • 遠くからでも明らかにゼーゼーしていることがわかる
    • 息を吸うときにのどやろっ骨の間などがはっきりとへこむ、小鼻が開く
    • 脈がとても速い

(出典:独立行政法人環境再生保全機構 「おしえて先生!子どものぜん息ハンドブック」より引用)

発作が起きたときの対応

発作時の対応について日頃から主治医とよく相談し、発作止め薬の使い方や受診すべき状態の把握の仕方、受診のタイミングなどを確認しておきましょう。

  • 落ち着いて発作の強さを判断します。
  • 強い発作のサインはありますか。
  • 強い発作のサインがあるときは、すぐに受診します。
  • 必要に応じて発作止め薬を指示通りに使用します。

発作は、かかりつけ医が診療している時間帯に起こるとは限りません。夜間や休日などの受診方法や受診先も考えておきましょう。

ぜん息発作の時の観察のポイント及び対応の詳細については、独立行政法人環境再生保全機構 「おしえて先生!子どものぜん息ハンドブック」をご覧ください。

環境整備(患者さんや家族が協力して生活環境から原因・悪化因子を減らす)

原因は一人ひとり異なるので、発作を起こす原因を知って、日常生活の中でその原因や悪化因子を減らす工夫をしましょう。

室内のアレルゲンを減らす工夫

ダニやカビなどのアレルゲンを生活環境から減らすことが大切です。室内からアレルゲンを減らすポイントは掃除の工夫や、寝具の管理、湿度の管理などです。
室内のアレルゲン対策は、「住まいとアレルギー」をご覧ください。

タバコや花火など

  • タバコの煙は、発作の原因となります。
    これは受動喫煙でも同様ですので、家族も室内での喫煙は絶対に避けましょう。屋外で喫煙をしていても、成分は喫煙者の肺の中に残っており、喫煙者とともに室内に流入します。タバコの成分はぜん息治療薬の効果も悪くしてしまうので、できるだけ家族は禁煙しましょう。
  • 花火や線香の煙などは、吸い込んで苦しくなることがあります。風上に移動したり、口もとをタオルで覆ったりして煙を吸い込まない工夫をしましょう。

ペットのアレルゲンについて

  • 犬、ネコだけでなく、うさぎ、ハムスター等のアレルギーもあります。
  • ペットの毛やふけがアレルゲンとなります。毛のあるペットはできるだけ飼わないようにしましょう。すでにペットを飼っている場合は、ペットに由来するアレルゲンとの接触を減らす(定期的にペットを洗う、屋外で飼育するなど)工夫をしましょう。

風邪やインフルエンザの予防

帰宅時の手洗い励行、外出時のマスク着用、予防接種をするなど、気道感染症を予防しましょう。

自己管理(セルフケア)の力をつける(自ら治療に参加し、続けられるように正しい知識と判断力をつける)

以下の取組により、子供自身でぜん息の状態を評価して、コントロールのよい状態を維持し、発作の予防や発作時に適切な行動をとれるようになることが大切です。子供が小さい時は、保護者が対応し、成長とともに自分でできることを増やしていきましょう。

1. ぜん息の基礎知識を学ぶ*

2. 薬の種類と役割と使い方がわかる*

*基礎知識のページをご覧下さい。

3. 自分のぜん息の状況を把握(セルフモニタリング)できる

ピークフローメーターやぜん息日誌などを活用して、発作が起こらないように上手に自己管理をしましょう。

<ピークフローメーター>

ピークフローメーターを使う人イラスト

自宅で簡単に気管支の状態を測定できる道具です。ピークフローとは大きく息を吸い込んで、力いっぱい息を吐いた時の強さ(速度)を表す数値です。自覚症状がない時でも発作の前は数値が下がってくるため、早めに対応することが可能になり、症状の悪化を防ぐことができます。ピークフローメーターは、いろいろな種類のものが市販されていますので、医師に相談してみましょう。

<ぜん息日記>

ぜん息日記イラスト

症状や薬、天候や日常生活などの内容を記入し、自分の生活や症状の経過を振り返ることにより、発作のきっかけや前ぶれに気付いたり、予防へのヒントを見つけることができるものです。「ぜん息日記」は医療機関に相談するか、インターネットから無料で入手することもできます。

<JPAC(小児のぜん息重症度判定と喘息コントロールテスト)>

最近1か月のぜん息症状と生活の障害について記入し、コントロール状態を評価するものです。定期受診時には医師に見せましょう。
「JPAC」は、独立行政法人環境再生保全機構のホームページからダウンロードできます。

4. 環境整備(発作を起こしたり誘発する原因への対応)ができる

上記、環境整備の項目を参考にしてください。

5. 発作時の対応ができる

主治医と相談し、アクションプラン(ぜん息個別対応プラン)を作成してもらいましょう。

次:病院へのかかり方

病院へのかかり方

診察風景イラスト

適切な治療をうけるためには、医師に要領よく症状を伝えることが大切です。受診時に的確に状態を伝えるために以下のことを参考にしてください。

  1. 受診時に伝えたい内容をメモで簡単にまとめておきましょう。
  2. 症状を正しく伝えるためのポイント
    • いつ頃から
    • どんな症状(咳、ぜん鳴(ゼーゼー、ヒューヒューなど))
      • 咳やぜん鳴の強さ(眠れない、しゃべれない、息苦しい)
    • どんな時に出るか
    • どんな頻度か
    • ぜん息以外のアレルギーの状態について、特に鼻炎症状
    • 治療の状況(医師の指示どおりにできているか)
  3. ぜん息日記やJPACを活用しましょう。

関連情報

独立行政法人環境再生保全機構「おしえて先生!子どものぜん息ハンドブック」

ぜん息の症状、ぜん息発作が起きた時の対応、治療や吸入薬の使い方、ぜん息の悪化を防ぐための日常生活への対策など、ご家族向けに分かり易く説明されています。

独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息などの情報館」

小児のぜん息と成人のぜん息別に、基礎的な知識や治療、日常生活における対応など、具体的に分かり易く説明されています。

東京都・東京都医師会作成「住まいとアレルギー」

日常生活でできる室内環境の工夫を紹介しています。

大気汚染医療費助成制度

東京都では、都独自の制度として、大気汚染の影響を受けると推定される疾病(気管支ぜん息等)にかかった方に対し、一定の要件を満たす場合に、医療費の助成をしています。




このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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