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アルコール依存症にご注意

(1)上手に使えばお酒は文化です

冠婚葬祭、暑気払い、忘年会、新年会、歓送迎会など、楽しく節度をもって、人間関係をより豊かにする道具として飲むなら、お酒は一つの文化ともいえるでしょう。ですから、未成年・妊娠中の人・妊娠の可能性のある人・体質的に飲酒出来ない人・飲酒直後に運転や機械操作をする人・医師から止められている人・アルコール依存症の人、のように飲んではいけない人、飲みたくない人へは、十分な配慮が必要です。飲むことができる人でも、アルコールを分解できる能力からすると、一日に日本酒に換算して1合(純アルコールで約20グラム)程度までがよいところです。
(健康日本21を参考)

(2)でも、お酒に飲まれてゆくと・・・アルコール依存症

毎日のようにアルコールを飲む人には、お酒をほどよく使えない・止めたくても自力ではやめられない・生活がお酒中心となるなどを特徴とする、「お酒に人が飲まれてゆく病気」(アルコール依存症)になる可能性があります。休日はいつも朝からお酒を飲む人、勤務時間中につい飲んでしまうことがある人、これらはかなり危険性が高いです。
日本では、2004年の厚生労働省研究班の推計によると、アルコール依存症の人は国内に約80万人、依存症の疑いがある人は約440万人いるといわれていますただし実際、治療を受けている人は2008年の患者調査よると、5万人程度(男4,1万人、女9千人)であるとのデータも示されています。

(3)アルコール依存症とは

アルコール依存症は次の特徴があり、3つ以上当てはまるとほぼ確実です。(ICD-10をもとに)。


離脱症状とは、飲酒を中断・減少すると、手の震え、不眠、動悸、意識障害、ケイレン発作、興奮、幻覚などの離脱症状(禁断症状と広く呼ばれる)が生じる状態です。離脱症状は、アルコールを飲むと一見すぐに直ることもあり、本人はアルコールから離れづらくなります。
進行するとアルコールを飲むことが生活全体の中心となって回るようになってしまいます。しかも自分では病気や飲酒の結果の問題を正しく認識できない(否認)も特徴です。意志が弱いと言うより、飲酒の方向にばかり意志が向くようになる病気といえるのではないでしょうか。
なお、アルコール中毒とアルコール依存症は別物です。アルコール依存症はアルコールを人が求めて止まない病的状態のことですが、アルコール中毒はアルコールを飲んだ結果としての心身の病的状態のことです。動悸が早くなる、吐き気をもよおす、抑制が取れて陽気(不機嫌)になる、汗をかく、などが急性アルコール中毒でみられ、特に重篤な場合には、意識混濁、呼吸停止などの状態となり、生命さえ危うくなります。また、長期にわたる飲酒により肝臓の障害、脳萎縮が生じる場合などは慢性アルコール中毒と呼ばれます。

(4)アルコール依存症にまつわる家族・社会生活の困難

酔った上での外傷、けんか、トラブル、犯罪行為のほか、飲酒には多額の費用がかかり経済的困難につながりやすいです。さらに、家族がまきこまれ、病気について正しい理解がないと、飲酒時の問題の尻拭いをしたり、お酒をめぐる口論が繰り返されたりします。家族の心の安定も阻害されやすく、こどもの虐待、心身の発達の障害にもつながりやすいです。本人だけでなく、家族も社会から孤立しがちになり、飲酒者にばかり関心が向きがちになります。

(5)アルコール依存症と飲酒運転

「*飲酒運転で検挙された人のうち、約14%に以前、飲酒運転で検挙された経歴があったという調査があります。飲酒運転で検挙された人が運転免許保有者の1%に過ぎないのと比べ、かなり高率であることが分かります。」このことからも飲酒運転には習慣性があって、その中に多くのアルコール依存症者が含まれている可能性も推測されます。
(*藤田悟郎:飲酒運転の危険性と再発防止策.2004年予防時報216の14ページから19ページより)

(6)アルコール依存症は回復できます

ここまで、読まれると、不安になられるかたも多いことでしょう。確かに、だれにもアルコール依存症になる可能性があります。そして、適切な介入がなければ、進行性の病気ですので、徐々に悪くなります。かつては、50代前半には命を落とすことが多いものでした。
しかし、アルコール依存症は、お酒を上手に飲めるようにはなりませんが、適切な治療を受け・生活の送り方や対人関係を変えて行くことで、お酒無しの社会生活を回復することができます。ご家族や職場のかた等が先に気づくことが多くあります。ご家族が、問題飲酒のあるかたについて見方と対応を変えることも、本人が回復するよいきっかけとなります。
お近くの保健所や精神保健福祉センターでは、アルコール問題についての相談(ご家族・関係者のかたも含む)をお受けしています。

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