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大腿骨頸部骨折

大腿骨頸部骨折は高齢者の女性に発生することが多く、その約70%は転倒によって起こっている。大腿骨頸部を骨折すると、多くは激しく痛み、動くことができないので、出血性ショックなどに注意を払いながら、 救急車を呼ぶなど緊急対応が必要となる。寝たきりの状況を防ぐためには、術後、速やかにリハビリテーションなどを開始し、機能の回復を目指すことが求められる。的確な医療を迅速に提供するために、大腿骨頸部骨折は、地域連携クリティカルパスの医療保険適用疾患となっている。
大腿骨頸部骨折の大きな危険因子は、骨粗鬆症。18歳ごろをピークに骨量が少しずつ減少し、特に女性は閉経後、急激な減少により骨がもろくなり、骨折しやすくなる。骨粗鬆症は深く静かに進行するため、本人は気づかないことが少なくない。立ち上がったり重いものをもったりしたときなどに背中や腰が痛む、背中や腰が曲がってきた、身長が縮んだように感じる、身体のバランスが不安定などの症状を本人が見逃さないこと、また家族など周囲の人に気づいてもらうことも重要となる。骨量の減少は、主に骨の中のカルシウムの減少によって起こるが、現在、男女ともに15歳以上のすべての年代でカルシウムの摂取量が不足している。摂取量の目安(15〜17歳は女性850mg、男性1,100mg、50〜69歳は男女とも700mg)などを基準に、若いときからの食事に配慮することが予防につながる。

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