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がん患者さんとそのご家族へアピアランスケアに関する情報ページ ~外見の変化が心配なときに~

自分らしくいること 元気でいるコツ!

【執筆】 国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター   野澤 桂子  藤間 勝子 (平成29年3月)

目次

はじめに

 患者さんはがんの治療により、化学療法による脱毛や肌の変色、爪の変化、手術による傷、放射線治療による皮膚炎など、さまざまな外見の変化を体験することがあります。私たち国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター(以下「当センター」という)では、このようながん治療に伴う外見の変化に対するケアを「アピアランスケア」といい、女性だけでなく男性から子供まで、外見の変化が気になる全ての患者さんの相談に病院の専門部門として対応してきました。その内容も、広く、薬を使った治療的なケアから、ウイッグ(かつら)による脱毛のカバー、ヘアケアやメイクアップなど日常的な化粧品を使ったケア、さらには外見が変化することによって他の人達と今まで通りのつきあいができないのではないか?という悩みへの対応まで、含んでいます。
 このように患者さんの外見の変化やアピアランスケアが重視されるようになってきた背景には、治療がうまくいくようになり長期間元気で過ごす患者さんが増えてきたことがあります。その結果、単に命が長くなればよいというのではなく、その人らしく生きることが重視されるようになりました。治療中も、家や病院に引きこもるのではなく、仕事をしたり、外出したりする患者さんが増えています。
では実際に、治療中であっても、できるかぎりその人らしく生き生きと過ごしていただくにはどのように支援したらよいのでしょう。実は、医療者・企業・美容専門家など、その支援を考える立場によってその方法は異なります。中には、患者さんの不安に乗じて特定の製品を勧めたり、不適切な情報を流す悪質なサイトもあります。しかし、がんと外見に関する情報で、きちんとした研究の上に証明された素晴らしい解決方法!というのは、残念ながら、ほとんど無いのが現状です。以下では、当センターが、多くの患者さんに対応したり、さまざまな研究を行う中で、医療者として発信すべきと考えた情報を皆さんにお伝えします。ですから、今後、新たな研究の登場によって異なる結果になる可能性もあることをお許しください。

患者さんが受ける外見変化の苦痛
Point:自分らしさをなくしたり、これまで通りの対等な人間関係でいられなくなるのではないかという不安。

 今まで医療者は命を救う治療を優先し、外見の変化についてはあまり重視しない傾向がありました。しかし、患者さんにとって外見の変化は大きな苦痛であることが明らかになってきています。ところで、なぜ脱毛や肌の変化が、肉体的な痛みを伴わないにもかかわらず苦痛なのでしょうか?それは、他の人から自分がどのように思われるかに大きく影響するからです。
 がん治療に伴う外見の変化は、「自分の姿が今までと変わってしまい、自分らしくない」と思うビジュアル的感覚的な自分への違和感だけでなく、「他の人と今まで通り付き合えないのでは?」という心配ももたらします。これは、脱毛をはじめとする外見の変化から、人にがんだと知られることで、「この人は病気で弱い人だ」などと思われるのではないかと心配になってしまうからです。今までは、対等の関係であったのに、同情されたり、頼りにされなくなったりすることはとても悲しいことです。

アピアランスケアの目的
Point:外見の問題の解決を通して、患者さんの社会とのつながりをサポートする。

 当センターが行うアピアランスケアの目的は、患者さんの外見が変化したことによって、「自分らしくなくなった」と感じたり、それまでの人間関係や生活基盤を失うなどして自分らしい人生を病気に阻まれることがないよう、サポートすることです。人生のコントロールをがんに奪われるのではなく、自分自身の手に取り戻してもらうことは、生活の質や治療への意欲をあげることに繋がります。
 逆に、どれほど美しく外見を整えても、患者さん自身が、がんや他の人との接触におびえて、自分らしい人生を送れないのでは意味がありません。また、外見が変化しても、特に気にならず、今まで通り普通に社会生活を送れるのであれば、改めてアピアランスケアを行う必要もありません。アピアランスケアとは、自分らしい外見を得ることを通じて、患者さんの社会や他の人とのつながりをサポートするものなのです。

ご家族の方へ
Point:どんな選択でも患者さんの味方。
 患者さんが治療により外見が変化するのを見るのは家族にとっても辛いことです。大事な人であるからこそ、どうにかしてあげたいと思い、本人が口に出すより先に、「ウイッグを買いに行きましょう」「お化粧すればいいんだって」「●●という製品をつかうといいよ」などとアドバイスしたり、実際に物品を準備したり、とにかく何かしてあげたいと思うものです。でも、先回りして準備をすることで、本人に、「自分の外見が変ってしまったのを家族はおかしいと思っている」「こんな外見の自分を嫌だとおもっている。だから色々勧めるのに違いない」という気持ちにさせてしまうこともあります。まずは「治療により外見が変っても、家族はあなたのことを変らず大切に思っていること」「外見が変った姿でも、自分にとって大切な人であることは変らないこと」を伝えることが大切です。その上で、「気になっていることがあるなら、一緒によい方法を探そう」と伝えてあげてください。とりわけ、子供さんががんになったときには、脱毛のまま過ごすことを含めて、まずは本人の希望を尊重するよう注意しましょう。

アピアランスケアの方法
Point:治療によって症状はさまざま、まずは医療者に相談しよう。
 具体的なアピアランスケアの方法について説明していきます。ほとんどの場合、特別な製品を使ってケアする必要はなく、日常の生活通りか、あるいは少しだけ方法を変えるだけで、上手くいくことが多いものです。

 
 外見に変化が出てきた時は、自己流で対応する前に、まずは主治医か受診している病院の看護師さんに相談してみてください。薬が処方されることもあります。気をつけなければならないのは、インターネット上の情報です。様々な外見ケアの方法が流れており参考にする人が多いのですが、必ずしも正しい情報とは限りません。がんの種類や治療方法、治療の経過により同じように見える状態でも対応が違う時もあり、ある人には良かったけれど、他の人には適さないという場合もあります。

1.頭髪の脱毛への対処

Point:実は、選択肢もさまざま。シーン別選択もあり、です。
 がん治療と言えば「脱毛」の印象を強く持っている人が多いのですが、脱毛しない抗がん剤もたくさんあります。また、脱毛する場合も、薄毛になる程度もあれば全脱毛まで状態は様々です。慌てず、主治医に確認してください。実際の脱毛は、脱毛する抗がん剤を初めて使ってから2~3週間後より始まることが多いです。「完全に脱毛します」と説明された種類の抗がん剤の場合、脱毛開始から約1週間程度で髪が無くなります。脱毛後は、ウイッグや帽子、スカーフ、バンダナなどを使ってカバーする人もいれば、そのままの姿で過ごす人もいます。

ウィッグ選びのポイントは3つ

1)ウイッグの準備
Point:洋服選びと同じに考え、自分に似合う、好きなものを。
 最近ではフルオーダーでウイッグを準備する人は殆どいないので、店舗に在庫があればその日のうちに入手できますし、通販などでも数日で手元にとどきますから、焦って購入する必要はありません。
 必ず「医療用」の製品を選ぶ必要はなく、自分が気に入るのであればファッション用でも構いません。「医療用」ウイッグを使わないと再発毛は保証しないなどとの文言で、患者さんにウイッグを販売している業者もありましたが、全く根拠はありません。
 購入先は、ウイッグ専門店、百貨店や理美容室、ファッション小物の取扱店、バラエティショップなどの他、最近では通販も人気です。あまり使用しない予定であれば、必要な時だけレンタルするという方法もあります。

(1)ウイッグを選ぶ時に一番大切なこと                                     
 ウイッグを選ぶ時に一番大切なことは、「自分に似合う」デザインかどうかです。今の自分の髪型と同じものを選ぶ必要もありません。今の髪型以上に自分が素敵に見えるウイッグであれば、それでも良いのです。洋服を買う時に、素材や縫製から製品を選ぶよりは、まずは見た目のデザインから選ぶことが多いのではないでしょうか?ウイッグも同じように、自分が身につけて素敵だと思えるものを選んでください。

(2)自分の予算にあった価格で!
 ウイッグの価格は数千円から数十万円まで様々です。
 価格が高いウイッグであれば、「自然」で「他人から見て分からない」と思い、多少無理をしても高いウイッグを買わなければと思い込んでいる人もいます。しかし、患者さんの中には数千円のウイッグでも、自分らしく着こなし、自然に仕上げている人もいます。価格は自分の予算次第で、いくらの製品を選べばいいという指標はありません。乳がんの女性を対象としたアンケートでは、65%の人が10万円以下のウイッグを購入しているというデータがあります。私達が患者さんとお会いしている中では3~5万円程度で選びたいという人が多い印象です。数千円のウイッグを購入し、数か月ごとに新しい製品に買い替えていく人もいます。

(3)かぶり心地は工夫次第
 ウイッグの内側の作りは、患者さんができるだけ快適に過ごせるよう、各社で工夫を凝らしている部分です。しかし、かぶり心地については、感じ方に個人差があり、一概にどのような製品が良いかは言えません。いろいろと試着をして、自分が心地よいと思う製品を選ぶと良いでしょう。
 もし、デザインは好みだが内側の肌触りが気になると言う場合には、薄いガーゼや手ぬぐいなどをウイッグの下に挟んでかぶると良いでしょう。
 なお、粗悪なウイッグをかぶると頭がかぶれるなどと思っている人がいます。脱毛後頭皮に湿疹が出ることがありますが、これはあせもやかぶれではなく、薬疹であることがほとんどです。もし湿疹が出た時は、主治医または皮膚科医に相談するようにしてください。

(4)一度に2個買う必要はない
 「毎日かぶるなら」「洗い替え用に」などと一度に複数個の購入を勧められることがありますが、本当に必要になってから準備するので充分です。

(5)購入したら、自分に似合うようカットしてもらう
 ウイッグを購入したら、顔周りや襟足などを自分に似合うようカットすると、より自分らしくなります。購入店でカットして貰えることもありますが、通信販売などで購入した場合は、今まで自分が通っていた理美容室に相談してみると良いです。もしカットしてもらえない場合は、病院内にある理美容室などに相談すると良いでしょう。

(6)男性の場合
 男性では、ウイッグを準備しない方も多くいます。これは一般に男性の場合、女性に比較し、頭髪の脱毛が社会的に容認される傾向があること、また、ウイッグを準備しても女性に比較すると使用する期間が短いこと(抗がん剤終了後、2、3か月で、いがぐり頭程度には発毛することが多い)などが理由として挙げられます。しかし、自分の外見がどうしても気になる場合や、仕事上病気であることを外部に伏せなければならない場合には我慢する必要はありません。
 また、ウイッグを使用しない場合は、薄くなった眉毛を化粧で補うと顔の印象がはっきりします。

2)帽子の準備
Point:筒形の布の一方を閉じればかんたん帽子!自分がここち良ければ、ルールはありません。
 常にウイッグを使用する必要はありません。帽子も上手く利用すると良いでしょう。外に出かけるときの帽子は、自分の好みやファッションにあったものを選びます。ウイッグの上から帽子をかぶることは、ウイッグを痛めることが多いのであまり勧めません。帽子から髪が出ているようにしたいのであれば、つけ前髪などで工夫すると良いでしょう。
 部屋の中でかぶる帽子はどんなものでもよいのですが、市販の室内帽子では、病人っぽいデザインが気になる人もいるので、当センターでは、手作りを勧めています。タオルや手ぬぐいのほか、子供用のTシャツなどで簡単に作ることができます。
 帽子以外にも、スカーフやバンダナ、タオルなどを頭に巻くのもよい方法です。

3)脱毛した時のヘアケア
Point:まずは、これまで通りのヘアケアで。髪が無くなったら、身体を洗うのと同じです。
 脱毛が始まると、髪を洗う時に絡まることがあります。指の腹で頭皮を洗いつつ、髪の毛は指で梳くようにして洗います。シャンプーは特別な製品を使用する必要はありません。がん患者さんの脱毛用と称したシャンプーが販売されていますが、一般の製品との差が検証されているわけではありません。香りや感触が好みであれば使ってもよいでしょう。
 完全に脱毛してしまったら、シャンプーで洗わなくてもよく、洗顔料やボディソープ、石鹸など、顔や身体を洗う延長で地肌を洗います。

4)育毛剤について
Point:患者さんが期待されるような、効果的な製品は、まだ見つけられていません。
 脱毛の予防や再発毛の促進を期待して育毛剤を使用した方がよいかとの質問があります。現在、高いエビデンスではありませんが、2%ミノキシジル外用で再発毛が促進されたという研究がある以外は、がん患者さんの脱毛に対する育毛剤の効果は確認されていません。育毛剤を使うこと自体否定しませんが、過度に効果を期待しないことを勧めます。

5)再発毛後の毛染めついて
Point:健康なときと同じように、リスク判断が必要です。
 再発毛後、どの位たったら毛染めやパーマを掛けてよいかとの質問もよく寄せられます。
毛染めについては、
(1) 過去に染毛剤によるアレルギーや皮膚症状がないこと
(2) 頭皮に湿疹などがないこと
(3) 染毛剤の使用に適した長さまで毛髪が伸びていること
(4) 地肌に薬剤がつかないように染毛すること
(5) パッチテストを実施するよう記載されている製品については、パッチテストを行い、その結果が陰性であること
 以上の条件を満たした上で、注意深くおこなうのであれば、治療前に使っていた毛染め剤やカラーリンス、カラートリートメント、ヘアマニキュアを使うことは否定しません。しかし、問題が生じないという保証はありません。もし、皮膚に問題が生じた場合は直ちに皮膚科を受診するようにしてください。
 また、自分で染めると地肌に染毛剤がつきやすいので、理美容師に施術して貰うようにしましょう。

6)再発毛後の縮毛矯正(ストレートパーマ)について
Point:健康なときと同じように、リスク判断が必要です。
化学療法後に再発毛し始めた頭髪は、天然パーマのように自然にウエーブの付いた毛が生えてくることが多く、まっすぐにするため縮毛矯正を行いたいと希望する患者さんもいます。
この場合は、充分に毛髪が伸びた後に、技術力のある理美容師に施術して貰うことは否定しません。但し、ウエーブのある状態をストレートにすることでボリュームが減り、思ったような仕上がりにならないという方もいます。担当する理美容師と仕上がりについてよく確認してから、行うようにしてください。

2.スキンケア

日常のお手入れ

Point:「清潔」「保湿」「保護」が基本です。
 がん治療中のスキンケアは「清潔」「保湿」「保護」の3点が基本になります。汚れたら洗うこと、肌が乾燥しやすくなるので保湿をすること、肌を強く擦ったり、紫外線に無防備に当たらないよう肌を保護することが必要になります。特別に使わなければいけない石鹸や洗顔料、化粧品、シャンプーなどはありません。ほとんどの人はそれまで使っていた製品を継続使用しており、問題ありません。稀にですが、ピリピリする、かゆみがでるなど違和感があった場合は、使用を中止し、皮膚科を受診してください。

1)清潔にする
Point:やさしくてもいいけど、汚れはしっかり洗う。
 洗顔、洗髪、入浴については、特別に指示されない限り、治療前と同じようにおこなってかまいません。洗浄剤を軽く泡立て、皮膚を強く擦らないようにして汚れを落とすのが基本です。硬いナイロンタオルなどは避けましょう。
 すすぎや入浴の際のお湯の温度が熱すぎると、脱脂しすぎて肌を乾燥させることがありますので注意します。洗顔や入浴後、水分をふき取る場合も、肌を擦りすぎないよう、柔らかいタオルを軽く押し当てるようにし水気をふき取るとよいでしょう。

2)保湿する
Point:いつもより意識して、たっぷり。
 乾燥をさけるため、肌には化粧品や保湿剤をつけるとよいでしょう。ニキビ用やひげそり後用の化粧水などアルコールが多く含まれた製品は、肌を乾燥させるので勧められません。
 入浴の際には、充分なエビデンスはないものの、保湿タイプの入浴剤を勧められます。

3)保護する
Point:洗浄しやすい製品をこまめに塗り直す、日焼け止めはマネージメントが大切
 前述の通り、肌を擦りすぎないよう注意するとともに、無防備に紫外線を浴びないようにすることも大切です。日中(8時~16時くらいまで)に出かける場合は、帽子や日傘、長袖など、衣類で保護するか、日焼け止めを使うとよいでしょう。日焼け止めは特別に効果の高い製品でなくてよく、SPF15~30、PA++~+++の製品で十分です。2~3時間毎に塗り直すことが勧められます。

4)ざそう様皮疹について
Point:皮膚をつよくこすらない洗顔、ひげそり習慣も変えてみる。
 分子標的薬、特にEGFR阻害薬を使っている場合に、ざそう様皮疹と呼ばれる、ニキビのようなぶつぶつが肌に生じることがあります。その際、擦りすぎるのを怖がって、肌をなでるように洗う人がいますが、肌に軟膏などの外用薬がついていると落ちにくいことがあります。肌に汚れが残らないよう、適切な力で洗うようにしてください。
 男性が皮疹のある肌のひげを剃る場合は、より肌を傷つけないようにするため、T字剃刀よりも電気シェーバーを用いることが勧められます。電気カミソリは、肌の上を滑らせるのではなく、垂直に押し付けるようにして使用する方が、肌を傷つけません。また、ひげそり後は保湿クリームなどで肌を保護するようにします。

3.メイクアップ

Point:症状があるからダメ!と思いこまないで。
 抗がん剤によっては、肌色が黒ずんだり、前述のざそう様皮疹のように肌にぶつぶつが出ることがあります。こうした皮膚のトラブルを化粧で隠すこともできます。また、眉やまつ毛の脱毛もメイクアップでカバーすることができます。
 メイクをするときは鏡の位置に注意しましょう。肌にトラブルがあると、つい気になって10数センチ程度の非常に近い位置から鏡を見て、「ひどい状態だ」と悩みがちです。しかし、他人はそれほど近い位置から見ることはありません。社会的な対人距離と言われる、1.5~3メートル程度離れた位置から鏡で状態を確認すると、意外と気にならないということも多いのです。メイクをするときは、近い鏡だけ見て行うのではなく、他人の目から見たらどう見えるかも確認しながら行うとよいでしょう。

1)肌の黒ずみ
Point:いつもより暗いファンデーションを選択する。
 肌色がくすんだり、黒ずんできた時は、ファンデーションをつけるとある程度はカバーできます。肌色を白く見せようと、明るい色のファンデーションをつけるのではなく、ちょっと日焼けした位のいつもよりも色の黒いファンデーションの色を選ぶ方が、変化が目立ちません。また、ファンデーションでカバーした上にピーチ系やコーラル系のほほ紅を用いて血色を加え、肌全体を健康的な色に仕上げると比較的自然に仕上がります。著しい色の変化の時には、あざややけどの跡を隠すための特別なファンデーションを用います。

まゆげ・まつ毛を描いてみる。

2)眉毛の脱毛
Point:人間の眉は、もともと左右不対象、きれいに描こうとし過ぎないこと。
 眉毛の脱毛は、アイブローパウダーと呼ばれる粉状の眉墨を使って描きます。芯の硬いペンシルタイプの眉墨では肌に付着しにくいので、粉状または芯の柔らかいタイプのペンシルを使う方が描きやすいです。眉毛は髪の毛より後に抜けて、先に生えてきます。脱毛することがわかったら、眉毛があるうちから描く練習を始めると慌てずに済みます。脱毛する前の顔を携帯電話などで撮影しておき、いつでも確認できるようにしておくと安心です。
 描く時は、目の上に目幅程度の長さの横線を描くつもりでかきます。眉の太さは好みですが、6~8ミリくらいに留めるとよいでしょう。無理に左右対称のきれいな形に均一に描こうとしないことがコツです。

3)まつ毛の脱毛
Point:現実のまつ毛の有無より、顔全体の印象が大切です。
 まつ毛の脱毛にはつけまつげを使わなければならないと思っている人が多いのですが、つけまつげを使っている人はあまりいません。まつ毛が抜けて目元の印象がはっきりしない時は、目の際にアイシャドウをつけることで改善します。また、まつ毛が抜けて、眩しかったりゴミが入りやすい時は、メガネを利用するとよいでしょう。フレームにデザインがあったり、色がついている、アクセサリー感覚のメガネを使うと、眉毛やまつ毛に注目がいかなくなります。

4.ネイルケア

Point:爪の症状は、千差万別。変化しないこともあります。
 化学療法の種類によっては、変色・変形・もろさや脱落など爪にさまざまな変化が現れることがあります。このような変化が起きた時は、まずは主治医か治療を受けている病院の看護師さんに相談してください。

1)色の変化への対応
Point:ふつうのマニキュアをふつうに使って楽しむ。
 爪の色が変化した時は、市販のネイルカラーを塗ってカバーする方法が勧められます。黒褐色の変化には、レンガ色のような赤褐色を用いると変色をカモフラージュしやすいのですが、好みに合わない色をつけているのもストレスです。自分の好きな色を2~3回重ねて塗布するだけでも十分であり、多少変色が透けて見えたとしても、マニキュアをしているだけで手の手入れが行き届いて見えます。

~ 使用するネイルカラーや除光液の種類について ~
 特別の製品を使う必要はなく、ごく普通に街中で売っている製品を使って問題ありません。がん患者さんに向けた爪に優しいと謳った製品もありますが、その優位性を確認できるエビデンスは今のところ見出せません。また除光液を必要としない水溶性ネイルカラーという製品も販売されていますが、除去にアルコールを使用することもあるので、アルコール過敏の患者さんは注意が必要です。アセトン入りの除光液の使用を躊躇する患者さんもいますが、今のところ、週一回程度の使用で、除去後にクリームやオイルでケアをすればほとんど問題ありません。

2)爪が薄くなった時の対応
Point:ファイルの使用とマニキュアで乗り切る。
 薄く脆くなった爪は、爪切りよりも爪用のファイル(やすり)で長さを整えます。乾燥すると、亀裂や割れがでやすいので、ハンドクリーム等をこまめに塗布するようにします。ネイルカラーや透明のマニキュアを塗布して保護・補強しておくと日常生活が送りやすくなります。この場合、最初に3~4回塗り重ね、その後透明のマニキュアやトップコートを1日1回塗り重ねると層が厚くなり補強になります。1週間に1度程度除去し、また塗るようにしてください。

3)亀裂、剥離、脱落への対応
Point:症状も対応もさまざまです、生活に合った方法を。
爪が脆くなり、割れやすくなったり亀裂が入ることがあります。小さな亀裂であれば、ネイル用グルー(接着剤)で接着すると生活しやすくなります。また、人によっては、爪が浮いてきたり、徐々に剥がれてくることがあります。この場合は自然にとれるまで絆創膏や傷テープなどでとめておいてもよいです。手指の場合、頻繁に手を洗うので、濡れても不衛生にならないよう通気性のよい製品を用いるようにしてください。

4)爪の変形への対応
Point:短時間だけど、ネイルチップをうまく使おう。
 爪が剥がれ落ちた後、爪の形が悪くなったと気になる人もいます。その場合はネイルチップ(つけ爪)を用いてカバーをする方法があります。ネイルチップは爪型に成形された樹脂で、爪甲に専用の両面テープで貼付けて使用します。一日使用したら爪から外す必要がありますが、チップ自体は複数回使用することができます。手を洗う回数が多いと両面テープの粘着力が下がり脱落しやすくなるので注意が必要です。

5)ジェルネイルについて
Point:残念ながら、医療者としては、おススメできません。
 ジェルネイルとは硬化性樹脂を用いて自爪の上に義爪を形成する方法で、普通のマニキュアとは異なり、数週間に渡ってその状態を維持できるので人気があります。今まではネイリストによる施術が主でしたが、最近では手軽に自分で行える製品も多く販売されるようになりました。しかし、ジェルネイルは装脱着時に爪を削ることが多く、がん患者さんの薄くなりやすい爪には負担になります。また健康な人が使用しても、樹脂によるアレルギーの報告や、長期間の装着で義爪と爪甲の間にカビや細菌の繁殖が起きることが報告されています。何よりも、ジェルネイルは数週間装着したままであることから、その間、爪甲・爪下の状態を観察できず、気づかないうちに、爪の下に炎症がおきたり、膿がたまったりすることが心配されます。このような問題があることから、現時点では化学療法中の爪の変化に対し、ジェルネイルを使用することは勧められません。

まとめ

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このページの担当は 医療政策部 医療政策課 です。

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以下 奥付けです。
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