東京都保健医療計画〔平成14年度改定〕
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第6章 保健医療圏と基準病床数

2 基準病床数

基準病床数の基本的考え方  

 基準病床数は、第四次医療法の改正(平成13(2001)年3月施行)により従前の「必要病床数」から改められたものであり、医療法第30条の3第2項第3号の規定により算定されるもので、病床整備の基準であるとともに、病床の適正配置を図り、適切な入院医療を確保するためのものである。
 基準病床数を算定すべき病床の種別は、療養病床、一般病床、精神病床、感染症病床及び結核病床である。療養病床とは、病院又は診療所の病床のうち、主として長期にわたる療養を必要とする患者が入院するための病床をいい、病院の病床のうち、療養病床、精神病床、感染症病床及び結核病床を除いた病床を一般病床という。
 また、療養病床及び一般病床は二次保健医療圏ごとに、精神病床、感染症病床及び結核病床は東京都全域(三次保健医療圏)でそれぞれ算定する。
 病床は医療資源の中でも最も重要な位置を占めるもので、その運用には、多くの人的・物的資源が必要である。したがって、病床は、入院医療を必要とする都民が入院治療に必要な期間利用できるよう、効率的かつ適切に活用しなければならない。
 このため、今後、入院医療の確保に当たっては、医療機関相互の機能の分担と連携を一層推進するなど、医療資源の有効活用を図るとともに、病床が本来の入院医療を適切に提供できるよう、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設などの介護保険施設や訪問診療・訪問看護などの在宅サービスとの機能分担と連携を図る必要がある。


療養病床及び一般病床  

 今回の医療法の改正により、療養病床及び一般病床における基準病床数の算定方法が変更になった。新たな算定要素として、今後の平均在院日数の短縮化を見込んだ平均在院日数推移率と、入院率の地域間格差をなくす観点から入院率に全国基準率及び都道府県率という概念が導入された。
 また、二次保健医療圏ごとの流出患者の超過加算が認められなくなる一方で、都道府県単位で超過流出患者が加算できることになった。加えて、知事の裁量によって二次保健医療圏ごとの流入流出患者数の調整が可能になった。
 これらの改正された医療法及び同法施行規則の規定に基づき、療養病床及び一般病床の基準病床数を右記のとおり定める。既存病床数が基準病床数に満たない病床不足の二次保健医療圏では、その圏域内で一般的な入院医療を確保する観点から、病床の整備を図る必要がある。病床の整備に当たっては、圏域内の医療資源の配置や医療機関相互の機能連携の状況等地域の実情を十分踏まえるとともに、関係区市町村や民間医療機関等と緊密な連携を図りながら進める必要がある。
 既存病床数が基準病床数を超える病床過剰の二次保健医療圏では、原則として、病床の新・増設は認められない。こうした圏域にあっては、既存の医療資源の有効活用を図るとともに、かかりつけ医・かかりつけ歯科医機能の定着と充実及び医療連携の一層の推進により、地域医療の体系化を図っていく必要がある。
 なお、既存病床数が基準病床数を超える二次保健医療圏であっても、高度ながん診療施設、循環器疾患診療施設など特定の病床が不足する地域における当該診療を行う病院のための病床整備や診療所の療養病床に係る病床整備(医療法施行規則第30条の32の2)、人口の著しい増加に対応した病床整備など特別な事情がある場合(同施行令第5条の3)などについては、病床の新・増設の特例的な取扱いが認められており、こうした事由が生じたときは、関係機関・関係団体と調整の上、病床の新・増設について配慮するものとする。
 従前の「その他の病床」を有する病院は、平成15(2003)年8月末までに、療養病床又は一般病床の種別ごとの病床数等を届け出なければならないことになっている。この届出が終了した日以後政令で定める日までは療養病床と一般病床を合わせて全体として基準病床を算定し、その日以後はそれぞれの病床の種別に応じて算定した数の合計数を基準病床数とすることになっている。
 今後、これらの病床の届出状況を踏まえるとともに、特定機能病院※1をはじめとする高度な医療提供が可能なナショナルセンター的機能を持つ病院が数多く存在する東京都特有の地域特性を鑑みながら、患者の受療状況等を十分検討した上で、療養病床と一般病床にアンバランスが生じないように調整する必要がある。

※1

 特定機能病院:高度な医療の提供、高度の医療技術の開発・評価及び研修等の機能を有するものとして厚生労働大臣の承認を受けた病院であり、我が国の医療をリードする病院となっている。
療養病床及び一般病床

精神病床  

 医療法及び同法施行規則の規定に基づき、精神病床の基準病床数を右記のとおり定める。
 精神病床については、医療計画上は東京都全域で算定されるものであるが、地域的な適正配置についても配慮する必要がある。
 精神病床は多摩地域に偏在しており、その偏在を直ちに是正することは、区部の地価の現状等から相当な困難を伴う状況にあるが、精神障害者施策が入院治療から在宅ケアへと転換し、社会復帰施設等の充実が図られる中、病状急変時に身近な地域で対応可能な精神病床の整備が必要となっている。都としては、初期救急・二次救急・緊急医療の総合的な精神科医療体制を整備するとともに、民間医療機関等の理解と協力を求めながら、既存の医療資源の活用や病床増設時の指導等を含め、病床の適正な配置に努める。

精神病床

感染症病床  

 感染症病床の基準病床数は、今回の医療法改正により、新たに医療計画上で定めることになり、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)第38条第1項の規定により厚生労働大臣が指定した特定感染症指定医療機関※1、第38条第2項の規定により知事が指定した第一種感染症指定医療機関※2及び第二種感染症指定医療機関※3の感染症病床の合計数を基準として右記のとおり定める。
 今後、感染症病床については、感染症の発生に迅速かつ的確に対応し、都民が安心して生活できるよう、入院治療のできる施設を引き続き確保する。

※1

 特定感染症指定医療機関:新感染症(人から人に感染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及びり患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症)の患者の入院医療を担当できる基準に合致する病床を有する医療機関
※2  第一種感染症指定医療機関:一類感染症(ペスト、エボラ出血熱等、原則として入院が必要な感染症)の入院医療を担当できる基準に合致する病床を有する医療機関
※3  第二種感染症指定医療機関:二種感染症(コレラ、細菌性赤痢等、状況に応じて入院が必要な感染症)の入院医療を担当できる基準に合致する病床を有する医療機関で、原則として二次保健医療圏ごとに1か所指定する。
感染症病床

結核病床  

 医療法及び同法施行規則の規定に基づき、結核病床の基準病床数を右記のとおり定める。
 東京都では、若年層の高り患率、集団感染事例の発生、路上生活者等の治療継続困難例の発生など、大都市特有の課題を抱えており、引き続き適切な医療体制を確保する。

結核病床

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