今、あなたに考えてほしい

●くらし いきいき してますか?
 今、あなたはどのような生活をされていますか。
 「自分はまだまだ若い」という気持ちから不摂生などしていませんか。
 逆に、「自分はもう年だから」と言って、外出もしないで、猫といっしょにこたつで丸くなっていませんか。
 年齢を重ねることによって、生じてくる気持ちには、さまざまなものがあると思います。
 しかし、今、元気でいても、「呆けたくないな」、「できれば寝たきりになりたくない」、「苦しむのは嫌だ」といった「老い」への不安は誰もが抱くものなのです。
 いつまでも心身ともに健康で、自分らしく楽しく暮らし、最期の時も安らかに迎えることができれば、これ以上のことはありません。
 年齢を重ねれば重ねるほどに、誰でも身体や精神が衰えてきます。筋力や骨は衰え、認知症やうつ病の症状がでる方もいます。心身の衰えが大きいと、日常生活を送ることが難しくなり、だれかに介護をしてもらうことが必要な場合もでてきます。

●ご存知ですか「介護予防」
 いつまでも「いきいき」と暮らしていくためには、寝たきりにならない、ずっと介護を必要としないよう心身の衰えを予防することが必要になってきます。
 そのためには、日常生活や気の持ちようをちょっと工夫する必要があります。そんな工夫、取り組みを『介護予防』と呼びます。
 「ずっと自分らしい生活を送りたい」「できれば、介護を必要とする状態になりたくない」と考える高齢者が、最期まで健やかな心身を保つための、あるいは失われつつある健康を取り戻すための大きな手だてとして、『介護予防』が大きな意味を持つのです。

●『介護予防』は「病気予防」と「老化予防」!!
 「『介護予防』が大切!」といっても、いったいどんなことをすればよいのでしょうか?介護が必要な状態となる主な原因は何かというと、脳血管疾患(脳卒中)などの「生活習慣病」と呼ばれる病気の他に、高齢による衰弱や転倒・骨折など「老年症候群」と呼ばれる老化現象があるのです。
 
まだそれほど心身の衰えを意識していない中年期(64歳くらいまで)の方でも、脳や血管、あるいは筋骨格系の衰えが、確実にやってきます。ですから、今のうちに『生活習慣病』と『老年症候群』を防ぐライフスタイルに変えていくことが必要です。
 また、高齢期(65歳くらいから)の方は、すでに始まっている危険な老化のサインをいち早く発見し適切な対策を行うことで、心身ともに健康な高齢期を過ごすことができるのです。いま、誰かの支援を必要とする状態だとしても、元気を取り戻すことが可能になります。



要介護の原因
 現在、わが国では高齢者(65歳以上)が人口に占める割合は19%を超え、間もなく20%を突破することは確実です。
 一方、平均寿命も80歳(男性77歳、女性85歳)を超え、今後しばらくは着実にこの平均寿命が伸びていくことが予測されています。
 このようなわが国の高齢化あるいは長寿化は、単に寿命が伸びただけでなく、実は高齢者の健康状態や日々の生活を過ごしていく能力、あるいは社会とのかかわりなど、さまざまな面で大きく変化しているのです。
 これまでの長期にわたる老化の研究から、平均寿命が伸び、新しい世代の人々が高齢者になっていくということは、心身ともに若々しく活力があり、しっかりとした生活機能(すなわち自立機能)をもった元気な高齢者が生まれてくることにほかならないことが明らかになっています。特に65歳から74歳の「前期高齢者」での健康度はきわめて高く、社会的活力もあって、もはや老人とは呼べないような集団を形成してきているのです。
 一方、75歳を超える「後期高齢者」では、やはり老化に伴う心身の機能や生活機能の低下が少しずつ顕在化してくることも明らかとなっています。特に平均寿命の長い女性では、何らかの介護を必要とするような不健康寿命もまた長く、生活機能の減退が時に顕著となる可能性が大きいのです。女性におけるこのような不健康寿命の長期化の最大の原因は、筋骨格系での老化が(男性よりも)顕著だからなのです。元来、女性は筋量が少なく、また筋力が弱いこと、および骨粗鬆症の発症率が高く、骨折(特に大腿骨頚部骨折)の発症が多いことなどがその原因です。一方男性をみてみると、筋骨格系は比較的しっかりしているものの、中年期からの血圧の管理に問題があるためか、脳卒中による障害が非常に多いことも判っています。
 男女ともに不健康寿命を増大させる原因として老年症候群(全体的虚弱化、転倒、失禁、低栄養、軽度認知症やうつ状態など)をあげることができます。老年症候群とは高齢者特有にあらわれ、必ずしも疾病という訳ではありませんが、しかし「生活機能(ADL)」を損ね、日々の「生活の質(QOL)」を低下させるような状態をいいます。
 転倒や失禁、低栄養あるいは(軽度)認知症などの老年症候群は早目に対処すると、充分な改善が見込まれますが、そのままにしておくと必ずといってよいほど、身体機能全体の著しい低下、すなわち「廃用症候群」へと進行し、要介護に至るのです。




中高年からの介護予防読本-すばらしい「老い」を求めて-
登録番号(16)258
平成17年2月発行
編集・発行 東京都福祉保健局 高齢社会対策部 介護保険課