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健康・安全

ひじきに含まれるヒ素について

平成19年5月25日
福祉保健局


はじめに、ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄などを多く含んだ食材で、日本では伝統的にひじきを食べてきました。ところが、2004年7月、英国食品規格庁はひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないようにという勧告を出しました。日本では普通に食べているのになぜ・・??

1 英国の勧告

 乾燥 総ヒ素乾燥 無機ヒ素水戻し 総ヒ素水戻し 無機ヒ素戻し水 総ヒ素戻し水 無機ヒ素
ひじき平均値(n=9)110mg/kg77mg/kg16mg/kg湿重量11mg/kg湿重量5mg/kg3mg/kg
あらめ平均値(n=3)30mg/kg<0.3mg/kg3mg/kg湿重量<0.3mg/kg湿重量1mg/kg<0.01mg/kg
わかめ平均値(n=5)35mg/kg<0.3mg/kg4mg/kg湿重量<0.3mg/kg湿重量0.4mg/kg<0.01mg/kg
こんぶ平均値(n=7)50mg/kg<0.3mg/kg3mg/kg湿重量<0.3mg/kg湿重量0.3mg/kg<0.01mg/kg
のり平均値(n=7)24mg/kg<0.3mg/kgのりは水戻ししないのりは水戻ししないのりは水戻ししないのりは水戻ししない

2 イギリスの勧告に、厚生労働省は・・・?

厚生労働省の見解
(16年7月30日にアップされた厚生労働省のホームページより抜粋)

3 ひじきに含まれるヒ素の実態調査と調理による影響

江東区保健所の調査より


乾燥ひじきに含まれるヒ素量

江東区内のスーパーなどで販売されている乾燥ひじき10検体を検査しました。
ひじきには34〜117mg/kgのヒ素が含まれていました。10検体のヒ素含有量(平均値)は下のグラフのようになりました。わかめなど他の海草に含まれるヒ素量は、おおむね10mg/kg以下なのでひじきには多く含まれています。産地による違いはありませんでした。

乾燥ひじきのヒ素含有量平均値
乾燥ひじき(n=10) (内訳) 国産7、韓国産2、中国産1

乾燥ひじきのヒ素含有量(平均値)
 総ヒ素有機ヒ素無機ヒ素
乾燥ひじき
(n=10)
82.5mg/kg19.4mg/kg63.1mg/kg

調理による効果

1 水戻し
乾燥ひじきを使うときは、多くの方が水戻ししてから調理します。水戻しすることによってひじきに含まれるヒ素はどの程度減るのでしょうか?
水戻し時間により溶け出すヒ素量をみたところ、芽ひじき(1.30mg含有)から30分後に0.48mg(36%)溶け出し、60分後には0.89mg(68%)溶け出しました。長ひじき(1.08mg含有)から30分後に0.37mg(34%)溶け出し、60分後には0.74mg(68%)溶け出しました。


2 茹でる
区内の妊産婦にひじき料理についてアンケートをとったところ、煮物だけでなくサラダにして食べる方が多かったため、ひじきを茹でるとどの程度減少するのか測定しました。
 
ア 乾燥ひじきを30分水戻ししてから5分間茹でる
イ 乾燥ひじきを60分水戻ししてから5分間茹でる
ウ 水戻ししないで5分間茹でる


この3つの方法で茹でたひじきについて検査をしました。検査の結果は下のグラフです。この結果から、水戻ししてから茹でたほうがヒ素の溶出量が多くなることがわかりました。


乾燥ひじきのお奨めする調理方法

ひじきに含まれるヒ素は水に溶出しやすいことが今回の検査からもはっきりしました。
乾燥ひじきを使って調理するときは次の方法で調理することをお奨めします。
スーパーなどで「生ひじき」や缶詰のひじきが売られていますが、これらは乾燥ひじきを水戻ししたものですので、改めて水戻しする必要はありませんが、調理する前に水でよく洗ってから使ってください。
  

水戻し時間により溶け出すヒ素量の変化

茹でることによるヒ素の変化

4 ひじきは食べても大丈夫なの?

ひじきには、無機ヒ素が多く含まれています。しかし、イギリスの勧告では調理法には言及していませんでした。日本では、昔から伝統的にひじきを食べてきました。江東区の調査は、日本でのひじきの食べ方に沿った報告の一例といえそうです。1食に食べるひじきを乾燥重量で5g程度として、水戻しにより無機のヒ素(今回の江東区の調査で最も高い検出量94mg/kgで計算)が50%に減少したとすると、体重50kgの人が週に3回以上(1回当たり乾燥重量5g程度として)、ひじきを食べなければ、暫定的耐用週間摂取量を超えることはありません。先に述べたように、ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄などを多く含んだ食材です。上手に利用していきましょう。なお、国の食品安全委員会ではこの問題について、引き続き検討しています。

語句説明

○英国食品規格庁(Food Standards Agency :FSA)
食品の安全性を監視する独立機関として設立。
○カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency:CFIA)
連邦政府の4省にまたがっていた検査機能を統一した機関として、1997年に設立。

ヒ素の毒性について

ヒ素は農薬、殺鼠剤に使用されるなど用途が広く、より身近にある毒物で、集団食中毒の形をとることも多いです。ヒ素の毒性は有機ヒ素より無機ヒ素の方が強く、その中でも亜ヒ酸塩が最も強いといわれています。
ヒ素による中毒は一度に大量に取ることによっておこる急性中毒と長年にわたり摂取することによっておこる慢性中毒があります。ヒ素による慢性中毒は潜伏期が長いのが特徴で47年経過してからヒ素中毒とわっかた事例も報告されています。
急性中毒の主な症状は悪心、嘔吐、下痢、腹痛などで全身性の痙攣で死に至ることもあります。慢性中毒の主な症状は嘔吐、食欲減退や皮膚に発疹や炎症を生じたりします。ヒ素は毛髪に沈着するため、慢性中毒の診断には毛髪を調べることが有用です。

参考

お問い合わせ

このページの担当は 健康安全部 健康安全課 食品医薬品情報係 です。

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