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第1回東京都健康推進プラン21評価推進戦略会議 議事要旨
日時:平成18年7月25日(火曜日)午前10時から11時40分まで
場所:都庁第二本庁舎31階 特別会議室22

議事次第
1 評価推進戦略会議の設置について
2 座長選任
3 都民の健康課題とプラン21の概要について
4 後期5か年戦略の重点3課題の推進について
5 医療制度改革の対応について
6 平成18年都民健康・栄養調査について
7 部会の設置について
8 検討スケジュールについて
9 その他

(要旨)

○ 評価推進戦略会議の設置について

・プラン21の進行及び指標管理に新たに地域・職域連携推進協議会の機能を付加する等の会議体であり、その設置について説明

○ 東京都健康推進プラン21の概要と後期5か年戦略の推進について

・プラン21の中間評価によって明らかになった都民の3つの健康課題「糖尿病」「がん」「こころの健康」と、その重点課題に対応するために策定した後期5か年戦略について説明
・後期5か年戦略における都の取組として、今年度新規の「糖尿病予防のための環境づくり事業」、「こころの健康づくりのための環境づくり事業」及び継続的に取り組んでいる「がん予防対策事業」について説明

〔質疑応答〕

質疑:資料(後期5か年戦略概要版)では「糖尿病の予防」に関する戦略の体系図が記載されているが、これは政策体系からより具体的な実施計画あるいは事業計画に移っていくと思われるが、これらの部分に関する評価が全国的に弱かったと思う。これらについては毎年でも評価できる項目であると思われるが、どのように評価していくのか。
応答:「糖尿病有所見者の減少」を大目標に、その下に中目標、小目標と、それぞれの指標を定めている。各指標については、当会議の中で経年的に追跡評価し、必要な部分については御意見をいただきながら進めていきたいと考えている。

質疑:「こころの健康づくり」については、特に中小企業等を中心にした職域保健の方々の自殺予防を念頭においたうつ対策に絞っていくという認識で良いのか。
応答:うつに関しては職場だけでなく、家庭等のバックアップ力が必要であるが、家庭内にもこのような予防をしなくてはならない層がいると認識している。今年度の都の取組としては「ストレスに対処できる人を増やす」という目標に関する部分に取り組んでいる。うつ予防については当課のみでなく、精神保健を所管している部署においても取り組まれているため、それらの部署と連携しながら今後も取組を広げていく必要があると考えている。

質疑:「減らす」「増やす」と具体的な数値目標の設定がない指標については到達目標の設定自体が非常に難しいということなのか可能性について教えてほしい。
応答:中間評価によって数値目標を設定できた部分は乳がん検診受診率とがん検診結果未把握率等のわずかな部分のみであり、何を根拠に数値目標を設定するのかが非常に難しい。

〔意見等〕

・検診受診率については対象者の算出方法が地域によって異なり、正確な把握が困難である。そのため、厚生労働省でも受診率の算出方法の統一等について検討しており、受診率をどのように評価するのかは非常に難しい問題だと思う。

・3課題に絞ったことにより、優先課題が明確になったことは重要であると思う。当会議が地域・職域連携協議会を兼ねることを考えると、共通のキーワードをもって具体的な年次計画をたて、行政がやらない部分で保険者に期待すること等の各構成組織の役割を具体的に検討することが今後の課題であると思う。糖尿病予防に関してコメントすると、大目標に「糖尿病有所見者の減少」とあるが、中目標の「早期発見・早期治療」が達成されると糖尿病有病者は増加するため、関係性を少し整理すると良いのではないか。また、がん検診の普及啓発は一律ではなく、ハイリスク者に対して重点的に受診を促せるよう、「3年間受診していない者」等とする方が現場としては動きやすいのではないか。

・健康づくり自体が行政のパターンナリズムだけでは無理であり、保険者や民間等も含めて総合的にすべてのセクターが協力実施していく必要がある。そのため、当会議が舵取り的なものとして重要であるという認識を共通に持っていただけると良い。

○ 医療制度改革と関係機関に求められる今後の役割及び課題について

・医療制度改革の概要と今後の生活習慣病予防対策の推進体制について説明
・医療制度改革を踏まえた今後の生活習慣病予防推進のための関係機関の役割及び課題について説明

〔質疑応答〕

質疑:昨年11月に保険者協議会を設立して少しずつ活動を開始しているが、地域・職域との関係など最終的にどのような関係に落ち着くのか不明なところである。協力できる部分があれば協力し、お互いに目指す方向がばらばらにならないよう連携をお願いしたい。
応答:今回の医療制度改革において保険者協議会の役割は非常に大きい。しかし、健診項目や判断基準、実施方法等についてもまだまだ検討すべき点が多く、保険者協議会の活躍に期待すると同時に都としても協力して実施していきたい。

〔意見等〕

・メタボリックシンドロームを中心に健診機能や事後指導の強化について言われているが、これは医療費適正化のほんの一部である。しかし、健康づくり=メタボリックシンドロームというように狭く捉えがちな傾向があるため、今後、さまざまな活動で連携していく場合にメタボリックシンドロームだけやれば良いと捉えられることは非常に問題であると危惧している。そのため、重点分野の3課題、特に「こころの健康づくり」はメタボリックシンドロームとあまり関係がないので、ぜひ地域・職域を橋渡ししたような形で進めていただきたい。

・メタボリックシンドロームに絞り込むと各人がデータになってしまうため、地域特性等の考え方を踏まえ、今後、健診やがん対策に関する質の管理や事後指導のあり方など標準化の検討等の中で協力させていただきたい。保険者の方々とも各地区等で顔を合わせながら討論するなど東京が良い形を作っていけると良い。

・特定健診に関し、国では歯科固有の項目が入っていない。歯周疾患と糖尿病は関連が高いというデータがあるものの検討結果には含まれていない。要精検者に対する検診や歯科の質問票を固有に追加する等の内容に関して検討できるよう、保険者協議会委員の方々にお願いしたい。 

・労働行政部門が色々推進し、従業員の生活習慣病予防を含めてもっと広い意味での職場の健康づくりを行っているため、事業者役割というのも非常に大きいのではないか。当会議は地域・職域連携推進協議会の親会議としての役割もあるため、その位置づけについても検討していけると良いと思う。また、今年度の都事業の紹介の中で、こころの健康づくりに関する事業として、地域産業保健センターの役割を中心に説明されたが、特に小規模事業所の対応では保健所・保健センター等の役割、家族の役割も大きいのではないか。特に自殺やうつ予防を考えると家族が最初に気づくため、その力をどう上手く生かすかという視点で、家族対応についての講習会等を行政の保健センター等で行う意義は非常に大きい。現実的な事業実施部分はもう少し地域保健が入ると良いと思ったため、どのような役割を果たせると良いか現実的な検討をお願いしたい。

・当会議が地域・職域連携推進協議会の役割を果たすのであれば、国の指針によると行政だけでなく、保険者、企業、企業の連合体、健保組合等が共通の目標をもって年次計画を立てて実施、評価していくことが望ましいとされている。現状では行政主導部分がかなり大きいため、今後の会議の中で各保険者の取組に関する情報交換や3課題に具体的に取り組んでもらえるような働きかけを何年度までにどの程度達成できるかについて、当会議や部会の中で具体的に議論いただき、その成果を本会議に上げるというような仕組みを作っていただきたいと思う。

いただいた御意見は運用面に反映させ、当会議や部会において有効な検討を行い、その結果についてはまた、この場に反映していきたい。

○ 平成18年都民健康・栄養調査について

・平成18年度に実施する都民健康・栄養調査の案について説明

〔意見等〕
・個別目標の49番の指標については、前回調査時に比較して単独世帯の増加など社会構造にも影響されるため、分析時には注意を。

・変更点に関する意見等なし。原案どおりの実施について了承。

○ 部会の設置及び今後の検討スケジュールについて

・本会議の下部組織として、地域・職域の連携や医療制度改革に関する課題等を具体的に検討していくための2つの部会の設置に関する案について説明
・本会議における指標評価の検討方法及び18・19年度の検討内容とスケジュール案について説明

・意見等なし。各部会委員の選任、指標評価の検討方法及びスケジュールに関しては座長への一任について了承。当会議におけるこれまでの意見を踏まえて運営していく。

○その他

・昨年11月に発足した「東京都健康づくり応援団」の概要及び今年度のおもな活動予定について説明

〔意見等〕
・全国的に健康日本21の認知度は非常に低いため、このような仕組みを積極的に活用し、計画に関心を持っていただけると良いのではないか
   
・部会に関しては個別に依頼し、日程調整をさせていただきたい。また、次回の会議については19年3月を予定している。

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