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評価・手法 項目編 

 障害・在宅分科会のとりくみ
 (1)障害・在宅分科会のとりくみ

 (2)利用者調査
 (3)事業評価

6 障害・在宅分科会の検討・試行の結果

(1)障害・在宅分科会のとりくみ

○ 在宅分科会では、12年度に検討したホームヘルプサービス事業に加え、本年度は生活寮も検討対象サービスとした。

○ ホームヘルプサービス事業については、12年度の試行等をふまえた利用者調査の調査票の改善等作成を行った。生活寮については、利用者調査の調査票の作成を行った。

○ ホームヘルプサービス事業、生活寮とも、試行を行い、評価手法の有効性と、重要と思われる項目を導き出した。

(2)利用者調査

ア 調査票作成のポイント

○ ホームヘルプサービス事業利用者調査の調査票作成の留意点は次のとおりである。

  • 12年度の調査票の表現の改善を行い、問いかけ文に統一した。
  • 回答の選択肢を見直し、12年度では、「はい」「いいえ」「わからない」の3項目であったが「わからない」を削除し「はい」「いいえ」の2項目に変更した。
  • 曖昧でわかりにくい表現を中心に改善した。

○ 生活寮利用者調査の調査票作成の留意点は次のとおりである。

  • 生活寮が、生活の場であるという位置づけ及び日常生活における援助等を行い自立生活の助長を目的としている視点から項目を厳選し調査票を作成した。
  • 大項目として
     生活寮入寮の手続き
     生活寮の施設・設備・環境について
     生活寮での生活について
     生活寮を利用しての満足度等

○ 評価項目の体系

 利用者が、「ホームヘルプサービス事業」「生活寮」を利用する状況から、大項目を設定し、サービスのポイントとなるものを小項目として設定した。

ホームヘルプサービス事業
大項目 小項目数
サービス内容の事前説明
ヘルパーの対応 14
サービス内容 16
要望・意見・いやな思い・トラブルの対応
サービスを利用して良かった点
総合的な評価

生活寮
大項目 小項目数
生活寮利用にあたっての運営方針等事前説明
生活寮の施設・設備・環境
生活寮での生活 28
要望・意見・いやな思い・トラブルの対応
生活寮を利用してよかった点
総合的な評価

イ 試行の概要

○ 試行実施区市町村と調査票の種類は次のとおりである。

ホームヘルプサービス 江東区(12年度江東区、武蔵野市で実施)
生活寮 江東区、武蔵野市

○ 調査票については、検討会で作成した調査票またはそれをもとに区市町村が独自項目を入れた調査票を使用した。

○ ホームヘルプは利用者本人と家族に対して調査を行った。家族に対しては、利用者本人と同じ調査票を用い、利用者本人がどう感じているかの視点で回答してもらった。

○ 生活寮については、利用者本人、利用者家族及び生活寮職員に対しても調査を行った。利用者本人に対しては、アンケート及び観察調査を行った。利用者家族に対しては、利用者本人がどう感じているかの視点で回答してもらうアンケートを行った。生活寮職員に対しては利用者の支援等について自己評価することとした。

ウ 実施手順

○ 試行区市町村における実施手順の概略は次のとおりである。

ホームヘルプサービス
手  順 内容・ポイント
◇調査項目の確定 ・検討会で作成した調査票に試行区独自の項目の追加。
・試行区独自の表現に変更。
◇調査対象者 ・試行区在住のホームヘルプサービス全利用者とその家族。
◇調査票の配布 ・配布・回収マニュアルを作成
・区より利用者世帯へ調査票を郵送
◇調査票の回収 ・調査員(自治体所属のヘルパー)が家庭訪門し、回答確認後利用者本人が返信用封筒にて区へ返送。
◇問い合わせ・苦情
 への対応
・区において対応。
◇個人情報の取り扱い ・区より調査書を郵送。
・区あて返信用封筒で回収。
・調査員は、自治体所属のヘルパーが担当。

生活寮
手  順 内容・ポイント
◇調査項目の確定 ・検討会で作成した調査票に試行区市独自の項目の追加。
・区市独自の表現に変更。
◇調査対象者 ・試行区市に所在の生活寮利用者全員。及び利用者家族・生活寮職員
◇生活寮運営事業者への説明 ・調査の趣旨、日程説明、調査への協力依頼。
◇利用者に対する説明 ・区から本人及び家族に調査の趣旨を説明(あいさつ状渡す)
◇調査票の配布 ・配布・回収マニュアルを作成。
・調査員(就労先施設の職員または区の職員)から配布。
・その他、観察シートにより観察調査を行う。
◇調査票の回収 ・調査員が回収する。
◇問い合わせ・苦情
 への対応
・試行区市にて対応
◇個人情報の取り扱い ・個人情報保護の観点から、郵送回収の宛先を試行区市にした

エ 調査結果及び調査手法・調査票の有効性
  (以下は、江東区の試行結果より抜粋)

ホームヘルプサービス
○ 昨年度に引き続き2回目の調査であったり、回収率は利用者本人は8割近く高かったが、昨年より回収率が低下した。家族は昨年と同じく回収率は8割近くであった。

○ 調査票の配布回収期間は約1ヶ月半であった。

○ 利用者本人に調査方法についても質問したところ、「配布回収方法は適切」、「調査目的はとても良い」の割合は高かった。「回答はしやすい」、「たずねて欲しい質問が盛り込まれている」、「質問の内容はわかりやすい」の割合は低かった。

○ 「無回答」の割合が多い質問(2割以上)は、いやな思いやトラブルに関する質問に多く見られた。なお、「わからない」の選択肢はもうけなかった。

○ 調査回答時間(平均)は、本人が34分、家族は26分であった。

生活寮
○ 回収率は高く、本人と世話人が8割を越え、家族が7割を越えている。

○ 調査票の配布回収期間は約3週間であった。

○ 利用者本人に調査方法についても質問したところ、「配布回収方法は適切」、「調査目的はとても良い」の割合は高かった。「質問の量は適切である」、「質問の内容はわかりやすい」、「回答はしやすい」、「たずねて欲しい質問が盛り込まれている」の割合は低かった。

○ 「無回答」の割合が多い質問(2割以上)は、「手伝ってほしいとき、お風呂やシャワーを手伝ってもらえる」など、条件がついた質問に多く見られた。

○ 調査回答時間(平均)は、本人が37分、家族は30分、世話人は24分であった。 

オ 試行結果の検証から導かれた利用者調査の重要と思われる項目

ホームヘルプ
大 項 目 小 項 目 分   類
サービス利用開始時 ・サービス内容について十分説明があった
・サービス内容は常に納得できる内容になっている。
注意
促進
ヘルパーの対応 ・衛生や安全・安心に配慮してくれる
・ヘルパーは自分や家族のプライバシーを守っている
・ヘルパーは自分や家族のことを気づかってくれている
・区窓口等にいたことがヘルパーにきちんと伝わっている
・ヘルパー間の連絡は十分できている
問題
促進
促進
注意
注意
サービス内容 ・衣類の洗濯、補修
・住居等の掃除、整理整頓
・生活や介護に関する情報提供・相談・助言など
促進
注意
注意
要望やいやな思いへの対応 ・ヘルパー訪問について、要望を気軽にいうことができる
・どう自分や家族の意向が改善に反映させたか説明を受けた
促進
注意

○ サービスの内容についての項目は昨年度と同様、全般に満足度が高かった。また、昨年度と比べたサービスの変化についての質問では、サービスは良くなったとの回答が5割ある。

生活寮
大 項 目 小 項 目 分   類
入寮手続き ・寮でできること、手伝ってもらえることの説明があった
・寮の生活に必要なものの説明があった
・書かれたものを使って、わかりやすく説明があった
・話を聞いて寮に入りたいと思った
注意
促進
注意
促進
施設、設備、環境 ・自分の部屋では快適に過ごせる
・お風呂は使いやすい
・寮の中は不自由なく働けるようになっている
促進
注意
促進
生活寮での生活 ・ご飯を作る人と分量や好き嫌いについて話している
・ご飯は自分のことに気を遣ったメニューになっている
・手伝ってほしいとき、お風呂やシャワーを手伝って
 もらえる
・手伝ってほしいとき、トイレを手伝ってもらえる
・手伝ってほしいとき、洗濯を手伝ってもらえる
・顔を洗うこと・はみがき等を忘れた時は教えてくれる
・クスリの飲み忘れがないように教えてくれる
・買物などを頼んだとき付き添っている
・手紙や電話の話は他の人にわからないように
 なっている
・世話人は寮の様子を家族や知人に連絡してくれる
・寮のことで困ったことを外の人にも相談できる
・福祉情報をみんなに教えてくれる
・寮の仲間同士はうまくいっている
・近くのお祭りなどに出かけることができる
・世話人に異性とのつきあいについて気軽に相談
 できる
・寮の決まりごとを破った時、納得できる対応が
 されている
ギャップ
ギャップ
ギャップ

ギャップ
ギャップ
ギャップ
ギャップ
ギャップ
ギャップ

ギャップ
ギャップ
ギャップ
ギャップ
注意、ギャップ
注意、ギャップ

促進
いやな思いへの対応 ・いやな思いやトラブルに対してすみやかに対応してくれた ギャップ

カ 今後の改善点(手法、調査票、項目について)

 <ホームヘルプサービス>
○ 自由回答からは、「はい、」「いいえ」の二者択一では回答しづらい、表現がまわりくどい・理解しにくいなどの意見があがった。

○ そのため、「はい」「いいえ」で回答する質問については回答しやすいような質問項目にするか、質問によっては適宜回答の選択肢(経験がないなど)をもうける等の工夫が必要である。

○ また、利用者が理解できる言葉に改善する必要がある。

○ 利用者への聞き取り調査等して、質問の内容を再検討する必要がある

 <生活寮>
○ 質問の内容により回答出来なかった項目も見られた。なるべく具体的で簡単な質問にする必要がある。

○ 障害の程度により無回答が多くなる項目があった。障害程度に合わせた質問内容、質問量にすることが必要と思われる。

(3)事業評価

(事業評価については、分科会で参考とした江東区の調査票及び試行を中心に記述する。)

ア 調査票作成のポイント

 <ホームヘルプサービス>
○ 利用者の立場から見て利用者にとってどういうメリットとして現れるのかという視点により
  「サービス提供のプロセス」「事業経営」観点から下記大項目を作成した。

  大 項 目
サービス提供のプロセス ・障害者福祉サービスの基本理念の確立と浸透
・情報公開・提供
・サービス開始時の対応
・事業所としての標準的サービス水準の確保
・個別対応の重視
・サービスの実施
・安全管理
・要望・苦情・トラブルへの適切な対応
・地域との交流・連携
事業経営 ・人的資源の開発と活用
・事業者の社会的責任
・事業の運営
・改善傾向

 <生活寮>
○ ホームヘルプサービスと同様の大項目を作成した。(「サービス開始時の対応」は「入所時の対応」に表現を変更)

イ 試行の概要

ホームヘルプサービス
  江東区で実施

生活寮
  江東区で実施

ウ 実施手順

< ホームヘルプサービス>・<生活寮>共通
手  順 内容・ポイント
◇調査項目の確定 区独自の調査票を作成。
◇調査対象者 区契約のホームヘルプサービス事業者及び区所在の生活寮
◇事業者事前アンケート 事業者による自己評価の実施。
◇訪問調査 調査員3人1組によりサービス提供や利用者の反応など現地視察
(生活寮・ホームヘルプサービスの利用者宅)
◇事業所調査 事業者から事業・サービスの特性等の説明を受ける。
事業者の自己評価結果を項目ごとに確認。
評価を実施した感想や意見交換を事業者と実施。
◇調査後のまとめ及び提出先 3人で相談しグループとしてまとめ、記入シートを区に提出。
◇問い合わせ・苦情
 への対応
試行区にて対応。
◇個人情報の取り扱い 調査員の説明会において守秘義務の徹底。

エ 調査結果及び調査手法・調査票の有効性
 (以下は、江東区の試行結果より抜粋)

 ○ 調査票の設計を、次のように改善し、評価のしやすさを高めた。

  • 各項目を4段階で評価することとし、評価1と4イメージを項目すべてに記載した。
  • また、項目の重要度を3段階でつけるようにした。評価点数と重要度を掛け合わせて合計し、大項目の評価を算出できるようにした。

オ 試行結果の検証から導かれた事業評価の重要と思われる項目
 <ホームヘルプサービス>・<生活寮>
 ( ほぼ共通。異なる項目についてのみサービス名を表示)
  大 項 目 チェック項目
サービス提供のプロセス ・障害者福祉サービスの基本理念の確立と浸透 ・様々な要求レベルに対応したサービス提供の実施についての考えの浸透
・情報公開・提供 ・利用希望者の関心のある情報の公開・提供
・サービス開始時の対応 ・事業者と利用者の合意の書面化
・事業所としての標準的サービス水準の確保 ・マニュアルの作成
・個別対応の重視 ・利用者の個別事情や要望の把握
・職員の意見及び本人・家族の希望を取り入れたサービス計画の作成
・サービス計画の速やかな見直し
・サービスの実施 ・利用者や家族の立場にたった適切な実施<ホームヘルプ>
・楽しく快適で自主性が尊重された生活<生活寮>
・プライバシーの保護、人権の擁護の徹底<ホームヘルプ>
・プライバシーの保護、人権の擁護、預かり金品の管理の徹底<生活寮>
・安全管理 ・感染症・発作・けが等のリスクに対する予防の実施
・要望・苦情・トラブルへの適切な対応 ・要望や苦情を訴えやすい仕組みの構築
・地域との交流・連携 ・地域の居宅サービスレベルの向上への取り組み <ホームヘルプ>
・地域の一員として、交流を深める努力<生活寮>
事業経営 ・人的資源の開発と活用 ・個人別の計画的な能力開発
・事業者の社会的責任 ・法・規範・倫理等の周知徹底
・公正で透明性の高い組織の構築
・事業の運営 ・理念やビジョンなど基本方針の周知徹底
・改善傾向 ・利用者満足の改善傾向
・職員満足の改善傾向
・事業経営の安全性の改善傾向

カ 今後の改善点(手法、調査票、項目について)

 <ホームヘルプサービス>・<生活寮>
 ○ 利用者調査については、昨年度よりも、サービスの実態に即した設問内容になった。事業評価については、各項目に評価イメージをつけたため、評価が実施しやすくなったが、イメージの内容や表現について、引き続き改善していく必要がある。