トップページへ  目次へ


システム編 2 
(1)利用者調査と事業評価
(2)共通評価項目の必要性と基本的な考え方
(3)共通評価項目の見直しの必要性

2 評価手法と共通評価項目について

(1)利用者調査と事業評価

○ 本検討会においては、利用者の選択に資するとともに、事業者のサービスの向上を図るという第三者による福祉サービスの評価システムの目的を踏まえ、評価手法として、利用者調査と事業評価の2種類の手法を用いることを提言する。

○ 利用者本位の福祉への転換にあたっては、これまでの措置制度の下で最も不足しがちだった「利用者の視点」を評価手法の中に取り入れていくことが重要である。同時に事業者側のサービス提供のしくみを把握し、評価することも必要である。

○ 利用者調査は、第三者である評価者が、利用者へのアンケートや対面聞き取り調査等を実施し分析する等の方法により、現在の利用者のサービスに対する満足度を把握する手法である。

○ 事業評価は、第三者である評価者が所定の評価プロセスに沿って事前調査及び訪問調査を実施し、判断・分析すること等の方法により行う。評価の内容は、1つは、経営体、組織体としての経営やマネジメントの力がどのような状況であり、安定的に良質なサービスが提供できるような体制にあるかどうか、もう1つは現在提供されているサービスの質がどのような状況であるかを把握するものである。

○ サービス評価にあたっては、基本的には両手法を併せて実施することが望ましく、評価機関は両手法とも実施できる能力が必要である。同時に、実際の評価にあたっては、各サービスの利用者特性や事業者特性等を考慮して実施することが必要である。

○ 例えば、利用者の意向の把握にあたっては、利用者の特性によって評価手法・項目は異なる場合があり、コミュニケーションを図る際に個別的な配慮が必要な利用者(知的障害者、痴呆性高齢者など)に対しては、簡易な調査票や観察調査を用いるなどの配慮や専門的な手法が必要となる。

○ また、事業者特性では、規模、事業形態、実施主体の性格が極めて多様であることから、評価項目、評価費用、評価にかける時間や人員の負担能力も異なると思われる。

○ これらを踏まえて、利用者特性や事業者特性に応じた評価手法や評価項目を策定することが必要である。

(2)共通評価項目の必要性と基本的な考え方

○ 利用者が評価情報を相互に比較し選択できるように、また、評価によって事業者も自らのサービスを相対化し事業改善につながるようにするために、重要な項目や共通の尺度となるような項目を、サービスごとに共通評価項目として設定する。その際、共通評価項目の評価結果が、実際に評価を行う者によってばらつかないように、共通の判断の基準、指標、ポイントなどを設けることが必要である

○ 平成12年度から今年度にかけ、高齢・保育・障害の各分野で、全12サービスの評価手法・項目を検討し、試行を実施してきたが、共通評価項目の策定にあたっては、その試行及び検証の中で抽出された、現在の利用者が重視する項目で、これから利用しようとする人にとっても選択に役立つと思われる項目、事業者の事業改善のために重要な項目から選定することが考えられる。併せて、苦情が多い事項や各サービスの特徴を示す項目、目標となる項目等も勘案する必要がある。

○ また、利用者調査と事業評価との関連性や、評価を行う福祉サービスのそれぞれの利用者特性、事業者特性を考慮して、項目の内容や項目数を設定することが必要である。

○  例えば、知的障害者や痴呆性高齢者に対する利用者調査は、項目数や回答者数が限られる可能性があるため、共通評価項目の設定にあたり、家族等に対する調査項目を補完することや、事業評価に重点をおくことなどが考えられる。

○  共通評価項目の数は、利用者が選択する上で情報を一覧で見ることができ、サービス内容を把握しやすいこと、事業者が費用等を負担できるボリュームであること、評価機関の評価にかかる時間や人員の負担能力や評価機関の多様性、採算性が確保されること等を考慮して、最小限の項目とする必要がある。

(3)共通評価項目の見直しの必要性

○  策定された共通評価項目は、策定時の社会状況や福祉サービスの状況を反映したものであり、利用者の意向や事業者のサービスレベル、その他の状況の変化に応じて、時代に見合った項目に適宜改訂することが不可欠である。

○  そのために、評価サポート機構は、前述の評価・研究委員会における審議や、評価を受ける事業者や評価機関、サービス利用者など評価にかかわる人と情報交換を行いながら、現実の動向を常時把握し、必要に応じて共通評価項目の見直しを行っていく必要がある。

○  その際、どのような場合に改訂するかについて一定のルールを設けることが重要である。