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システム編 4 

(1)利用者の選択のための情報提供のあり方
(2)多様な福祉情報とのリンク

(3)個人情報の取り扱い

4 評価情報の情報提供について

(1)利用者の選択のための情報提供のあり方

○ 平成13年4月に出された「利用者が必要とするサービスを選択できるようバックアップするしくみの構築に向けて(東京都社会福祉審議会意見具申)」に述べられているように、「サービス評価関連情報」は、現在ほとんど情報として存在せず、利用者のニーズと「情報」との間には、「知りたい情報そのものがない」という意味でのギャップが存在している。

○ そのため、利用者によるサービス選択をバックアップするとともに、ケアマネジャーなどサービスをコーディネートする機能を担う人が事業者を選択する際に参考となるよう、評価サポート機構が評価情報を集約し、その情報を広く公表することが重要である。

○ 公表する内容としては、以下のようなものが考えられる。
 ・ 評価を受けた事業者一覧
 ・ 評価を受けた事業者の共通評価項目の評価結果
 ・ 把握できる場合は、評価を受けていない事業者一覧
 ・ 評価機関情報           など

○ 評価情報を公表する際には、例えば区市町村別やサービス別の一覧を作るなど、利用者サイドに立った視点で、わかりやすく加工することが重要である。

○ 同時に、事業者にとっても、評価情報を事業の改善に活用できるよう、たとえば事業評価結果にコメントを付すなど、評価を受ける意欲が生じるような公表の工夫が必要である。

○ また、評価機関を支援するために、評価事業者の得意とする評価分野など、自らの事業をPRする場を設けることも検討することが必要である。

○ なお、公表にあたっては、以下の点について留意する必要がある。

○ 第一は、共通評価項目の評価結果情報の取り扱いについてである。

○ 評価は事業者と評価機関の契約の下に実施され、評価結果が事業者にフィードバックされる。そのうち共通評価項目の評価結果については、利用者の選択に資するという評価の目的から、評価サポート機構を通じて利用者に結果を公開するとともに、事業者は、共通評価項目以外の評価項目の結果についても積極的に公開していくことが望ましい。

○ また、評価サポート機構は、各事業者の評価結果情報について、現実的な収集の確実さ、効率性などを考え、評価機関から入手する方法が望ましい。

○ そのため、評価機関と事業者は、評価の契約を結ぶ際に、共通評価項目の評価結果をサポート機構に提出して公表することを盛り込んだ契約書を締結することが必要である。

○ ただし、評価結果の提出あるいは公表を望まない事業者は、その旨を評価機関に申し出ることができるようにすることが必要である。

○ なお、サポート機構が評価情報を評価機関から集約するにあたっては、評価項目が評価機関ごとに異なるため、共通評価項目の結果だけを収集しやすいよう、一定の報告書様式を定めることも考えられる。

○ 第二は、共通評価項目の公表方法である。

○ 評価情報は、共通評価項目について、サービス毎に事業所の評価を数段階で公表することが考えられる。その際、公表の方法としては、共通評価項目毎の評価を提示する方法や総合順位(ランキング)や格付け(レイティング)を行う方法等が考えられる。

○ 総合順位(ランキング)や格付け(レイティング)は、利用者が事業者選択をするうえではわかりやすいという側面もある。

○ 一方、総合順位や格付けのみでは、どのような点が評価されてその順位や格付けになったのかが見えなくなるという面もある。どの評価項目にウエイトを置くかで、そのランクは異なるが、評価が普及していない現段階では、客観的にも経験的にも、ウエイト付けのための尺度はない。

○ 福祉サービスは、基本的に利用者の自立した生活を支援するもので個々人の生活そのものに関わることから、利用者は、ニーズの個別性が高く、障害や介護の程度、生活状況などにより、選択の際に重視する項目が異なる。そのため、総合順位や格付けより、それぞれの利用者が重視する具体的な事柄、たとえば食事や病気・事故などの緊急時の対応など、個別の項目の評価が重要である場合も考えられる。

○ また、事業者によって、得意分野と不得意分野あるいは力を入れていく分野が異なるので、そのような事業経営上の特性が表れず、事業者の特徴あるサービス提供を促すという役割が果たせなくなることも予想される。

○ したがって、総合順位や格付けについては、第三者のサービス評価が普及し評価手法が定着して、利用者や事業者にとって評価手法や評価結果の信頼性が高まっていく中で、実施について検討することとし、現段階では、サービス毎に共通評価項目毎の評価を提示する方法が妥当である。その際、利用者が自分で重視する項目にウエイトを置き、個人のニーズにあった順位をつけるようなしくみを作ることも考えられる。

○ なお、共通評価項目の評価結果の公表方法は、今後、共通評価項目を策定していく中で、さらに検討すべき点が残されている。例えば、共通評価項目が利用者調査のアンケートや事業評価の訪問調査における質問項目そのものである場合と、質問項目をいくつかまとめてカテゴライズしたものである場合とでは、結果情報の表し方も異なってくることが予想される。

○ これらの点も含め、情報の見やすさや一覧性を確保した共通評価項目の評価結果の公表方法について、評価サポート機構において、さらに検討してほしい。

○ 第三は、各事業者の評価を行った評価機関名の公表である。

○ 評価結果は、複数の評価機関が行った評価を評価サポート機構が取りまとめて公表する。その際、サービス別、区市町村別の評価一覧を作成すると、それぞれ異なる評価機関が、異なる日時に行った評価結果の一覧であるにもかかわらず、同一評価機関が同一時点で行った相対評価であるという誤解を与えるおそれがある。

○ そのため、個々の評価結果に、実施した評価機関名、評価日時を明記して公表する必要がある。

○ 第四は、評価機関自体の情報の公表の必要性である。

○ 評価機関の認証要件でも述べたが、評価機関の信頼性を確保するためには、評価機関の規約、評価者の氏名、料金表など、重要な事項は認証時に公表するとともに、評価の実績、評価を受けた事業者からの評価機関に対する意見等も、とりまとめて公表する必要がある。

(2)多様な福祉情報とのリンク

○ 利用者によるサービス選択に資するためには、評価情報だけではなく、

 1)法律その他で規定されている、指定事業者として行政が開示を義務づけている情報、
 2)行政が事業者情報の提供について基準(ガイドライン)を作成し、提供を誘導すべきもの、
 3)事業者が他者との差異化を図って自主的に提供することが望ましい情報などの「福祉サービス関連情報」と連携しながら、総合的な情報を得られるようにすることが大切である。

○ そのため、東京都が現在検討している、福祉情報総合ネットワークに掲載し、法人情報、施設情報、介護保険指定事業者情報など既に公表されている情報と一体的に提供することや、苦情関連情報等、他の利用者に必要な情報とのリンクなどが必要である。

○ その際、福祉サービスの特性や利用者の特性を踏まえ、利用者が安心してサービスを選択・利用できるように、質の高い信頼性の高い情報が確保され、必要で適切な情報を十分に提供することに留意するとともに、情報へのアクセス手法についても、インターネットを活用できない多くの利用者に十分配慮する必要がある。

○ また、情報へのアクセスを容易にするために、情報の検索にあたって、その利用目的に応じて事業内容がわかりやすく理解できるように用語を工夫したり、地域別やサービス別の一覧を作ったりするなど、ユニバーサルデザインという視点の下に、利用者ニーズに合った、一目見てわかり、比較できるような形式に加工することが必要である。

(3)個人情報の取り扱い

○ 第三者評価を行うにあたっては、サービスの利用者の氏名、サービス提供記録など個人情報が必要となる場合が想定される。

○ そのため、利用者の個人情報をサービス評価という目的に使用することについて、あらかじめ事業者が利用者から同意をとるなど、個人情報の取り扱いに十分配慮することが必要である。