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(3)障害分科会

@  障害分科会の取組

  障害分科会では、児童居宅介護、児童デイサービス、児童短期入所、第二種自閉症児施設及びろうあ児施設の5サービスを検討対象サービスとした。

○ 各サービスについての理解を深めるために、まず全サービスの現場見学を実施した。

 

  各サービスについて、先行実施しているサービス及び評価推進機構における評価手法・項目の改定等を踏まえ、利用者調査の項目及び事業評価の項目(サービス分析シート カテゴリー6「サービス提供のプロセス」 サブカテゴリー5「サービスの実施」を中心)の検討を行った。

 

  全てのサービスにおいて試行を実施し、評価手法の有効性と評価項目の検証・改善を行うとともに、重要と思われる項目を導き出した。

 

○ 試行後の検討にあたっては、試行を実施した評価機関の協力を得て、サービスの特徴を踏まえた項目作りに留意した。

 

  試行の概要

対象サービス

事業所数

○児童居宅介護

○児童デイサービス

○児童短期入所

○第二種自閉症児施設

○ろうあ児施設

2事業所

2事業所

2事業所

1事業所

1事業所

 

A  利用者調査

  調査票作成のポイント

  調査票作成に当たっての留意点は次のとおりである。

・先行して実施されている類似サービスの利用者調査票をもとに、新規検討サービスの特性や利用者の特性を踏まえ、項目見直しの検討を重ねて調査票を作成した。

・児童本人に答えてもらうことが可能な場合があるのではないかという想定を基に、児童居宅介護、児童短期入所及びろうあ児施設の3サービスについては、児童用の調査項目を作成した。 

・特に児童居宅介護、児童短期入所の2サービスについては、1つの調査票の中に児童用のページと保護者用のページを設け、調査員による児童への聞き取り調査にも対応可能なように工夫した。 

・サービス種別ごとの内訳は下記のとおりである。

対象サービス

調査対象

基本となる調査実施方法

アンケート

聞き取り

コミュニケーション

児童居宅介護

児童

(○)

 

保護者

 

 

児童デイサービス

児童

 

 

保護者

 

 

児童短期入所

児童

(○)

 

保護者

 

 

第二種自閉症児施設

児童

 

 

保護者

 

 

ろうあ児施設

児童

(○)

 

( )は試行において状況に応じ併用した手法

 

  試行の実施

  分科会で検討した評価手法や項目を実地に検証するため、各種別の施設において試行を実施した。

 

○ 各サービスの試行概要は以下のとおりである。   

<児童居宅介護>

A事業所

  対象者数        登録児童26名及びその保護者  全数

  調査票配付数    26名(100%)事業者より郵送配付

  調査票回収数    16名(61.5%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童・保護者アンケート調査

聞き取り可能な児童1名に対する聞き取り調査

  調査員          1名

B事業所

  対象者数        登録児童21名及びその保護者  全数

  調査票配付数    21名(100%)事業者より郵送配付

  調査票回収数    16名(76.2%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童・保護者アンケート調査

聞き取り可能な児童2名に対する聞き取り調査

  調査員          1〜2名

 

<児童デイサービス>

A事業所

  対象者数        登録児童27名及びその保護者  全数

  調査票配付数    27名(100%)事業者より手渡し配付

  調査票回収数    20名(74.1%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童コミュニケーション調査

(週5日単独通所クラス)

保護者アンケート調査

  調査員          2名

B事業所

  対象者数        登録児童78名及びその保護者  全数

  調査票配付数    78名(100%)事業者より手渡し配付

  調査票回収数    65名(83.3%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童コミュニケーション調査

(週2日親子通所クラス)

保護者アンケート調査

  調査員          2名

 

<児童短期入所>

A事業所

  対象者数        過去1ヶ月間に利用した児童及び保護者

  調査票配付数    15名(100%)事業者より手渡し配付

  調査票回収数     5名(33.3%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童・保護者アンケート調査

聞き取り可能な児童2名に対する聞き取り調査

  調査員          1名

B事業所

  対象者数        過去1ヶ月間に利用した児童及び保護者

  調査票配付数     7名(100%)事業者より手渡し配付

  調査票回収数     5名(71.4%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童・保護者アンケート調査

聞き取り可能な児童1名に対する聞き取り調査

  調査員          1名

 

 

 

<第二種自閉症児施設

A事業所

  対象者数        入所児童及び保護者

  調査票配付数    43名(100%)事業者より配付

  調査票回収数    32名(74.4%)評価機関へ郵送回収

  調査方法        児童コミュニケーション調査

保護者アンケート調査

  調査員          4名

 

<ろうあ児施設>

A事業所

  対象者数        入所児童

  調査票配付数    17名(定員の73.9%)評価機関より配付

  調査票回収数    17名(配付数に対し100%)評価機関が回収

  調査方法       児童アンケート調査(集合して実施)

自記式アンケートの困難な利用者に対する聞き取り調査

  調査員           3名(外、手話通訳者2名)

 

  試行の実施手順概要

   

内容・ポイント

事業者に対する説明

  評価機関及び東京都が趣旨や実施方法を説明

利用者に対する説明

  事業者が、事前に利用者に対し説明を実施、または保護者アンケート送付時に評価機関作成の説明文や、都(状況に応じ事業所と連名)の依頼文を添付

  事業所においてアンケートまたは聞き取り調査をした場合には、評価機関から再度説明を実施

調査票の配布

  事業所で利用者自ら記入する場合には直接配布

  保護者等については郵送で配布

調査票の回収

  事業所で利用者自ら記入する場合には直接回収

  保護者等については郵送で回収

調査に対する問合わせ等の対応

  評価機関において対応

個人情報の取扱い

  評価機関に対しては、契約書に守秘義務を明記

  調査員には守秘義務の厳守と個人を特定できる内容を記載しないことを徹底

調査結果の報告

  利用者調査結果を集計し、分析結果を報告

 

  試行を実施してわかった点

<評価手順について>

  保護者にアンケートを実施した4サービスのうち、児童デイサービスは親子通所が多いため原則として手渡しで配付した。郵送に比べ丁寧であるが、サービスの性格上週に数回の登園パターンが多いため、配付に時間を要する。十分な配布期間の設定が必要である。

 

  アンケート用紙を保護者に郵送する際には、評価機関名ではなく、事業所名の封筒で送る等、説明前の保護者に対しての配慮が必要である。

 

<評価項目について>

  児童居宅介護及び児童短期入所の児童アンケート項目は、重度の知的障害児が回答する可能性のあることを念頭に置き、抽象的な表現は避ける等の工夫が必要である。

 

  ろうあ児施設の児童用アンケート項目は、小学生には内容が難しい。抽象的な表現は手話で説明するにも限界がある。

 

○ 保護者アンケートについて「お子さんの立場」で答えてもらうことについては、非常に難しいとの声があった。

 

<評価手法について>

  児童居宅介護及び児童短期入所で試みた児童への聞き取り調査は、会話が成立せず困難なケースが多かった。聞き取り可能な利用者の抽出と調査に向けた対象者と調査員との関係づくりが課題である。

  

○ 特に児童居宅介護の聞き取り調査は、プライバシー配慮の観点から、調査実施場所の選定が困難である。

 

  コミュニケーション調査は、年齢や障害特性から、調査員と児童との関わりよりも、全体観察に重点をおくことで多くの情報を得ることができた。

 

○ いずれのサービスも、現場を見ることは非常に有効である。

 

  項目の改善

・〈資料編〉「試行により変更された項目の整理(利用者調査票)」参照。

 

B  事業評価(サービス分析シート)

  調査票作成のポイント

  調査票作成に当たっての留意点は次のとおりである。

・先行して実施されている類似サービスのサービス分析シートをもとに、新規検討サービスの特性や利用者の特性を踏まえ、項目見直しの検討を重ねて調査票を作成した。

・居宅系3サービスについて、項目に関する事業者アンケートを実施した。

・調査票上の利用者の呼び方については、対象者の年齢から児童デイサービスのみを「子ども」とし、他のサービスは「利用者」とした。

 

  試行の実施

  分科会で検討した評価手法等を検証するため、Aイに記載のある施設において試行を実施した。

     

    ○ 試行の概要は以下のとおり

 

 

 

自己評価

 

 

経営者層

使用帳票

 ・事業プロフィル

 ・組織マネジメント分析シート

 ・サービス分析シート

 

全職員

使用帳票

 ・職員用組織マネジメント分析シート

 ・職員用サービス分析シート

訪問調査

 経営層による自己評価をもとに訪問によるヒアリングと施設見学を実施

 

合議評価

 利用者調査、自己評価(経営者層・職員)、訪問調査など多様な情報により、評価者が合議で評価。

 評価者 2名

 

  試行の実施手順概要

    

内容・ポイント

事業者に対する説明

  評価機関及び必要に応じて東京都が趣旨や実施方法を説明

調査票の配布

  事業プロフィル、組織マネジメント分析シート、サービス分析シートを各事業所に配布

自己評価の実施

  経営層、職員の自己評価を実施

訪問調査当日までの準備

  評価機関が各調査票を回収

  利用者調査の集計結果及び事業所の自己評価をもとに評価集計を実施

  利用者及び職員のコメントの分析

  訪問調査における質問事項の整理

訪問調査の実施

  評価機関と事業所であらかじめ日程調整を行う

  調査票に記入された事項及び集計に基づいたヒアリング、見学

評価結果の合議

  訪問調査結果を踏まえ、評価者同士で合議し、結果へと導く

調査結果の報告

  合議してまとめた調査結果を事業者へ説明しながら報告

 

  試行を実施してわかった点

<評価手順について>

  サービス評価の趣旨について、事前に職員に十分な説明をする必要がある。特に居宅系のサービスは、職員が非常勤や登録制である等、事業所に出勤する機会の少ない場合が多いと考えられ、そのためにそうした職員に十分に理解を得られないまま実施することにより、評価結果が実効性のないものになってしまう恐れがある。

 

<評価項目について>

  項目数が多く、職員の負担が大きい。

  「サービスの実施」以外の共通版部分に、サービスの特性に一致しないためにチェックができない項目があった。

 

<評価手法について>

  評価機関や評価者の資質、力量に差がある。特に評価者はサービスの特性にある程度精通していなければ適正な評価を行うことは難しいので、資質や力量を担保する方策が必要である。

 

<今後検討が必要な事項について>

  マニュアルの整備や検討会の実施等を確認する設問が多いが、小規模事業所等は実際は行っていても、細かなものまでは「マニュアル」という体裁は整えていない場合もある。

  マニュアル等がなければチェックできないシステムでは、実態と評価結果が乖離する恐れや、「マニュアル」さえあればその内容までは問われないという思い違いを生む可能性があり、その点では評価方法に対する統一的な見解が必要である。

 

 ○ 一つの事業所で複数のサービスを実施している場合、共通版部分は同じ項目を何度もチェックするような印象になる。特に児童居宅介護は訪問系サービスすべてと、児童短期入所は本体施設のサービスと共通の内容で実施していることが多く、効率的な評価方法を望む声が試行事業所より聞かれた。 

 

○ 事業者や利用者が納得できる評価結果を出すには、評価機関や評価者の資質が重要である。特に、福祉実務の経験者を確保できているか、各サービスの特性にどこまで精通しているかなど、事業者や利用者が評価者をチェックできる体制・方法について検討が必要である。

 

  項目の改善

・〈資料編〉「試行により変更された項目の整理(サービス分析シート)」参照。