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(5)保護分科会

@  保護分科会の取組

  保護分科会では、生活保護法の保護施設である更生施設、宿所提供施設のサービスを検討対象サービスとした。

 

○ 対象サービスに対する理解を深めるため、分科会開催前に施設見学を実施した。

 

  両サービスについて、先行実施しているサービス及び評価推進機構における評価手法・項目の改訂等を踏まえ、利用者調査の項目及び事業評価の項目(サービス分析シート カテゴリー6「サービス提供のプロセス」 サブカテゴリー5「サービスの実施」を中心)の検討を行った。

 

  両サービス(更生施設、宿所提供施設)において試行を実施し、評価手法の有効性と評価項目の検証・改善を行うとともに、重要と思われる項目を導き出した。

 

  試行の概要

対象サービス

事業所数

更生施設

宿所提供施設

2事業所

2事業所

 

A  利用者調査

  調査票作成のポイント

  調査票作成に当たっての留意点

・先行して実施されている類似サービスの利用者調査票をもとに、新規検討サービスの特性や利用者の特性を踏まえ、調査票を作成した。

・サービス種別ごとの内訳は下記のとおりである。

対象サービス

調査対象

基本となる調査実施方法

アンケート

聞き取り

コミュニケーション

更生施設

本人

※ 必要者のみ

 

宿所提供施設

本人

※必要者のみ

 

  試行の実施

  分科会で検討した評価手法や項目を検証するため、各種別の施設において試行を実施した。

 

○ 各サービスの試行の概要は以下のとおりである。

<更生施設>

A(定員70名)

  対象者数        現員70名  全数

  調査票配布数    70名( 100%)

  調査票回収数    32名(45.7 %)

  調査方法        アンケート調査

B(定員60名)

 対象者数        現員59名  全数

  調査票配布数    59名(100%)

  調査票回収数    20名(33.9%)

  調査方法        アンケート調査

 

<宿所提供施設>

C(定員60名・22世帯)

  対象者数        17世帯  全数

  調査票配布数    16世帯(94.1%)

  調査票回収数    12世帯(75.0%)

  調査方法        アンケート調査(15)・聞き取り調査(1)

D(定員100名・32世帯)

  対象者数        25世帯  全数

  調査票配布数    24世帯(96.0%)

  調査票回収数    15世帯(60.0%)

  調査方法        アンケート調査(14)・聞き取り調査(1)

 

  試行の実施手順概要

   

内容・ポイント

事業者に対する説明

・評価機関及び必要に応じて都が趣旨や実施方法を説明

 

利用者に対する説明

・東京都または事業者が、事前に利用者に対し説明を実施

・評価機関において聞き取り調査をした場合には、評価機関から再度説明を実施

調査票の配布

・事業所で利用者自ら記入する場合には直接配布

調査票の回収

・郵送で回収

調査に対する問い合わせ等の対応

・評価機関において対応

個人情報の取り扱い

・評価機関に対しては、契約書に守秘義務を明記

・調査員には守秘義務の厳守と個人を特定できる内容を記載しないことを徹底

調査結果の報告

・利用者調査結果を集計し、分析結果を報告

 

  試行を実施してわかった点

<評価手順について>

  施設との事前打ち合わせの必要性

 ・調査は、入所者の生活の場に入り込むことであり、職員の仕事場に入り込むことである。調査中は多かれ少なかれ職員に負担をかけることになるので、調査前に目的意識の共有化がどれだけなされているかによって、調査のやりやすさも大きく変わる。事前のコミュニケーションを通した信頼関係の構築が必要である。

 

<評価項目について>

  抽象的・多義的な質問がいくつかあった。

 

<評価手法について>

○ 分科会で検討した方法である、「原則アンケート方式、必要な場合には聞き取り方式」によることで、十分に実施が可能である。

 

  回答後の調査票の回収を郵送で行った結果、回収率が低くなった。

 

  実施時期が年末年始期と重なったため、事業者が提出の呼びかけを行ったが利用者が記入しない場合がかなりの数にのぼると思われる。

 

  項目の改善

・〈資料編〉「試行により変更された項目の整理(利用者調査票)」参照。

 

B  事業評価(サービス分析シート)

  調査票作成のポイント

  調査票作成に当たっての留意点

・特別区人事・厚生事務組合で実施している、更生施設サービス評価基準(自己評価)及び既存サービスを参考に、項目の設定を行った。

 

  試行の実施

  分科会で検討した評価 手法や項目を検証するため、Aイに記載のある施設において試行を実施した。

 

○ 試行の概要は以下のとおりである。

 

 

 

自己評価

 

 

経営者層

使用帳票

 ・事業プロフィル

 ・組織マネジメント分析シート

 ・サービス分析シート

 

全職員

使用帳票

 ・職員用組織マネジメント分析シート

 ・職員用サービス分析シート

訪問調査

 経営層による自己評価をもとに訪問によるヒアリングと施設見学を実施

 

合議評価

 利用者調査、自己評価(経営者層・職員)、訪問調査など多様な情報により、評価者が合議で評価。

 評価者 4名

 

  試行の実施手順概要

   

内容・ポイント

事業者に対する説明

・評価機関及び必要に応じて東京都が趣旨や実施方法を説明

調査票の配布

・事業プロフィル、組織マネジメント分析シート、サービス分析シートを各事業所に配布

自己評価の実施

・経営層、職員の自己評価を実施

訪問調査当日までの準備

・評価機関が各調査票を回収

・利用者調査の集計結果及び事業所の自己評価をもとに評価集計を実施

・経営層及び職員のコメントの分析

・訪問調査における質問事項の整理

訪問調査の実施

・評価機関と事業所であらかじめ日程調整を行う

・調査票に記入された事項及び集計に基づいたヒアリング、見学

評価結果の合議

・訪問調査結果を踏まえ、評価者間で合議し、結果へと導く

調査結果の報告

・合議してまとめた調査結果を事業者へ説明しながら報告

 

  試行を実施してわかった点

<評価手順について>

  事前説明の必要性

 ・評価は、サービスの実態をより明らかにするために、サービスを実際に担っている職員にも参加してもらい自己評価を実施する。そのために職員に評価の趣旨が伝わっていないと、正確な回答が得られない。

 

  事前に説明の必要な事項

 ・第三者評価の意味

 ・評価の考え方や方法(指導検査との違い)

 ・秘密保持

 

<評価項目について>

  抽象的・多義的な質問がいくつかあった。

 

<評価手法について>

  自己評価の記入及び訪問調査時の確認に時間がかかりすぎる。

 

  促進項目の例示がわかりにくい。

 

 

<今後検討が必要な事項について>

  評価項目についての、評価のねらいを明示する必要性がある。

 

    ○ 両サービス(施設)とも、入所者及び入所者の抱える問題の多様化等により、入所者及び福祉事務所からは、専門的なサービス等の多様なサービスの提供を求められている。人及び運営面の基準を定める施設最低基準は、これらのサービスを提供できる十分な状況にあるとは言えない中で、施設はこれらのサービスを提供している実態がある。今回、分科会で作成したサービス分析シートにおいても、施設が提供している付加サービスについて評価項目として加えているが、その評価に当たっては十分な配慮が必要である。

 

  項目の改善

・〈資料編〉「試行により変更された項目の整理(サービス分析シート)」参照。