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東京都福祉改革推進プラン(概要)

─ 利用者指向の「開かれた福祉」を目指して ─

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 I 福祉改革の基本方向  II「福祉改革推進プラン」の考え方  III 改革プラン

I 福祉改革の基本方向

第1 戦後日本の復興と弱者対策としての福祉(P7)

  • わが国の福祉システムは、社会的弱者(「限られた恵まれない人」を主な対象として、高度経済成長にのってサービス提供の範囲を拡大し、その内容や質の充実を図ってきた。
  • その結果、極めて短期間に高水準のナショナル・ミニマムを築き上げることが可能となった。

第2 行政コントロールによるサービス提供システム(P8)

  • 福祉サービスの提供システムとしての措置制度は、行政がサービスの供給から配分までの広範囲にわたってコントロールするものであり、行政介入の度合いが強いものとなっている。
  • サービス提供の客体が限られた状況下では市場化の可能性は極めて限定的であり、必要な人に行政の判断で配分する措置制度は、当時の社会状況では適したシステムであった。
  • 行政が定めたスタンダードに基づいて一律に供給するシステムは、量の確保という面では一定の機能を果たしてきたが、限られた対象を中心に構築されてきたことから、社会経済の成熟という状況変化に伴い、様々な課題が露呈する。

第3 社会経済の成熟化がもたらした「矛盾」(P8〜9)

  • 急速に進展した都市化の動きは、家族を取り巻く状況や社会構造に大きな変化をもたらし、核家族を基本とした生活様式をさらに変貌させ、家事の外部化の進行や少子化・高齢化とあ いまって多様な生活スタイルを生み出した。
  • 生活スタイルの多様化の進展とともに経済的豊かさを背景に、より高度で多様な福祉ニーズが供給サイドに求められるようになった。
  • 高度な介護ニーズの一般化や様々な生活スタイルや就労形態などに合わせた保育ニーズへの対応などのように、福祉サービスに対するニーズが多様化・高度化していくにつれ、限られた人に行政措置として「福祉」を一律に提供する既存システムは柔軟性と効率性の課題が顕在化し、システムそのものの改革が必要となってきた。

第4 既存システムの限界(P9〜10)

  • 急速に進展する高齢化と福祉ニーズの多様化・高度化の流れといった社会の変容は、サービス提供システムを取り巻く環境に大きな影響を与えている。
  • 介護を要する高齢者の増大により、公共セクター中心のシステムでは、高品質な介護サービスを十分供給する体制整備には効率性と柔軟性の観点から限界があることから、介護保険制度を導入し、市場の中で質の高いサービスを提供していく手法が取り入れられた。
  • しかし、現状では十分機能しているとは言えず、新しい福祉の実現に向けてさらに改革を推進していく必要がある。
  • 低経済成長社会への本格的移行に伴い、ニーズの多様化・高度化を背景に、社会的コストが拡大し続ける福祉分野では、行政が直接サービスを提供する現行方式の限界が明らかとなった。
  • 高度化かつ増大し続ける利用者ニーズを前に、租税負担率や利用者負担の問題も含めて、行政がサービス供給から配分まで介入するシステムを福祉サービスの全ての分野にわたって維持することは客観的に困難となり疑問が呈されている。

第5 利用者指向の新しい「開かれた福祉」へ<福祉改革の取組>(P10〜11)

  • 高度化した利用者ニーズに的確に応えられる新たな枠組みを整備するとともに、これまでのしくみを根本から改革し、利用者の視点に立った新しいシステムを構築することが不可欠である。
  • 従前の措置制度を中心とするサービス提供システムは、
    ・行政のコントロールにより必要な人に傾斜的にサービスを提供しやすい
    ・全国一律のナショナルミニマムの制度を構築しやすい
    ・外形的な公平性を担保しやすい
                 などの長所がある反面
    ・利用者ニーズより行政の都合が優先されてしまう傾向がある
    ・利用者の高度化したニーズにきめ細かく柔軟に対応できにくい
    ・給付の性格が強く利用者の「自立意識」が育ちにくい
                 などの問題点がある。
  • これらの問題点を内包した既存システムを改め、利用者がそれぞれの生活実態に即して必要なサービスを享受することができるようシステムを再構築していかなければならない。
  • 新しいシステムは、利用者がそれぞれの生活実態に即して必要なサービスを享受することができるよう、
株式会社など多様な事業主体の参入による「市場」をベースとした分野を中心に、
NPOなど地域の特性に着目したきめ細かなサービスを提供していく分野、
措置制度を維持しながら質のレベルアップを図る分野など、

多様なサービス供給手法を組み合わせた多元的なものとしていく必要がある。
  • 新世紀にふさわしい利用者指向の新しい福祉を実現するためには
    ・利用者と事業者の契約に基づきサービス提供が行われれる
    ・利用者が自らの責任で選択し、適切な負担によりサービスを利用できる
    ・過度の競争などにより利用者被害が起こらないよう未然に防ぐしくみがある
    ・判断能力が不十分な方のためのしくみや低所得層への配慮があるなどの
    新しい方向を目指して実現していくことが必要である。
  • このようにサービス提供のシステムを利用者指向で効率的な「開かれた福祉」のシステムに変えていく取組を「福祉改革」と呼ぶ。
  • 「福祉改革」を確実に推進させることによって、だれもが安心して福祉サービスを享受することのできる、21世紀にふさわしい福祉システムの実現に向け、東京都は、積極的に取り組んでいく。