東京都福祉改革推進プラン(全文)
─ 利用者指向の「開かれた福祉」を目指して ─

 III 改革プラン


改革T 利用者が「選択」するために必要なサービスの質と量を確保する

戦略1 利用者のニーズにあった多様なサービスを選べるようにします。

  1. 生活スタイルにあった子育てサービスが利用できる
  2. 障害者が自らの暮らし方を選べる
  3. 高齢者が身近な地域で安心して暮らせる

戦略2 サービスの質のレベルアップが図られるようにします。

  1. 質の高いサービスの担い手が確保される
  2. 利用者が満足できるサービスの水準が確保される

現状と問題点

○ 現行の福祉サービスは、生活スタイルに応じた利用者の多様なニーズに十分には対応できていない面があります。例えば、保育サービスについては、「仕事と子育てを無理なく両立したい」「緊急時に一時的に子どもを預ける場所が欲しい」などの多様なニーズに現時点では対応できていません。
○ さらに、障害者や高齢者が身近な地域で暮らしを営むためには、それぞれのニーズや特性に応じた多様なサービスを気軽に利用することのできる環境の整備が必要となります。

データ

理想の保育施設
 資料:福祉局「平成9年度東京都社会福祉基礎調査」

在宅サービスを利用するときに重要なこと
 資料:情報連絡室(現政策報道室)「平成7年度社会福祉に関する世論調査」


戦略1 利用者のニーズにあった多様なサービスを選べるようにします。

 利用者がそれぞれの生活スタイルにあわせて、自分のニーズにあったサービスを身近な地域で選択できるよう、各種サービスの質のレベルアップを促進するとともに、新しい形のサービスメニューを開発するなど、利用者指向のサービスの充実を図っていきます。

<戦略の体系>

  1. 生活スタイルにあった子育てサービスが利用できる
  2. 障害者が自らの暮らし方を選べる
  3. 高齢者が身近な地域で安心して暮らせる

戦略プロジェクト 都市型駅前保育の推進「認証保育所制度の導入」

 子育てと仕事を両立したいというニーズに的確に応えられるよう、無理なく送 り迎えのできる駅前保育所の設置促進を図ります。
 そのため、大都市東京の特性に合わせた保育所設置基準を、東京都が独自に設定するとともに、利用者契約方式を取り入れ、事業者の創意工夫が活かされる新しいスタイルの保育所を展開していくことにより、保育サービスを拡充していきます。

 ※ 認証保育所設置基準の主な例
  ・基本的に駅前設置
  ・開所時間は13時間(2時間の延長)
  ・駅前という立地条件に配慮した面積基準

ここが変わる!

都市型駅前保育所ができると・・・・

こんな願いがかないます!


単位:か所
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
都市型駅前保育所(認証保育所
A型)の設置促進(累計)
  10 20 35 50

戦略プロジェクト 障害者の多様なくらしのためのインフラ整備

 障害者が住みなれた地域の中で、自分の生活スタイルに合ったくらし方が選べるよう、区市町村と連携して、居住の場や通所施設などについて、緊急3か年計画に基づき、多様なくらしのインフラ整備を実施します。
 また、これによって障害を持つ子の親の「親なき後」への不安を少なくすることもできます。

  • 親元から地域で自立した生活へ、また、入所施設から地域生活へ、障害者が生活スタイルに合わせた暮らし方を選べるよう、知的障害者生活寮、重度生活寮及び重度身体障害者グループホームなど、地域生活の場を拡充するとともに、通所・入所施設との連携のとれた支援システムを確立します。
  • 規制緩和により、小規模作業所などの小規模施設の法定施設への移行を進め、通所サービスの需要に的確に対応します。
  • 以下の手法により身近な地域における通所施設や居住の場の緊急整備を3か年で重点的に実施します。
〈手法〉
  1. 施設整備費について設置者負担の1/2を特例補助
  2. 用地取得費貸付の貸付率の引き上げ
ここが変わる!

障害者が多様な「くらし」を選択できるしくみ
地域社会の一員として暮らせます!


地域の社会資源の積極的活用/ボランティア等

事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
緊急整備3か年計画
○通所施設
 ・通所授産、通所更生施設
 ・小規模通所授産施設
 ・心身障害者デイサービスセンター
 ・小規模作業所、地域デイサービス
○地域生活の場
 ・知的障害者生活寮
 ・重度生活寮
 ・重度身体障害者グループホーム
 

11か所
7か所
5か所
7か所

19か所
5か所
2か所


9か所
7か所
3か所
7か所

21か所
5か所
3か所


8か所
7か所
1か所
7か所

27か所
5か所
3か所
 
※身体障害者療護施設、知的障害者入所更生施設は、別掲。
※この表における事業規模は施設整備対象事業であり、全体実施予定の規模とは異なる。

戦略プロジェクト 高齢者のための多様な介護付き住まいの確保[ケア・リビング]

 ケアハウス、シルバーピア、グループホーム等、家庭と入所施設との中間的性格を持ち、容易にケアが受けられる介護付き住宅のニーズが高まっています。
 都は、これらをケア・リビングと位置づけ、高齢者が多様な介護・住まい方を選択できるよう整備します。


単位:人、戸
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
ケア・リビングの整備
 ・痴呆性高齢者グループホーム
 ・ケアハウス
 ・高齢者生活福祉センター
 ・シルバーピア

220人
708人
11人
8,219戸

416人
966人
11人
8,728戸

613人
1,351人
51人
9,610戸

1,077人
1,701人
101人
10,305戸

1,540人
2,100人
200人
11,000戸

1 生活スタイルにあった子育てサービスが利用できる

 多様化する生活スタイルにあわせ、保育サービスメニューの充実を図るとともに家庭福祉員制度や、学童クラブの時間延長など、既存の子育てサービスも充実していきます。

 ◇ 都市型駅前保育の推進「認証保育所制度の導入」(戦略プロジェクト)

 ★ 必要なときに利用できる子育てサービスの推進

  • 都市部において特に待機の多い0、1歳児の保育ニーズや、生活スタイルにあわせた多様な保育サービスを提供できるよう、都独自に認証保育所制 度を導入します。ここでは、2時間以上の延長を全施設で実施します。
  • 学童クラブにおいても保育所と同様に開設時間を延長し、安心して子育て と仕事の両立ができるよう支援していきます。

 ○ 多様な保育サービスの充実(認証保育所B型の導入、家庭福祉員の充実等)
 ○ 学童クラブの時間延長の実施(午後7時まで)

事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
多様な保育サービスの充実
(認可外保育の充実による
 0、1歳の受入れ枠の拡大)
学童クラブの時間延長促進
615人



1,108人


113クラブ
2,315人


231クラブ
3,164人


350クラブ
3,164人


469クラブ


2 障害者が自らの暮らし方を選べる

 障害者が必要に応じて多様な暮らし方が選べるよう、入所施設の拡充とともに在宅サービスの充実を緊急に実施します。

 ◇ 障害者の多様なくらしのためのインフラ整備(戦略プロジェクト)

 ★ 心身障害者入所施設の緊急整備3カ年計画

 用地確保の困難性などから整備の進まない、身体障害者療護施設や知的障害者入所更生施設を以下の手法により身近な地域のなかで重点的に整備します。
〈手法〉 1.用地取得費貸付の貸付率の引き上げ
2.特別養護老人ホームへの併設促進
3.統廃合等による学校用地の転用
4.複数の区市町村による共同設置を推進する仕組みをつくる

 さらに、安心して在宅生活が継続できるよう、必要に応じてショートステイが利用できるなど入所施設の運用を変えていきます。

事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
身体障害者療護施設
知的障害者入所更生施設
  1か所
5か所
3か所
3か所
3か所
5か所
 


3 高齢者が身近な地域で安心して暮らせる

 介護が必要な高齢者及びひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の方などが、身近な地域で安心して暮らせるよう、必要なサービスを充実していきます。
 また、民間住宅の入居時における身元保証人の確保や、所得の少ない高齢者の、資産を活用した住まい方等も、考えていく必要があります。

 ★ 高齢者緊急ショートステイ〔介護119番〕の実施
 現在は、緊急時にショートステイを利用することは、困難な状況です。
介護者の急病等の場合に、要介護高齢者等を身近な地域の施設で24時間受け入れる体制づくりをすすめます。当面、介護体制の整った都立施設で受け入れを実施します。

 ◇ 高齢者のための多様な介護付き住まいの確保〔ケア・リビング〕 (戦略プロジェクト)

 ★ 痴呆性高齢者グループホームの整備促進

 痴呆性高齢者が、地域の中で暮らし続けられる住まいを確保するために、痴呆性高齢者グループホームの整備をすすめる必要があります。
 東京都では、集合住宅の一部を活用する等の手法を用いることにより、民間企業やNPOなどの参入を促進し、整備を図ります。
単位:人、戸
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
ケア・リビングの整備
 ・痴呆性高齢者グループホーム
 ・ケアハウス
 ・高齢者生活福祉センター
 ・シルバーピア

220人
708人
11人
8,219戸

416人
966人
11人
8,728戸

613人
1,351人
51人
9,610戸

1,077人
1,701人
101人
10,305戸

1,540人
2,100人
200人
11,000戸
高齢者緊急ショートステイ
  (介護119番)
  実施-->
(都立
施設)
--->
(都立
施設)
---> --->

 

戦略2 サービスの質のレベルアップが図られるようにします。

 利用者のニーズに応じて、質の高いサービスが提供されるよう、サービスの担い手のレベルアップが図られるしくみを整備します。
 多様なサービス事業者の参入が見込まれることから、利用者が満足することのできる、一定水準のサービス提供が確保される環境を整備します。

<戦略の体系>

  1. 質の高いサービスの担い手が確保される
  2. 利用者が満足できるサービスの水準が確保される

戦略プロジェクト 身体拘束ゼロ運動の展開

 高齢者施設において、人間性の尊重、利用者の立場に立ったサービスを行うため、身体拘束ゼロ運動を全国に先駆けて、都道府県レベルで展開します。

事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
身体拘束ゼロ運動 都立施設
で実施
実施--> ---> ---> --->


1 質の高いサービスの担い手が確保される

 (新しい人材養成のあり方)
 ケアコーディネーターやサービス評価の実施者など、新しい福祉の実現の ために必要となる新たな人材が確保できる条件を整備します。
 人材養成が、民間の創意工夫を活かしながら、効果的・効率的に行えるよう、しくみの工夫をします。
 都では新たに必要となる研修プログラム等の開発を行い、人材養成が円滑 に行えるよう支援します。

2 利用者が満足できるサービスの水準が確保される

 利用者のニーズに合わせた一定水準以上のサービスが的確に提供されるよう、 さまざまなしくみを工夫します。

 ◇ 身体拘束ゼロ運動の展開(戦略プロジェクト)

 ★ 事業者向けガイドラインの整備

 福祉サービスの市場化が進展していくなかで、規制緩和などにより、多様な事業者が新たに参入してくることが予想されます。そこで、事業者が提供するサービスの質を確保するとともに、適正な競争が行われることを目的とした事業者向けガイドラインや利用者に対する情報開示のルールを示します。

 ★ 特別養護老人ホーム居住環境整備

 特別養護老人ホームの個室化を推進することで、プライバシーの確保や、アメニティを重視した居室環境を整備します。

 ★ 高齢者在宅サービスセンター緊急整備

 高齢者在宅サービスセンターの利用者サービスの向上とサービス量の拡大のために、送迎車両の購入や施設の改修等を促進します。

 ★ 福祉改革の進展に合わせた運営指導・検査体制の改革

 福祉サービスの市場化と参入規制の緩和により、多くの事業者の参入と市 場での競争が見込まれることから、こうした新たな状況に対応できるよう、苦情対応のしくみやサービス評価制度との連携を視野に入れた、指定事業者に対する運営指導や検査体制を築いていきます。
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
介護保険認定調査員・
ケアマネジャー等研修事業
実施--> ---> ---> ---> --->
痴呆介護研修   実施--> ---> ---> --->
事業者向けガイドライン   検討 作成 追補 改訂
(高齢)
配布 改訂--> ---> ---> --->
特養ホーム居住環境整備
特別助成
実施--> ---> ---> ---> --->
新しい運営指導及び
指導検査体制の構築
  検討 準備・
構築
新体制  
(高齢)
実施--> ---> ---> ---> --->