東京都福祉改革推進プラン(全文)
─ 利用者指向の「開かれた福祉」を目指して ─

 III 改革プラン


改革V 社会の変化に合わせて一歩先の福祉を構想するる

戦略7 少子・高齢化の進展に合わせた「新しい福祉」を実現していきます。

  1. 少子社会の進展に合わせた「新しい東京のくらし」を明らかにする
  2. 時代の変容にともなう新しい社会問題に対応できる
  3. 大都市東京に必要な高齢者の介護サービスを明らかにする

現状と問題点

○ 少子・高齢社会の進展に伴い、東京では世帯人員の減少や単身世帯の増加などにより家族機能の一層の低下が見込まれます。
○ 企業が経済の国際化に対応するために行う市場競争力の強化の取り組みにより、終身雇用型・年功序列賃金等の従前の日本の雇用慣行がゆらいでいます。
○ 派遣社員の増加やフリーター等就労形態の多様化が進んでいます。
○ 路上生活者の増加による大都市特有の問題が深刻化しています。
○ 生活スタイルや価値観が多様化する中で、福祉ニーズについても一段と多様化が進むことが予想されます。
○ 21世紀は、自立した個人にふさわしい新しい福祉が求められています。
○ これら社会経済状況の変化への的確な対応も、行政として取り組むべき新たな課題です。

データ

名目国内総生産と生態等の推移
資料:名目国内総生産は労働経済局「平成10年都民経済決算年報」及び経済企画庁「平成12年「経済白書」 1世帯当たりの人員は総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」(平成12年1月)
ただし、17年以降は総務局「東京都男女別年齢別人口の予測」(平成9年12月)

年齢別人口の推移
 資料:総務庁「国勢調査」(平成2,7年)総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」(平成12年1月)総務局「東京都男女別年齢別人口の予測」(平成9年12月)
(注)1 平成12年までは実測値。平成2,7年は10月1日現在。
   1 総数には年齢不詳者を含む。


戦略7 少子・高齢化の進展に合わせた「新しい福祉」を実現していきます。

 少子社会は、子どもの数の減少を契機に、単身世帯及び高齢単身世帯の増加   や世帯人員の減少による家族の相互扶助機能の低下を招いています。
 この結果、介護や家事、育児などの外部化が一層進むほか、労働人口の減少に伴う労働力のボーダレス化の進展などによって、日本の社会経済に大きな影 響を及ぼすことも予想されます。
 このような環境下での未来の東京の暮らしと自立した個人にふさわしいこれからの福祉の方向性について明らかにしていきます。
 また、様々な社会の変容にともない生ずる路上生活者問題などの新たな社会的課題への対応を進めていくとともに、大都市東京に暮らす高齢者に必要な介護サービスの姿を明らかにしていきます。

<戦略の体系>

  1. 少子社会の進展に合わせた「新しい東京のくらし」を明らかにする
  2. 時代の変容にともなう新しい社会問題に対応できる
  3. 大都市東京に必要な高齢者の介護サービスを明らかにする

戦略プロジェクト 「少子社会における東京の未来と福祉」の検討
                   
〜21世紀の新しい東京構想プロジェクト〜

 少子社会の本格的進展に伴う21世紀の東京の未来像を明らかにしていくとともに産業構造の変化などをはじめとする時代の変容により生ずる社会的な課題への対応の方向性を明らかにしていきます。

事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
「少子社会における東京の
未来と福祉」の検討
  実施      

東京都の年齢別人口の推移と想定
資料:総務庁「国勢調査」(昭和55年〜平成7年)、平成12年は総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」、17年以降は総務局「東京都男女別年齢別人口の予測」(平成9年12月)

1 少子社会の進展に合わせた「新しい東京のくらし」を明らかにする

 経済の国際化、雇用環境の変化による終身雇用や年功序列型賃金体系の揺らぎ、これらにともなう外国人の流入増加やフリーター等の不安定就労層の増加など「東京のくらし」を取り巻く環境の変化が進行しています。同時に、少子社会の進展による単身世帯の増加や家事の一層の外部化など、新しい現象も発生しています。これら社会全体の変化を把握し「新しい東京のくらし」を明らかにしていきます。

 ◇ 「少子社会における東京の未来と福祉」の検討 〜21世紀の新しい東京構想プロジェクト〜(戦略プロジェクト)

2 時代の変容にともなう新しい社会問題に対応できる

 家族形態の多様化や就労構造の変化などさまざまな社会変化とともに、児童虐待や路上生活者の増加など新たな社会問題が顕在化しています。これらの新しい社会問題への対応を進めていきます。

 ★ 児童虐待防止体制の構築

 都市化や核家族化により家庭や地域社会の養育機能が低下し、児童虐待など 深刻な問題が顕在化しています。
 急増する児童虐待の実態を解明し、予防からアフターケアまで的確な対応ができる体制を構築します。
・児童虐待の早期発見、迅速かつ的確な対応を図るため、具体的な実践を通じて地域における関係機関の連携のあり方を確立していきます。
・精神科医の助言、指導を得て児童相談所における保護者に対する効果的な カウンセリングを充実していきます。
・児童虐待に対する実態調査を行い、効果的な虐待予防及び虐待防止等の施策を展開していきます。

 ★ 路上生活者の自立支援

 路上生活者の問題は、その解決のために就労・住宅・保健医療などを含めた総合的な取り組みが必要であり、社会全体で解決していかなければならない大都市に特有の構造的問題です。
 路上生活者の就労自立による社会生活への復帰のための中核的な施設となる「路上生活者自立支援センター」事業を区と協力して実施し、従前の応急援護中心の施策から、より総合的・長期的な施策への転換を推進していきます。
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
児童虐待防止
ネットワーク事業
  モデル事業
実施(都)
実施(区市町村)
--->
---> --->
児童虐待カウンセリング
強化事業
  実施--> ---> ---> --->
児童虐待に関する実態調査 実施--> --->         
路上生活者自立支援センター 2か所 5か所--> ---> ---> --->

3 大都市東京に必要な高齢者の介護サービスを明らかにする

 ★ 東京の介護保険を育む会(仮称)の設置

 施行後間もない介護保険制度の現状と課題を把握し、介護サービスの提供など、大都市東京における高齢者の自立支援のための施策の展開方向をさぐるため、利用者・事業者・行政など、各界の有識者による意見交換及び検討の場を設けます。
 また、この検討内容を踏まえ、必要な制度の見直し等について、国へ提案します。
事 業 プ ラ ン

12年度

13年度 14年度 15年度 16年度
東京の介護保険を育む会
(仮称)
  実施