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「TOKYO 福祉改革STEP2」(全文)
─ 『地域での自立を支える 新しい福祉』を目指して ─

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I 大都市「東京」から発信する『地域での自立を支える 新しい福祉』
II 「福祉改革 STEP2」の必要性と意味
III 地域での自立を支える「福祉改革 STEP2」の基本コンセプト

IV 地域での自立を支える新しい福祉の体系

 1.身近な「地域」で福祉サービスを利用し、いきいきと暮らせる社会を築く
  <子どもが地域で健やかに育つことのできる社会を築く>
  <障害をもつ人が可能な限り地域で自立して生活できる社会を築く>
  <高齢者が地域で安心して暮らし続けることのできる社会を築く>

 2.利用者が自ら必要な福祉サービスを安心して「選択」できるしくみを築く

 3.サービス提供のしくみを改革し、「競い合い」を通じたサービスの量と質の向上を
  実現する

 4.新しい福祉の実現に合わせて、都立福祉施設を抜本的に改革する

V 分野別事業計画

 I 大都市「東京」から発信する『地域での自立を支える 新しい福祉』


行き詰まりを見せている従前の福祉システム

 「福祉改革」の目的は、社会経済の成熟化等に伴い、今日、行き詰まりを見せている既存の「福祉」の世界からブレークスルーし、これまでのしくみを根本から改め、利用者本位を徹底する新しいシステムを構築することにあります。

 我が国においては、敗戦により国民生活が極度の困窮状態に陥り、その状況から一刻も早く立ち直る必要があったことから、措置制度に代表される行政の広範なコントロールによるシステムが構築され、「限られた恵まれない人」を主な対象とする、行政中心の「福祉」が執り行われるようになりました。
 この結果、行政の判断により、ケアを必要とする人を「施設」に集めるなどして、行政自身や行政から委託された社会福祉法人によってサービスを一律に提供するというしくみが我が国の「福祉」のスタンダードとなったのです。

 しかし、その後の経済発展を経る中で、都市化の進展や社会経済の成熟、高齢化などが進み、「福祉」を取り巻く状況は、現行システムの創設当時とは大きく変化していきました。
 住民ニーズの高度化や女性の社会進出等に伴い、高齢者に対する高いレベルのケアを社会サービスとして提供することが求められ、保育サービスも普遍的なサービスとして捉えられるようになりました。
 しかも、地域毎の社会経済の発展状況の相違を反映して、こうした変化の度合には、地域によって少なからぬ差異がありました。
 この結果、行政が中心となって、全国一律の基準に基づいて執り行われる、現行の福祉システムが、柔軟性や効率性などの面から行き詰りを見せているのです。

地域での自立を支える新しいスタイルへ

 現在、行政が中心となって提供されている福祉サービスの多くは、社会システムが整う以前は、家族機能や地域の機能の一つとして、家庭や地域の中でごく自然に行われるべきものとされていました。
 保育や養護を必要とする子どもへのケア、高齢者に対するケア、また障害を持つ人に対するケアも、家庭や地域の繋がりの中で完結することが、一般的で普通のことと受け取られていました。

 戦後の困窮状態から立ち直ることを目的に、こうしたケアを限られた人に、緊急かつ効果的に実施するために制度化された、我が国の行政中心の福祉システムは、経済成長と歩調を合わせる形で発展し、短期間のうちに、相当高水準のナショナル・ミニマムを築き上げたのです。
 その後、社会が成熟化し、利用者のニーズが高度化していく中にあっても、このシステムそのものを変えることなく、行政が中心となって、しかも、「施設」中心に対応することを続けてきました。

 しかし、利用者本位の観点から、こうした現状を捉えるならば、ケアを必要とする人を家族や地域から切り離し「施設」に入所させることは、決して最善の方法とは思われません。
 高齢者や障害者、また、ケアが必要な子どもを抱える家庭などの自立を支えるため、家庭や地域の機能により近いスタイルでのサービス提供を実現していくことが、社会が高度化した今、望まれているのです。

大都市「東京」から発信する新しい福祉

 新世紀を迎え、福祉分野を含め我が国の各分野において、抜本的な改革が求められているにもかかわらず国の取り組みは遅々として進みません。
 確かに全国レベルで捉えた場合、「東京」のような大都市と地方では社会経済等の条件が大きく異なることから、既存システムを前提に創られた「福祉」のしくみを全国一律に一気に改革することは困難な面が多々あります。

 また「東京」のような大都市では、家族や地域との人間関係も希薄になりがちであり、更に、サービス提供の拠点を設けるにも高い用地負担の課題があるなど、利用者本位の新しいスタイルの「福祉」を実現するには、大都市特有の多くのハードルがあります。
 こうした課題に全国一律の制度で対応するには限界があることから、都が大都市「東京」の特性に即した、独自の施策展開を図ることにより、こうしたハードルを克服し、「東京」から先駆的に「福祉改革」を発信していくことが重要なのです。

サービス競争の促進と選択を支えるしくみ

 社会経済が成熟した現在では、サービス提供のあり方について、家庭や地域の機能により近いスタイルが望まれるとともに、サービスを提供する主体についても、これまでのように行政や社会福祉法人に限定する必然性は無くなっています。
 「東京」のような大都市では、集積のメリットが活かせることや市民活動も多様なことから、福祉サービス分野への企業やNPOなどの参入が期待できます。
 多様なサービス提供主体が、それぞれの特徴を活かしながら、互いに切磋琢磨し、サービス競争が活発になされることこそが、利用者ニーズが多様化・高度化する今、大切なことです。

 あわせて、利用者の選択を支えるに十分な判断材料が不足していることや、判断能力が十分で無い方への 対応など、福祉分野での新しいサービス利用のシステムを実現するには多くの課題があり、これらにも的確 に対応していくことが重要なテーマです。

「福祉改革」新たなステージへ

 東京都は、以上のような様々な課題を一つ一つ克服しながら、『地域での自立を支える新しい福祉』の実現に向け、この大都市「東京」から全国に先駆けて新しい福祉のあり方を発信し、区市町村と連携・協力しながら、「福祉改革」を新たなステージに推し進めていきます。
 こうした取り組みこそが、新しい時代に即した広域自治体としての東京都の役割であり、責任です。

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