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「高次脳機能障害者の支援」発行

東京都心身障害者福祉センターでは、高次脳機能障害者の生活上の様々な問題に対応していくために、有効な支援プログラムの開発及び支援内容の整理を行いました。また福祉事務所や身体障害者センターB型等、地域の相談機関や通所型の社会福祉施設における高次脳機能障害者との関わりを調査し、現状をあきらかにしました。
これらを「高次脳機能障害者の支援」としてまとめ、区市町村における高次脳機能障害者の支援の充実に役立てていただきたいと考えています。

本書の構成

第1章 高次脳機能障害

高次脳機能障害と福祉サービス、高次脳機能障害の理解について

第2章 区市町村の状況

区市町村における相談状況、支援状況、当事者・家族会の活動状況について

第3章 都センターの取組み

高次脳機能障害者の社会リハビリテーション・就労支援の内容、支援事例について

資料

地域における高次脳機能障害者の通所施設等の利用状況調査


注釈:調査方法及び結果、高次脳機能障害者を受け入れている通所施設等のリストなどを掲載

本書の概要

第1章

高次脳機能障害と福祉サービス
高次脳機能障害については、定義が確立していないが、厚生労働省によれば「交通事故等による外傷性脳損傷などにより、失語、記憶障害、判断・遂行障害、認知障害など後遺症を呈する」としている。
高次脳機能障害者は社会生活の様々な場面で不具合を呈するにもかかわらず、外見からはわかりにくく、周囲から理解されにくい。
また、しばしば、本人自身が自己の障害を十分に認識できないことも多い。このため、他者による見守りや介護などの支援が必要となる。
一般的に、障害福祉サービスを受けるには各種の障害者手帳の交付対象となることが要件とされる。障害者手帳の交付の対象とならない高次脳機能障害者は、各制度の狭間に置かれた状況になっている。


高次脳機能障害の理解
東京都心身障害者福祉センター(以下「都センター」という。)のほか、区市町村においても、講習会やセミナー等により普及・啓発が行われている。相談機関や通所施設等での高次脳機能障害者の理解は進んできている。

第2章

区市町村における相談状況
区市町村では、障害者福祉の相談窓口である福祉事務所が窓口となって相談を受けることが一般的である。相談後、提供できるサービスや利用可能な施設等が少ないために具体的な対応が困難な例も見られる。前述の調査によると、福祉事務所に寄せられている相談内容は多岐にわたっている。例えば「目が離せない」「家事ができない」「字が書けない」「日中の居場所がない」などである。


区市町村における支援状況
「地域における高次脳機能障害者の通所施設等の利用状況調査」によると、通所施設等の32%で高次脳機能障害者の利用があった。高次脳機能障害者が利用している通所施設等は、身体障害者施設が32%、知的障害者施設が9%、精神障害者施設が34%であった。
また、通所事業を実施している身体障害者センターB型(以下「B型センター」という。)等では53%で高次脳機能障害者の利用があった。


当事者・家族会の活動
高次脳機能障害者や家族は、様々なきっかけで会を結成して活動している。これらの会の活動内容は、同じような境遇におかれている者同士で悩みや自立に向けての方法等を語り合う懇談会、高次脳機能障害の正しい理解や福祉サービスの利用等についての講座、レクリエーションの開催等が中心である。特に、高次脳機能障害になって日が浅い場合は、こうした当事者や家族会の活動が生活の支えになる場合も多い。
現時点で都センターが把握している家族会等の情報について、一覧表に示した。

第3章

高次脳機能障害者の社会リハビリテーション
都センターが、宿泊機能を活用して支援している社会リハビリテーションプログラムには次のような特色がある。
(1)高次脳機能障害の障害内容の改善を目指すのではなく、障害を補う方法の獲得を支援したり周辺環境を整えることなどにより、在宅生活上の困難を解決することを目指す。
(2)宿泊機能を最大限に活用し、24時間を通した評価や働きかけをチームアプローチで行うことにより、利用者一人ひとりの課題を整理し解決する。
(3)区市町村と密接な連携の下に可能な限り早期の地域移行を目指す。都センターのリハビリテーションが終了した後は、区市町村が適切な福祉サービスを提供するなど、高次脳機能障害者の在宅生活を継続的に支援する。

支援の流れは、次の五つのステップで示される。

ステップ1 ニーズの把握
面接により、利用者及び家族がどのような生活を希望し、在宅生活にどのような困難を感じているのか確認する。
ステップ2 ニーズの阻害要因の発見
検査、行動観察、聞き取り等により、(1)身体機能、高次脳機能、健康状態など障害自体の評価、(2)日常生活上何ができ何ができないかといった生活障害の評価、(3)家族状況、住環境、経済状況など利用者を取り巻く環境の評価を行い、ニーズとの関連で課題となる点を見出す。
ステップ3 支援計画の作成
解決可能な課題や、都センターが提供できる支援サービスを検討し、目標、内容、期間を定めた支援計画を作成する。利用者及び家族に支援計画を説明し、同意を得る。

ステップ4 支援の進行管理
支援チームが達成状況を確認し合いながら支援を実践し、実施機関等の協力を得ながら課題の整理をする。
ステップ5 地域生活への移行の準備
スムーズに地域移行できるように、地域の社会資源の活用方法を支援し、実施機関をはじめ地域の関係機関や家族との連絡調整を行う。


注釈:なお、支援のポイントは「元の生活習慣、志向、生活経験を生かす」「生活の中での評価・訓練を重視する」など七項目である。

高次脳機能障害者の就労支援
平成13年度の就労支援事業の利用者の60%近くが肢体不自由者である。肢体不自由の原疾患は、脳血管障害が50%、頭部外傷が8%である。身体に障害が残らずに言語や記憶、注意などの高次脳機能に障害が残った人もいる。
支援の流れは、評価・職業前訓練・進路選択支援・就労移行支援となっている。それぞれに障害状況にあわせた支援内容・方法のポイントがある。例えば、職業前訓練では、注意障害に対しては、

などである。


就労支援のポイントは四つある。
そのうち障害状況にあわせた職域と配慮点を下記の表に示した。

高次脳機能障害の内容特徴・配慮点適応する職域
失語(その1)視覚的な判断を中心とする業務が向いている。身体障害がない場合監視業務・モニター業務・巡回警備・ガス検針員、郵便仕分け・配達、コピー・印刷等
失語(その2)身体障害があって移動が難しい場合リストのチェック、CAD、伝票入力などのデスクワーク等
記憶障害パターン化したルーチン業務であれば可能。対応できないものについてはメモをとるデータ入力、伝票入力、倉庫の入出庫、清掃等
注意障害
遂行障害
作業の流れのパターン化したもの。判断しないですむようにしておくデータ入力、伝票入力、入庫・集荷などの物流業務等
感情統制が困難な場合対人業務を避ける物品管理、図書管理、ファイル管理、清掃業務等
左半側無視聴覚・言語を中心とした業務が向いている電話による受注・起票、電話対応業務、苦情処理等

都センターにおける支援事例
社会リハビリテーション事例6例を掲載した。
就労支援事例3例を掲載した。

資料 地域における高次脳機能障害者の通所施設等の利用状況調査

(調査の方法等)

一次調査では、都内の通所施設等995施設を対象として、高次脳機能障害の理解、利用者の有無などを調べた。557施設から回答を得た。
二次調査では、通所施設等、通所リハ医療機関、B型センター等、福祉事務所の四つの区分で、合計537施設を対象とした。調査項目は高次脳機能障害の理解、利用状況、福祉事務所における相談内容などである。335施設から回答を得た。うち通所施設が124(77.0%)、通所リハ医療機関が7(38.9%)、B型センター等が157(55.7%)、福祉事務所が47(61.8%)であった。

(調査の概要)

高次脳機能障害の理解

一次調査では、557施設のうち337施設(60.5%)が「症状を含め大体知っている」、176施設(31.6%)が「内容は知らないが言葉は知っている」、38施設(6.8%)が「知らない」、6施設(1.1%)が無回答であった。
二次調査では、一次調査対象外の204施設のうち、171施設(83.8%)が「症状を含め大体知っている」、16施設(7.8%)が「内容は知らないが言葉は知っている」、2施設(1.0%)が「知らない」、15施設(7.4%)が無回答であった。

利用者の有無

一次調査では、181施設(32.5%)が高次脳機能障害の利用者が「いる」と答え、376施設(67.5%)が「いない」と答えている。

在席する施設の種別

一次調査の高次脳機能障害の利用者が「いる」施設(n=181)の施設種別は、身体障害者施設が57(31.5%)、知的障害者施設が16(8.8%)、精神障害者施設が61(33.7%)、心身障害者施設が47(26.0%)であった。

通所施設等の状況(二次調査)

157のB型センター等のうち通所事業を実施しているのは105施設(66.9%)で、そのうち56施設で高次脳機能障害者の利用があった。
105施設で実施している通所事業の総数は172事業で、そのうち78事業で高次脳機能障害者の利用があった。
78事業の本来の対象別の分類は、身体障害が71.2%、知的障害が11.7%、精神障害が17.0%、その他が41.4%であった。高次脳機能障害者が利用しているサービスの内容は12種別のうち、利用の多い順に機能回復訓練、身体障害デイサービス、就労関連事業であった。
124の通所施設の利用の条件をみると、「障害者手帳の所持が必要」が56施設(45.2%)、「必要だが特例あり」が15施設(0.12%)、「不要」が44施設(35.5%)であった。
B型センター等での通所事業(n=78)の利用の条件を見ると、「障害者手帳の所持が必要」は24施設(30.8%)であった。


通所施設で「利用期限がある」とした施設は37施設で、「なし」は10施設であった。
通所施設での高次脳機能障害者の年齢層は、多い順に30代と50代がほぼ同数であった。
B型センター等では50代、60代の順であった。
紹介元として最も多いのは、いずれの施設でも「本人及び家族からの問い合わせ」であり、続いて「福祉事務所」「医療機関」からの紹介となっている。


B型センターでの利用終了後の進路では、在宅、介護保険通所施設が同数となっている。
47の福祉事務所のうち39か所で相談を受けていた。相談内容は多い順に、「日中の過ごし方」「介護」「施設入所」「本人の状況(目が離せないなど)」となっている。
福祉事務所及び通所サービス提供機関から寄せられた多様な声を掲載した。
高次脳機能障害者を受け入れている通所施設等のうち、掲載に同意の得られた施設の一覧(名称、所在地、活動の内容など)を掲載した。

本書の問い合わせ先

注釈:誠に申し訳ございませんが、本書の残部がすべて無くなりました。
上記、本書の概要をご覧になり、詳細については下記までお問い合わせください。


地域支援課地域支援係
電話 03-3203-6141 
内線 2511又は2514
ファクス 03-3203-6185

お問い合わせ

このページの担当は 心身障害者福祉センター 地域支援課 地域支援係 です。

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以下 奥付けです。
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