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シナモンを含むサプリメントの過剰摂取にご注意
〜含有する成分クマリンによる肝障害の可能性〜

平成20年11月

シナモンは、古くから香辛料としてさまざまな料理や菓子などに使われていますが、最近はサプリメントなど健康食品としての利用も見られます。近年、シナモンの香りの成分の1つであるクマリンという物質を過剰に摂取することにより、肝障害が誘発されることがわかってきました。一般的な食生活の中で料理などに使われるシナモンの量は少ないため心配はいりませんが、通常の食品よりも成分を濃縮しているサプリメントなどの場合には、過剰に摂取する可能性があるので、注意が必要です。


ドイツでは、クマリンの過剰摂取に注意喚起

シナモンの原料植物には、大きく分けるとセイロンシナモンとカシアという2種類があるということは、あまり知られていないのではないでしょうか。シナモンといえばその香りが特徴的ですが、セイロンシナモン、カシアのどちらとも樹皮が香辛料として利用され、セイロンシナモンの方が上品な香りで高級とされています。


セイロンシナモン カシア
セイロンシナモン カシア

近年、シナモンの香り成分の1つであるクマリンという物質を過剰に摂取することにより、肝障害が誘発されることがわかってきました。クマリンは、セイロンシナモンよりもカシアに多く含まれる成分です。
ドイツでは、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が、耐容一日摂取量(人が一生涯にわたり摂取しても健康への影響上問題ないとされる一日当たりの摂取量)を、体重1キログラム当たり0.1ミリグラムに定め、注意喚起をしました。


独立行政法人国立栄養・健康研究所ホームページ
「ドイツのBfRがシナモン中のクマリンについて警告」


東京都の調査結果(シナモンを含む食品中のクマリン含有量)

東京都では平成19年度に、市販されているシナモンスパイスやシナモンを含む食品のクマリン含有量について、実態調査をしました。調査の結果、平均値で、スパイスではクマリンをセイロンシナモンから13.7ppm、カシアから3257.5ppm検出しました(1ppmとは、1キログラムの食品から1ミリグラムのクマリンを検出すること)。また、シナモンを含む菓子では19.7ppm、サプリメントでは2640.0ppmのクマリンを検出しました。(図1)


図1:シナモン含有食品に含まれるクマリン(平均値)
図2:シナモン含有食品の1日の許容量

この値から体重50キログラムの成人の1日許容量(各食品について、人が一生涯にわたり摂取しても健康への影響上問題がない一日当たりの摂取量)を計算すると、セイロンシナモンでは364.6グラム、カシアで1.5グラム、菓子で253.3グラム、サプリメントで1.9グラムでした。(図2)
平成18年都民健康・栄養調査結果で、「香辛料・その他」の1日当たりの摂取量は0.3グラム、「菓子類」は28.4グラムであることから、一般的な食生活ではシナモンによる健康影響はないと考えられます。サプリメントでは、すべての製品で表示されていた一日の摂取目安量は2カプセルであり、その範囲ではクマリンの耐容一日摂取量を超えませんでしたが、4〜5カプセルを摂取すると耐容一日摂取量を超えてしまいます。(図3)
サプリメントでは過剰に摂取する可能性がありますので、表示にある摂取目安量をきちんと守るなどの注意が必要です。


図3:シナモン含有サプリメントからのクマリン摂取量

調査結果:シナモン含有食品中のクマリンの実態調査


都民の方へ

通常の食事でスパイスや菓子として食べるシナモンの量では、クマリンの耐容一日摂取量を超えないと考えられるため、健康に影響は出ません。
ご注意いただきたいのは、シナモンサプリメントなどのいわゆる健康食品です。摂取目安量を守っていれば問題はありませんが、過剰に摂取した場合、耐容一日摂取量を超えることがあります。サプリメントでは特定の成分を多量に摂取することがありますので、商品に表示されている摂取目安量をきちんと守ることが大切です。


事業者の方へ

シナモンを含むサプリメントを取り扱う場合は、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所のクマリンの耐容一日摂取量を参考に摂取目安量を設定するとともに、消費者の方が過剰に摂取しないよう情報提供に努めてください。


参考資料

1 独立行政法人国立栄養・健康研究所ホームページ
ドイツのBfRがシナモン中のクマリンについて警告
2 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所ホームページ(英語)
BfRは、食品中のクマリンの最大値を示唆
3 東京都健康安全研究センターホームページ
シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査(PDF)
(東京都健康安全研究センター研究年報 第59号 2008)
4 東京都福祉保健局ホームページ
東京都民の健康・栄養調査結果

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