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こうしておこった食中毒【事業者編】①体調不良の調理従事者を介したノロウイルス食中毒

あらまし

 1月下旬、市内の会社から「市内の仕出し屋から配達された弁当を食べた社員6名が翌日から下痢、おう吐、腹痛等の症状を呈している」旨の届出が保健所にありました。

 保健所が会社を調査したところ、患者はいずれも仕出し屋が調製した弁当を食べており、弁当を食べていない社員に同様の症状を呈した人はいませんでした。

 また、仕出し弁当の他の配達先を調査したところ、弁当は22ヶ所76食が提供されており、内10ヶ所51名の患者が確認されました。これら患者の共通食は当該仕出し屋が調製した弁当のみで、多数の患者ふん便及び調理従事者からノロウイルスを検出しました。これらのことから、保健所は当該飲食店が調製した弁当を原因食品とする食中毒と断定しました。

おこった原因

 ノロウイルスを検出した調理従事者は、前日の夕方に自宅トイレ前でおう吐しており、当日も下痢症状がある中で調理業務を行い、その作業中に2回トイレに行っていることが分かりました。また、従業員用のトイレを確認したところ、手指を消毒する装置が撤去されていました。このため、ノロウイルスに感染していた調理従事者の、用便後の手洗いが不十分となってしまい、このような事故を引き起こしたものと考えられました。

予防のポイント

 ノロウイルスの食中毒を予防するためには以下の点が重要です。

  • ① 調理従事者からの食品汚染を防止する。
  • ② 調理器具等からの汚染を防止する。
  • ③ 食材中のノロウイルスを不活化(殺菌)する。

 特に、ノロウイルスに感染した調理従事者を介した食中毒事例が増加しており、この事例のように調理従事者が下痢やおう吐などの症状があるにもかかわらず調理した事例ばかりではなく、症状がなく、感染していたことに気付かずに調理をした事例もあります。

 このような事例を防ぐためには、調理従事者の健康管理と手洗いが重要です。もし、調理従事者に症状がある場合は、直接食品を取り扱う作業は避けるようにしてください。

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