トップページ > 食中毒 > こうしておこった食中毒【事業者編】 >鶏肉の刺身によるカンピロバクター食中毒

こうしておこった食中毒【事業者編】③鶏肉の刺身によるカンピロバクター食中毒

あらまし

 6月末、医療機関の医師から「大学のサークルの新人歓迎会において鶏肉の刺身、揚げ物、そば等を喫食した、大学生数名が食中毒症状を呈している」との連絡が保健所にありました。

 保健所が調査したところ、新人歓迎会は複数の学部の学生74名で行われ、すべての学部から計47名の患者が発生していました。患者の症状は腹痛、発熱、下痢、頭痛等で、患者のふん便からカンピロバクターが検出されました。患者の共通色はこの新人歓迎会での会食以外にはなく、また、従業員2名が賄い食として、同じ鶏肉の刺身を喫食し2名ともふん便からカンピロバクターが検出されました。

 これらのことから、保健所は同飲食店が調理提供した「鶏肉の刺身」を原因とする食中毒事件と断定しました。

おこった原因

 鶏肉の刺身の調理工程を確認したところ、鶏ささみ肉を沸騰水中で10秒から20秒間、湯通しを行っているため、表面のカンピロバクターは死滅していると考えられました。しかし、甘皮を取る、短冊に切るなどの湯通し前の処理段階で鶏肉内部に侵入したカンピロバクターは生存していたものと考えられました。また、湯通しから冷却までの作業は1人で行っており、湯通しの際、加熱する前の肉を素手で扱い、手指を消毒するこのなく、氷冷をおこなっていました。そのため、調理人の手指およびざるのふちから冷却に用いた氷水を汚染し、湯通しした鶏肉の表面を再汚染したことも考えられました。

予防のポイント

 都内ではカンピロバクターの食中毒が多発しており、その多くは今回の事例のように鶏肉の刺身など肉の生食の関与が疑われています。

 カンピロバクター食中毒を予防するためには以下の点に注意して下さい。

  • カンピロバクターは熱や乾燥に弱いので、調理器具は使用後に良く洗浄し、熱湯消毒・乾燥を行ってください。
  • 加熱不十分な食肉やその臓器あるいは食肉等の生食はやめましょう。
  • 食肉から他の食品への二次汚染を防ぐため、生肉を取り扱った後は、手指を十分に洗浄及び消毒を行うなどしてください。

ページの先頭へ戻ります