「東京都障害者・障害児施策推進計画」(案)パブリックコメント  実施結果 (募集期間) 平成30年2月27日から3月12日まで (応募者数) 28名 施策目標1 共生社会実現に向けた取組の推進 ナンバー1 16ページ 主な意見の概要(要旨) 障害を理由とする差別を解消するための条例について 障害を理由とする差別を解消するための条例を確実に施行してください。また条例には合理的配慮の義務化は必ず明記してください。 都の考えかた 現在、検討を進めている都の条例については、平成29年12月から平成30年1月にかけて行ったパブリックコメントの結果も踏まえ、第二回定例都議会に条例案を提出する予定です。なお、パブリックコメント時に示した条例の具体的な考え方においては、合理的配慮の提供を義務とする方針としています。 ナンバー2 16ページ 主な意見の概要(要旨) 東京都職員採用試験について 障害者雇用の促進を図るため、東京都職員への積極的雇用について文言が必要ではないか。" 都の考えかた 障害者の就労機会を拡大する上で、都が率先して取り組んでいくことは重要であると認識しており、引き続き、障害者の就労する職場の拡大に努めていきます。 ナンバー3 16ページ 主な意見の概要(要旨) 個人情報の記載のある郵送物への音声コード対応について 個人情報が記載されている郵送物(封筒・内容物)には、音声コードを印刷されていない。他人に見せたくない個人情報もあり、人に見せて読んでもらわずに、自分で読みたい。" 都の考えかた 都では、音声コードをはじめ、点字、手話、筆記、ICT機器等を活用し、様々な情報提供を行っています。 平成28年3月には「東京都障害者差別解消法ハンドブック」を発行し、音声コードの活用等を都内自治体及び民間事業者等に周知を図っています。 今後も引き続き、それぞれの障害特性等を踏まえた情報提供の充実に努めていきます。" ナンバー4 19ページ 主な意見の概要(要旨) 障害者スポーツの環境づくりについて 障害者スポーツを活発にするには、指導者の育成と場の整備が欠かせない。障害者スポーツセンターの増設など施設の確保が不可欠ではないか。" 都の考えかた 都は、障害のある方が身近な地域でスポーツ活動ができるよう、区市町村職員やスポーツ推進委員を対象に初級障がい者スポーツ指導員養成講習会を実施し、障害者スポーツを支える人材の育成を図っています。 また、都立特別支援学校の体育施設を学校教育活動に支障のない範囲で、平日の夜間や土日・祝日に開放し、活用を促進しています。平成29年度は10校で実施しており、今後順次拡大していく予定です。施設開放のほか、実施校を会場に、障害の有無に関わらず個人でも参加できる障害者スポーツやレクリエーションの体験教室も実施しています。 ナンバー5 26ページ 主な意見の概要(要旨) バリアフリー化について コンサート会場や観劇、スポーツ鑑賞の会場に車イススペースは少ない。また、同伴者と隣通しで鑑賞できないことがある。都から、業者へ理解を徹底してほしい。" 都の考えかた 都は、福祉のまちづくり条例に基づく整備基準において、一定規模以上の劇場や映画館など観覧席・客席を設ける施設の新設や改修等に際して、車いす使用者のための観覧席又は客席を出入口から容易に到達でき、かつ観覧しやすい位置に設けることを定めています。 また、整備基準等について解説した施設整備マニュアルでは、同伴者とともに観覧ができるよう、一般用の座席も車いす対応観覧席、客席に隣接して設けることを望ましい整備として示しています。 ナンバー6 26ページ 主な意見の概要(要旨) 福祉施設のバリアフリー化について 地域活動支援センターにもバリアフリー条件の緩和を適用し、明文化してほしい。 都の考えかた 都では、高齢者や障害者を含めたすべての人が施設を円滑に利用できるよう、福祉のまちづくり条例施行規則で定める種類及び規模の新設又は改修等に際して、整備基準を遵守することを同条例で規定しており、届出事務は区市町村において行われています。 また、整備基準によらずに高齢者や障害者等が建築物等を円滑に利用できると認められる場合や、建築物の構造その他やむを得ない事情により整備基準による整備が困難であると認められる場合には、一部の整備基準を適用しないことができるとしており、整備基準の弾力的な運用が可能となっています。 ナンバー7 26ページ 主な意見の概要(要旨) ユニバーサルデザインの視点に立った福祉のまちづくりについて 「ユニバーサルデザインの視点に立った福祉のまちづくり」には、防災にも視点を置く検討が必要ではないか。 都の考えかた 都は、福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、福祉のまちづくり推進計画を定めており、現行計画(平成26年度〜30年度)においては、基本的視点の1つとして、「災害時・緊急時の備えなど安全・安心のまちづくり」を定めています。 施策目標2 地域における自立生活を支える仕組みづくり ナンバー8 31ページ 主な意見の概要(要旨) グループホームについて グループホームは、自立生活の過程の場であり、自立の場ではない。今以上、大幅に増やす必要はない。 都の考えかた 現在、グループホームは障害者の方の地域生活の場、地域生活への移行の場として大きな役割を担っており、親元からの自立や重度者の受け入れなどの需要に応えられるよう、引き続きグループホームの設置を促進していきます。 ナンバー9 33ページ 主な意見の概要(要旨) 医療的ケアを必要とする障害者について 障害者の高齢化に伴い、医療的ケアが必要になるケースも多々みられる。医療的ケアが必要な障害者が通える日中活動の場が十分にない。医療的ケア者の実態・ニーズの把握を行い、具体的な施策を立案してほしい。 都の考えかた 本計画(案)には、「障害福祉サービス利用者の状況」として利用者の高齢化、重度化、医療的ケアを必要とする障害者の状況などを記述し、こうしたニーズに対応する施設の整備を重点的に進めるため、「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」を盛り込んでいます。引き続き、地域生活基盤の整備の推進に取り組んでいきます。 ナンバー10 37ページ 主な意見の概要(要旨) 地域の相談支援体制について 地域の相談支援体制に対して予算を大幅に増やし、相談支援体制の人手不足を少しでも解消してほしい。" 都の考えかた 相談支援専門員については区市町村への調査も踏まえ、今後も引き続き必要な相談支援専門員の養成を行っていきます。 ナンバー11 45ページ 主な意見の概要(要旨) 地域生活への移行について 地域生活への移行に関する成果目標ではなく、地域生活の基盤づくりに関する成果目標とするべきではないか。 都の考えかた ご指摘の部分は、法定の障害福祉計画と本計画との関連性を説明した部分であり、地域生活への移行については、国の基本指針において設定すべき成果目標の一つとして位置づけられています。 地域生活の基盤づくりについては、施策目標Uにおいて、整備目標を設定しています。 ナンバー12 50ページ 主な意見の概要(要旨) 精神科病院からの地域生活への移行について 精神科病院からの退院率を目標にするだけでは十分ではない。再入院した方の数を除いて退院率にしないと地域移行と言えない。 都の考えかた 退院率については、国の基本指針に則しつつ、都の実情も踏まえて目標値を設定しています。また、都は、精神障害者地域移行体制整備支援事業等を実施し、入院中の精神障害者の円滑な地域移行・地域定着を図るための取組を引き続き実施していきます。 ナンバー13 主な意見の概要(要旨) 施設・事業所の利用について 支援リスクが高く、受け入れる施設・事業所が見つからない障害者については、適切な支援を受けられるよう留意する必要があることを加えてはどうか。 都の考えかた 施設・事業所の利用については、本人の状態や家族などの事情、意向を踏まえて、区市町村や相談支援事業所などの関係機関が連携しながら、これまでも対応しています。 ナンバー14 54ページ 主な意見の概要(要旨) 重症心身障害児(しゃ)入所施設について 医療的ケアがあっても地域の施設に通所できているが、親は高齢化が進み、家庭での介助や医療的ケアに限界を感じています。重症心身障害児(しゃ)の入所施設をつくってください。 ・施設のない(少ない)地域に、重症心身障害児(しゃ)が利用できる入所・通所・ショートステイなどの拠点となる施設を整備してほしい。 都の考えかた 重症心身障害児(しゃ)の入所ニーズについては、本計画(案)に盛り込んだとおり、今後、本人の加齢による身体機能の低下や、家族の高齢化等に伴う介護力低下により、在宅での生活が次第に困難となるケースが増加することが見込まれます。 そのため、都は、重症心身障害児(しゃ)の施設入所のニーズにも十分配慮しつつ、どんなに障害が重くても、必要とするサービスを利用しながら地域で安心して暮らせるよう、地域での専門的支援の提供体制を更に整備していくことが必要であると考えています。 こうした観点から、日中活動の場である通所施設など地域生活基盤の重点的整備に取り組むとともに、通所施設(医療型)やショートステイ実施施設への受入促進員配置により、医療ニーズが特に高い在宅の重症心身障害児(者)を安全かつ安定的に受け入れるための体制を整備し、適切な療育環境の確保を進めていきます。 ナンバー15 54ページ 主な意見の概要(要旨) 重症心身障害児(しゃ)通所施設について 医療的ケア児(しゃ)が通える施設はごく限られている。特別支援学校卒業後に地域で生活していく施設の充実を願います。 都の考えかた どんなに障害が重くても、必要とするサービスを利用しながら、地域で安心して暮らせるよう、日中活動の場である通所施設など、地域生活基盤の重点的整備に取り組むとともに、通所施設(医療型)やショートステイ実施施設において、看護師を受入促進員として配置することで、医療ニーズが特に高い在宅の重症心身障害児(しゃ)を安全かつ安定的に受け入れるための体制を整備し、適切な療育環境の確保を進めていきます。 ナンバー16 54ページ 主な意見の概要(要旨) 重症心身障害児(しゃ)ショートステイについて 医療的ケアを必要とする重症心身障害者が利用可能な、ショートステイ施設をつくってください。 都の考えかた 重症心身障害児(しゃ)のショートステイ病床を確保するとともに、ショートステイ実施施設において、看護師を受入促進員として配置することで、医療ニーズが特に高い在宅の重症心身障害児(yさ)を安全かつ安定的に受け入れるための体制整備に取り組んでいきます。 ナンバー17 主な意見の概要(要旨) 重症心身障害者の生涯学習について 障害が重くて日中活動の場である通所施設に通えない「超重症者」に、特別支援学校を卒業後、「生涯学習」ができるような支援のご配慮いただきたい。 都の考えかた どんなに障害が重くても、重症心身障害児(しゃ)が、必要とするサービスを利用しながら、地域で安心して暮らせるよう、地域における専門的支援の提供体制の整備に努めていきます。 施策目標3 社会で生きる力を高める支援の充実 ナンバー18 70ページ 主な意見の概要(要旨) 保育所等訪問支援について 訪問看護ステーションを活用してはどうか。施設基準の見直しによって、利用者が増えるのではないか。 都の考えかた 保育所等訪問支援は、障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する専門職員が保育所等を訪問し、集団生活への適応のための専門的な支援を行うことにより、保育所等の一般的な子育て支援施策における障害児の受入れを促進することを目的とした事業です。 都は、保育所等訪問支援について、全ての区市町村において利用できる体制の構築を目標として掲げ、区市町村の体制整備を支援していきます。 ナンバー19 主な意見の概要(要旨) 都立病院と都立特別支援学校の連携 都立病院と都立特別支援学校など都立のものが連携していくことで共生社会をつくっていくのはどうか。都立特別支援学校に都立病院付属クリニックをおき、オンライン診療をつかえば病院とクリニックをうまく利用できる仕組みもつくれるのでは。 都の考えかた 特別支援学校との連携については、小児総合医療センターにおいて、入院中においても、子供の学習の遅れを生じさせないこと、退院後の学校生活にスムーズに戻れることを目的とし、病院内に特別支援学校である東京都立武蔵台学園府中分教室を設置し、子供の教育に配慮した医療の提供を行っております。 今後とも、東京都立武蔵台学園府中分教室と連携し、子供たちの教育に配慮し適切に医療を提供していきます。 ナンバー20 72ページ 主な意見の概要(要旨) 医療的ケア児への支援について 医療的ケアに対して都独自の予算の拡充をしてほしい。 都の考えかた 医療的ケアが必要な障害児が適切な支援を受けられるよう、関係機関の連携強化や在宅生活を支えるサービスの充実に取り組む都独自事業を開始するなど、支援の充実を図っています。 ナンバー21 72ページ 主な意見の概要(要旨) 医療的ケア児を支える医療について 訪問看護ステーションの看護師の研修の実施を早急にお願いします。" 都の考えかた 地域の訪問看護人材を育成するため、訪問看護ステーションの看護師を対象に、重症心身障害児及び医療的ケア児に特有な症状への看護、在宅での呼吸管理や栄養管理等に関する知識や技術を習得するための研修及び訪問実習を行っていきます。 ナンバー22 74ページ 主な意見の概要(要旨) 特別支援教育の充実について 障害の種類と程度に応じた特別支援教育の実施について、種類と程度という使い方に違和感を覚える。 都の考えかた 障害のある幼児・児童・生徒の自立を目指し、一人一人の能力を最大限に伸長する観点から、今後も、障害の種類と程度に応じた指導・支援の充実に努めていきます。表現については、「東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画」と整合性を図っています。 ナンバー23 74ページ 主な意見の概要(要旨) 特別支援教育の充実について 「多様な学びの場」における教育の充実を図るため、教員の増員など教育環境の整備を行う必要があるのではないか。 都の考えかた 教育環境の充実に努めるため、都教育委員会はこれまで、特別支援学校の適正規模・適正配置を推進してきました。引き続き、教育環境の充実に向けた取組を進めていきます。 ナンバー24 76ページ 主な意見の概要(要旨) 特別支援教育の充実について 都立秋留台高校における障害者による学習上又は生活上の困難を改善・克服するための特別の指導に、環境を調整することで本人の潜在能力を引き出すことを加えてはどうか。 都の考えかた 発達障害のある生徒への教育の環境整備と支援体制の充実のため、都教育委員会では、平成30年度から都立秋留台高校を通級による指導のパイロット校として、生徒一人一人の状態に応じた自立活動の指導等を行います。 ナンバー25 主な意見の概要(要旨) 特別支援学校の地域利用について 特別支援学校の施設を、障害者のスポーツだけでなく、音楽やダンス、アートなどを練習したり、いこいの場所としたり、卒業後も入っていけるような全年齢を通して使える施設としてはどうか。 都の考えかた 都立特別支援学校では、グラウンドや体育館等の体育施設を一般都民向けに開放しているほか、音楽室等の学習文化施設を開放している特別支援学校もあります。 また、特別支援学校を会場として、障害のある方本人を対象とした公開講座やボランティア講座を実施しています。 施策目標4 いきいきと働ける社会の実現 ナンバー26 84ページから86ページ 主な意見の概要(要旨) 一般就労に向けた支援について 具体的にどのような一般就労への移行の取り組みを行うのか示してほしい。" 都の考えかた 本計画(案)では、84から86ページにかけて、一般就労への移行のための取組の方向性を示しています。具体的には、就労支援機関による支援の充実、障害特性に応じた職業訓練など5つの項目を掲げ、それぞれ内容を記載しています。 施策目標5 サービスを担う人材の養成・確保 ナンバー27 93ページから94ページ 主な意見の概要(要旨) 福祉人材の確保・育成・定着について ・福祉職場で働く人の確保のためには、報酬の引き上げが不可欠です。改善策を盛り込む必要があるのではないか。 ・成人の通所、入所施設の職員の確保が急務です。賃金が安く、長く、働き続ける環境の確保が必要です。底上げをお願いします。 都の考えかた 本計画(案)では、人材の確保・育成・定着に向けて、宿舎の借り上げ支援、研修受講への支援、事業所の管理者等に対する職場環境改善や人材マネジメント方法等に関する研修の実施など新たな施策を盛り込んでおり、取組みの充実を図っていきます。 ナンバー28 95ページ 主な意見の概要(要旨) 重症心身障害児(しゃ)施設等における人材について 医療的ケアを含む重症心身障害者のいる障害者施設で働く看護師が慢性的に不足しています。施設で働く看護師を支援する仕組みをお願いします。 都の考えかた 重症心身障害児(しゃ)の障害特性に応じた支援を提供できる看護人材の確保・養成の促進を図るため、重症心身障害児(しゃ)施設等で働く看護師に対し、経験に応じた専門研修を実施してレベルアップを図るとともに、認定看護師資格取得の機会の提供を行い、看護人材の育成と定着を促進していきます。 重症心身障害看護の特徴や魅力を発信し、都内の療育センターの人材確保に資するために、看護大学や看護専門学校において説明会を実施し、人材確保を促進していきます。 また、在宅の重症心身障害児(しゃ)の健康を支える上で重要な役割を果たす訪問看護ステーションの看護師について、在宅での呼吸管理や栄養管理等に関する研修及び訪問実習を行っていきます。 ※同種の意見については、まとめて掲載しています。