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ストレスへの対処方法

Q&A

Q1.最近、よくストレスに関する記事や本をみかけるようになりました。ストレスとは、どのようなものでしょう?

A1.

一般的には、「精神的な緊張」のことを言います。 
ストレス、つまり「精神的な緊張」は、適度なら私たちの生活のいい刺激になります。がんばろうという意欲をかきたて、自分自身を成長させるよいチャンスにもなります。
しかし、常にストレスにさらされ、負担の大きい状態が続いていると、こころの病気にもつながりかねないものです。
「最近、元気がでない」「疲れがなかなか取れない」「よく眠れない」」「いらいらする」「食欲がない」などは、ストレスが原因となっていることもあります。

Q2.ストレスはどのように起こってくるのでしょう?

A2.

ストレスを感じるとき、そこには必ず原因があります。ストレスの原因となる要素を、ストレッサーと言いますが、暑さや寒さ、騒音、化学物質など物理化学的なもの、過労、睡眠不足、そしてお腹が減ったというような生物学的なもの、不安、恐怖、興奮、人間関係など心理・社会的なものがあります。
特に身近な人が亡くなったり、会社が倒産したというような喪失体験、転勤、引越し、結婚などの環境の変化、それから仕事や人間関係、法律上のトラブルといったものは、ストレッサーになりやすいと言われています。 
しかし、このようなストレッサーが、すべての人に、同じようにストレスを引き起こすわけではありません。 
これらをどのように自分自身が認知し、またどのような感情を持つか、そしてどのような対処方法を持っているかにより、起こってくる「精神的な緊張」の度合いが変わってきます。

Q3.「認知」とはどのようなものですか?

A3.

認知とは、簡単にいうと「物事をどう見るか」ということです。例えば、サイコロを ひとつの面からしか見なければ、その面の数しか見えません。しかし、ぐるぐる回してみると1から6までの数があることがわかります。 
「会社が倒産した」ときに、『この世の終わりだ』と見るか、『新しい人生の始まりだ』と見るか、人それぞれです。 
物事をどう見るか、という見かたには、人それぞれにクセがあると言われています。
ちょっとした失敗でも「最悪だ」と極端に考えてしまったり、あるいは過去に強烈な体験をした場合、『また同じことが起こるに違いない』と考えてしまったり、自分なりの色のついた眼鏡で無意識のうちに起こってくることを眺めているような状況です。サングラスのように濃い色のついた眼鏡をかけて物事を見ていると、天気のいい日でもうす曇のように見えてしまうことが、物事の認識においても起こってきます。
また、先ほどのサイコロの例のように、いくつの切り口から物事をみるか、によっても、物事の捉え方が変わります。

Q4.一つの見方にこだわると、ストレスになりやすいのでしょうか?

A4.

そうですね。自分がどのような物事の見方のクセがあるのか、誰でもクセがありますので、あることを責めるのではなく、ただ気づくことでこだわりから抜け出す道ができます。 
また何かが起こったとき『悪いのは自分だ』と余り関係のないことまで責任を背負ってしまったり、何をするにも『こうすべきだ』と厳しい基準をつくってしまったり、自分の感情のまま物事を判断し決め付けてしまう、とストレスがたまります。
ストレスが多いと思うとき、自分自身がどのような認知をしているか、一度振り返ってみることもストレス対策の1つになるでしょう。 
最近は「認知療法」に関する本がいろいろ出版されています。

Q5.物事の見方でストレスの度合いも変わるということですが、感情は自動的に起こってくるので、感情のコントロールは難しいのでは?

A5.

感情は自動的でコントロールできない、と思われている人が多いかと思いますが、実は物事と感情は直接連動しているわけではなく、先ほどの認知「物事をどうみるか」ということやそれに対する評価がその2つの間にあって、感情を作り出しているのです。 
例えば「転職」を「大変なこと」と見るか、「新しいチャレンジ」と認知するか、そして「大変」なことと認知していたとしても、「がんばっている自分をほめたい」と評価しているか、「大変なことを始めてしまって失敗した」と判断しているか、それにより感情も変わります。

Q6.実際の生活では、嫌な感情が起こると、「嫌なことがあったから、自分は嫌な気持ちなんだ」と考えませんか?

A6.

そうです。だからこそ、感情について理解していることが大切ですね。つまり、逆から言えば、感情自体は現実を測る物差しでもなければ、自分自身の価値を計る物差しでもないということです。
認知療法の中でも、このことは「感情的な決め付け」といって、「自分がこう感じているのだから、現実もそうであるに違いない」という心の癖のひとつに入っています。

Q7.それでは、感情とはどうつきあったらいいのでしょう?

A7.

まず知っておいてもらいたいことは、感情はどのような感情であっても、とても大切な心のサインであり、いい気分だから良いとか、嫌な感情だから悪いもの、ということではないということです。
何のサインかというと、例えば、不安や恐れの感情があるからこそ、自分の命を守ることもできると言われていますし、同じような感情に何度もおそわれる場合、自分の物事の見方のこだわりを教えてもらっているかもしれません。
どのような感情であっても、判断せずに受け入れて、客観的に眺めてみたり、そのことを安心できる関係のなかで話してみることで、何かの気づきがあるかもしれません。適切な自己表現、あるいは対処行動ができると、感情に振り回されるのではなく、感情を自分の味方にすることができます。
そして、もうひとつ大切なことは、自己肯定感や自己効力感といった基本的な自分への信頼が、どの程度あるかによってもストレス反応は変わると言われています。

Q8.自己肯定感、自己効力感とは、どのようなことですか?

A8.

自己肯定感とは「自分が自分でいてOK」という感覚です。私たちは自分自身や他人のことを肯定するとき、「(条件付で)OK」としていることが多いですよね。何かができるから、人の役にたっているから、努力しているから、私はOKと。しかし、この自己肯定感には、もうひとつの「無条件で生きていてOK」という感覚も必要です。この感覚が少なすぎると、常に前進しなければというあせりや、完璧主義で人も自分も許せない、とストレスが膨らむことになりかねません。
また、自己効力感は、先ほども少しお話したように「やればできる」という自信のこと です。自分に、ある目標に到達するための能力がある、という感覚を持つ人は、様々な障害に出くわしても、それを負担ではなく、チャレンジや課題といったプラスの材料に転換し、ストレスに負けることなく、前向きに生きやすい人ともいえるでしょう。

Q9.前の質問のような感覚を自分で育てる方法はありますか?

A9.

自己肯定感が低いと思われたら、日常生活の中で、何かひとつでも、本当に自分が望む形で生活してみましょう。
自己肯定感が低ければ低いほど、無意識のうちに、まわりにあわせて様々な行動の選択をしていたり、こうあるべき、と行動していたりします。自分の気持ちを確認する時間を 持ち、選択してみて、どう感じるか。自分で自分を大切にすることは、慣れていないと罪悪感や居心地の悪さを感じることもあるでしょうが、自分にとって快適、という感覚の積み重ねや、それを選択することもできるという自信が、「無条件でOK」という感覚を育みます。
それから、自己効力感を育てるには、実際の成功体験や周囲から褒められること、同じように努力している人が成功する姿を見ること、そしてこのような体験が自分にとっても楽しかったり、嬉しかったり、という体験が大切です。

Q10.その他、ストレスへの対応方法は?

A10.

ストレスが起こる要因で一番身近なことは人との関係の中で起こってきます。人と人とをつなげるものはコミュニケーションですから、コミュニケーションの基本となる「傾聴」と「自己表現」の方法を身に付けることは大切です。
傾聴とは、アクティブ・リスニングとも言われ、相手の話をよく聞くことです。 ポイントは3つ。1つ目は受容。相手の考えや気持ちを受け入れること。2つ目は共感。相手の立場にたって気持ちや感情をわかろうとすること。3つ目は誠実さ。話を聞く側が、自分自身を偽らず、自分自身について誠実であること。
私たちは人からの話に対し、自分の思いに意識が集中し、相手が何を言いたいのか、きちんと聞き取れていないことが多いのです。
相手の気持ちがよく解ると、自分の気持ちも伝えやすくなります。
自己表現について、最近はアサーショントレーニングという言葉もよく聞かれるようになりました。アサーションは相手も自分も大切にする自己表現方法です。

Q11.アサーション(コミュニケーションスキルの1つ)は、実際どのようなものですか?

A11.

よく例として出される状況ですが、レストランで家族と食事をしているとき、注文と違ったものがでてきたとします。
Aさんは家族に愚痴をこぼしながら、ウエイターには何も言わずに黙って食べる。Bさんはウエイターに対して、大声でどなり交換させる。Cさんは自分の注文と違うと説明し交換してもらう。Dさんは違うものでもよいと考え、主張しない。
アサーションは「相手も自分も大切にする自己表現」なので、CさんとDさんがアサーションタイプと言われます。アサーションの中には、自分が納得の上で自己主張しない、という選択も含まれるのです。
Aさんは、非主張的タイプといわれます。不満を抱えたままになってしまうと、犠牲を払ったという感じや傷ついた感じが残ることがあります。 
Bさんは攻撃的タイプと言われ、周りを支配しようとするため、そのことがストレス反応を高めることにつながります。このタイプの場合、人と話し合うというより敵対してしまうことも多く、人間関係もうまくいきません。

Q12.ストレスに負けないためには?

A12.

物事にはいろいろな考え方があること、多面的に物事を見たり、柔軟に考えることが、ストレスに負けないことにもつながりますね。 
成功体験を積み重ねること。 
アサーションを心がけること。 
ストレスの対処法には、日常生活の食事、睡眠、趣味の活動など、いろいろな場面で、工夫の余地があります。自分のライフスタイルに合った方法を取り入れて、健康でストレスに負けない生活を送っていきたいですね。

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このページの担当は 多摩小平保健所 保健対策課 地域保健係 です。

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