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東京都福祉保健局 東京都立多摩総合精神保健福祉センター
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業務比較 病院とセンター

センターでの医師の仕事をよりイメージしやすくするために、病院精神科の業務とセンターの地域精神保健業務を対比し、センターの地域精神保健活動の中でみられた特徴的な事例を挙げてみました。

1.病院と精神保健福祉センターを比べると
  病院精神科 センター
目的 精神疾患の診断・治療 精神保健福祉関連問題の専門的相談、広報、技術援助、組織育成、人材育成、調査研究
対象 患者(家族、関係者は患者の治療に役立つ範囲で関与) 住民、関係機関(行政、保健・医療・福祉・教育・司法など)
提供する技術 精神医学的診断評価、薬物療法、精神療法、生活技能訓練、作業療法、訪問看護など 疾病の見立てと問題(事例・家族・地域)の把握、連携体制作り、行政的助言、訪問指導、研修講師、権利擁護、審査、デイケア、一時入所など
利用形態 契約 一部行政措置 行政サービス 都の専門病棟(アルコール、認知症、児童)と連携
その他 来院しない患者は対象としづらい 本人の来所の有無はあまり問題でない

2.センターが関与する地域精神保健事例とは(いくつかの実例をもとに作成した架空事例)

(1)タロウさん 40代 男性
大学を卒業後、商店を営む両親を手伝っていた。2人の同胞あり。両親の死後一人暮らしをしていたが、被害妄想が出現し、道路にビンを投げつける等のため姉の支援で精神科に入院。退院後、まもなく通院服薬を中断。自宅の庭にゴミをためこみ、家の前を通る近隣の人を大声で脅す等がみられるため、近所の人が警察に相談。警察は「精神のことは保健所へ」と紹介され、保健所保健師が住民に対応。同胞に連絡がつき、民間救急を利用して3ヶ月程度入院したが症状改善し退院。その後、病識なく通院や服薬はせず、最近、庭にゴミをためるため、近所の食料品店主から保健所に相談。保健所、センター、警察による事例検討を実施。
(2)スエさん 80代 女性、 タカシさん 50代 男性
スエさんは農家の主婦で、タカシさんはその跡継ぎだったが20代後半に統合失調症を発症し、入退院を繰り返し家業もあまりできなくなった。スエさんの夫の死後、二人暮らしとなったが、スエさんは脳梗塞で倒れた。幸い命をとりとめたが、家庭内の歩行がやっという状態で帰宅し、介護保険のホームヘルプを利用。しかし、タカシさんがヘルパーの来宅を嫌い追い返す等がみられ、スエさんを叩いたり、食事はコンビニで買ったパンを与える程度となったため、市高齢者福祉課や地域包括支援センター保健師が訪問したが、スエさん自身は問題を認識できずにいた。そして、市から当センターの高齢者精神医療相談班に訪問依頼がきた。
(3)サブロウさん 40代 男性 作業所所長
ある利用者(人格障害とされている)が作業所での職員の対応に不満をもち、所内の外装を壊した。このため、サブロウさんは職員と話し合い、この利用者の登録を抹消した。このことが、その人物の利用する別の機関に伝わったところ、この元利用者は「サブロウがバラしたな」と怒り、数日後に作業所に角材を持って来所。「サブロウはいるか!」と大声をあげ、説得しようとでてきたサブロウさんを角材でめった打ちにし、「今度やったら、命の保障はないものと思え」と意気揚々と帰った。サブロウさんをどうにか他の職員が助け近医受診。幸い、けがは重くなかったが、作業所はしばらく閉鎖となった。作業所職員、保健所、市障害者福祉担当課、当該利用者通院先医療機関、センターの各職員で対応を緊急に検討することになった。



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