聴覚障害

どんな障害?

聴覚障害には、伝音難聴、感音難聴、伝音難聴と感音難聴の両方を併せ持つ混合難聴の3種類があります。
伝音難聴は常に耳栓をしているような状態で、音が聞こえにくくなるのが特徴です。中耳炎など医学的治療で改善するものも多くあります。
感音難聴は「音」だけでなく「言葉」も聞こえづらくなるのが特徴です。加齢のために起こる老人性難聴は感音難聴のことをいいます。
全く聞こえない方もいれば聞こえづらい方もいて、障害の程度や状態によって様々な生活上の不自由さがあります。

伝音難聴の場合
感音難聴の場合

サポート方法

こんなことに困っています

聴覚障害は外見では判断しづらく、周囲に気づいてもらえないことが多くあります。生活の中で不自由さを感じるいくつかの例をご紹介します。

日常生活の中で……

【困ったこと】

人との会話に困ることがある。

【対応の方法】

補聴器を使用している方と話す場合は、相手が聞き取りやすい話し方の工夫が必要です。
具体的には、ゆっくりと、文節で区切って「今晩/○○さんが/久しぶりに/来ますよ」と話す、相手の顔を見ながら話す、周囲の雑音を少なくするなどです。

日常生活の中で……

【困ったこと】

手話を使えば分かると思われる。

【対応の方法】

聴覚障害のある方が手話を使えるとは限りません。
どのような方法(音声・手話・筆談)でコミュニケーションをとれば良いか、本人に尋ねてください。

日常生活の中で……

【困ったこと】

声を大きくすれば聞き取れると思われることがある。

【対応の方法】

音を感じる器官(内耳)に障害がある方も多く、声を大きくしても聞き取れない場合があります。聴覚障害があるからと、やみくもに大声で話すのは避けてください。

日常生活の中で……

【困ったこと】

筆談のとき、長い文で説明されると理解しにくいことがある。

【対応の方法】

長い文は文脈が複雑になるため、内容を理解しにくくなります。筆談をするときは、短く簡潔に書くことが大切です。
必要に応じて、記号や図を用いて、分かりやすく表現することを心がけましょう。

日常生活の中で……

【困ったこと】

複数の人が同時に話すと、会話についていけない。

【対応の方法】

1人対1人のときは音声で会話ができる人でも、複数の人に同時に話されてしまうと、言葉の聞き取りが非常に難しくなります。
会議や交流会など、複数の人が話す場では、できるだけ一人ずつ発言しましょう。
手話通訳者がいるときでも、一人ずつ発言すると通訳がしやすくなり、情報が伝わりやすくなります。

乗り物で……

【困ったこと】

事故などの緊急時の状況が分からず、困ってしまう。

【対応の方法】

困っている様子が分かったら、進んで声をかけ、意思を確認して援助をしましょう。

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