薬物乱用防止高校生会議開催の経緯

 
1 薬物乱用の現状
 現在の薬物乱用状況は、覚せい剤事犯の検挙者数が昭和29年に最高5万5千人を記録した第一次覚せい剤乱用期、昭和59年に最高2万4千人を記録した第二次覚せい剤乱用期に続く、第三次覚せい剤乱用期です。
 平成9年に2万人に迫る検挙者数という事態に直面したことから、平成10年に警察庁が第三次覚せい剤乱用期突入を発表しました。  第三次覚せい剤乱用期の特徴は、覚せい剤の乱用が、暴力団関係者やその周辺の一部に限らず、普通の学生・生徒や一般市民の日常生活の間近に忍び寄る傾向が一段と鮮明に現れ、特に中学生・高校生が乱用するといった、これまでにない状況をもたらし、薬物乱用の低年齢化が進行していることです。
 さらに現在、新たに乱用者となった青少年が仲間内で乱用を勧めたり、自らの薬物を購入する資金を得るため末端の密売に荷担するなどして新たな乱用者を拡大する乱用者層の増殖という深刻な事態が起こりつつあります。
 
少年を取り巻く社会環境の悪化
 薬物乱用が少年の間に増加した要因としては、まず駅前や繁華街等にたむろし誰彼の区別なく声をかけ巧妙に薬物を密売している不良来日外国人密売人グループの出現により薬物の入手が容易となったことが挙げられます。また、その乱用実態も友人同士仲間内で安易に乱用し、学校内までもが薬物の受け渡しや乱用の場となるなど、極めて憂慮すべき状況となっています。
  
青少年の安易な乱用傾向
 薬物を乱用するきっかけは、薬物に対する好奇心や仲間意識といった軽い気持ちから安易に乱用しているケースです。そして、覚せい剤にダイエット効果があるなどと誤った認識で乱用したり、覚せい剤を「S」、「スピード」などと呼んでファッション感覚で乱用したりする傾向が見られます。また、従来一般的に行われていた注射器を使用した静脈注射によらずに、あぶった蒸気を吸引したり、液体状のものをジュースに混ぜるなどしたり簡便な方法を用いていることです。
 
規範意識の低下
 また、薬物乱用について「他人に迷惑をかけていないので使うかどうかは個人の自由である」「薬物は本人の考えにまかせればいい」と考える生徒の割合は年齢が上がるほど高くなっており、高学年になるほど規範意識の低下が見られます。
 これらのことから、薬物に対する警戒感や抵抗感、さらに罪悪感が希薄化しています。
 
薬物に起因する犯罪
 しかし、薬物乱用の弊害が個人の自由の問題に止まらないのは、凶悪な犯罪や社会的な悲劇につながることが多い点です。自分が狙われているといった被害妄想によりその場に居合わせた人に襲いかかるといった犯罪や薬物購入資金を得るための様々な犯罪が引き起こされています。さらに、家庭内暴力等により家庭を崩壊させ、またその収益が暴力団等犯罪組織の資金源となるなど、健全な社会生活に深刻な脅威となります。
 
薬物の依存性
さらに、薬物乱用の恐ろしいところは、薬物のもつ依存性です。止めたいと思っても自分の意志でやめられなくなり、健全な心と体の成長が妨げられてしまい、乱用を開始した年齢で心の成長が止まってしまうことです。
 
薬物乱用防止高校生会議
このような状況から、薬物乱用防止高校生会議は、薬物乱用の現状と問題点について正しい認識を持った上で、高校生が自ら薬物乱用防止について考え、これをメッセージとしてまとめて同世代に向けたアピールを行う、高校生による高校生のための薬物乱用防止活動です。 この薬物乱用防止高校生会議が、学校の薬物乱用防止に関する指導の参考になれば幸いです。

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