高齢者虐待防止と権利擁護−いつまでも自分らしく安心して暮らし続けるために− 東京都
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虐待の程度に応じた対応方法を考えてみましょう
 
専門職の皆さんには、状況に応じた適切な判断と対応が求められます。虐待の状況を丁寧に把握するとともに、状況に応じた地域のネットワークで対応することが必要です。
それぞれの地域で高齢者虐待に対応できる体制を作っていきましょう。
 
 
【程度に応じた対応方法】 【具体的な対応方法】(イメージ)
緊急事態/要介入/要見守り・支援
状況に応じて警察や救急に連絡したり、やむを得ない措置* 等により、高齢者本人を緊急避難させることが必要です。ただし家族間の問題は、その後の関係の修復等も含めて支援する必要があります。
警察・救急への連絡/やむを得ない措置/緊急ショートステイへの入所など一時避難/成年後見制度などの活用による身上監護など/介護保険サービスの積極利用/地域の見守り・声掛け/疾病・障害への対応(治療)/虐待者に対する相談・援助
専門職等のネットワークによる問題解決が必要です。
また区市町村による対応手段、事業所における対応マニュアルの整備が求められています。
介護支援専門員(ケアマネジャー)や介護保険事業所等による家族への助言や情報提供、適切な介護サービスの利用による介護負担の軽減などが介護者や家族へのサポートとなることがあります。
また、民生委員や近隣住民の見守りや声かけなど日常的なコミュニケーションが、不適切なケアを予防する上で効果的なこともあります。
* やむを得ない措置:本人が家族等の虐待または無視を受けている場合などのやむを得ない事由により、契約による介護サービスの利用が著しく困難である場合に、区市町村が措置できる制度(老人福祉法第10条の4第1項、第11条第1項第2号による)
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  【活用できる地域資源】
  区市町村・地域…警察・救急/病院・診療所/介護保険施設/ケアマネージャー/保険所・保険センター/在宅サービス業者/在宅介護支援センター/社会福祉協議会/民生委員/弁護士/NPO・ボランティア→「ネットワークの形成」←広域的・専門的な支援(都・国など)
 
在宅での問題解決へのヒント〜施設における「身体拘束のない介護」の実現に向けた取組
 
高齢者虐待を生じさせない介護や支援のためには、本人主体で考えることが第一歩であり、身体拘束廃止もこの視点から介護の見直しを行っています。拘束ゼロの実現には一層の努力が必要ですが、身体拘束の問題を施設や病院だけの問題ととらえず、地域としても取組を推進するとともに、在宅での虐待を考える際の参考にしてください。
  身体拘束ゼロに向けた基本的なアプローチ
 
問題となっている行動の原因を探る(アセスメント)
○ 不安や孤独、脅威を感じているのでは?
○ 身体的な不快や苦痛を感じているのでは?
○ 何らかの意思表示をしようとしているのでは?
○ 自分の意思にそぐわないと感じているのでは?
○ 現在の状況がつかめず、身の危険を感じているのでは?
○ 介護者等の行為や言葉かけの意味がわからないのでは?
→
原因の除去
環境の整備
など   
→
拘束のない
その人らしい
生活の実現へ
 
  [事例]車いすのベルトをされた高齢者
  Nさんは以前ベッドから転倒・骨折した経験があり、家族の強い希望で車いすのY字ベルトで拘束していました。
しかし、Nさんに活気が無くなってきたため、トイレや食事の際に手引き歩行をし、普通の椅子で過ごす時間を作りました。家族はこうした姿を見る中で拘束廃止の意味を理解し、ベルトをはずすことに同意しました。Nさんの活気も戻り、ご家族の面会時には終始笑顔で話をする姿が見られるようになりました。
 
  [事例]つなぎ服を着た高齢者
  Kさんは夜間のおむつはずしと弄便が頻繁になったため、夜間のみ介護衣(つなぎ服)を着用していました。
スタッフの検討で、胃薬の副作用で便が軟らかく、不快感があることがおむつはずしの原因とわかり、清潔を心がけるとともに医師に相談し、服用を中止したことで、便の状態が改善し、おむつはずしが減少しました。つなぎ服をやめたことで蒸れや痒みもなくなり、夜間もよく眠れるようになっています。
 
虐待予防・発見チェックシート
 
専門職の皆さんには、高齢者の言動や家族の様子を通じて、高齢者虐待の「おそれ」があると思ったときには、区市町村の相談窓口に通報することが求められています。下記のような兆候がある場合には、速やかに区市町村の相談窓口に連絡してください。
 

1.身体的虐待 サイン;当てはまるものがあれば○で囲む
  あざや傷の有無 頭部に傷、顔や腕に腫脹、身体に複数のあざ、頻繁なあざ等
  あざや傷の説明 つじつまが合わない、求めても説明しない、隠そうとする等
  行為の自由度 自由に外出できない、自由に家族以外の人と話すことができない等
  態度や表情 おびえた表情、急に不安がる、家族のいる場面いない場面で態度が異なる等
  話の内容 「怖い」「痛い」「怒られる」「家にいたくない」「殴られる」といった発言等
  支援のためらい 関係者に話すことを躊躇、話す内容が変化、新たなサービスは拒否等
2.放棄・放任 サイン;当てはまるものがあれば○で囲む
  住環境の適切さ 異臭がする、極度に乱雑、ベタベタした感じ、暖房の欠如等
  衣服・寝具の清潔さ 着の身着のまま、濡れたままの下着、汚れたままのシーツ等
  身体の清潔さ 身体の異臭、汚れのひどい髪、皮膚の潰瘍、のび放題の爪等
  適切な食事 やせが目立つ、菓子パンのみの食事、余所ではガツガツ食べる等
  適切な医療 家族が受信を拒否、受診を勧めても行った気配がない等
  適切な介護等サービス 必要であるが未利用、勧めても無視あるいは拒否、必要量が極端に不足等
  関係者に対する態度 援助の専門家と会うのを避ける、話したがらない、拒否的、専門家に責任転嫁等
3.心理的虐待 サイン;当てはまるものがあれば○で囲む
  体重の増減 急な体重の減少、やせすぎ、拒食や過食が見られる等
  態度や表情 無気力な表情、なげやりな態度、無表情、急な態度の変化等
  話の内容 話したがらない、自分を否定的に話す、「ホームに入りたい」「死にたい」などの発言等
  適切な睡眠 不眠の訴え、不規則な睡眠等
  高齢者に対する態度 冷淡、横柄、無関心、支配的、攻撃的、拒否的等
  高齢者への話の内容 「早く死んでしまえ」など否定的な発言、コミュニケーションをとろうとしない等
4.性的虐待 サイン;当てはまるものがあれば○で囲む
  出血や傷の有無 生殖器等の傷、出血、かゆみの訴え等
  態度や表情 おびえた表情、怖がる、人目を避けたがる等
  支援のためらい 関係者に話すことをためらう、援助を受けたがらない等
5.経済的虐待 サイン;当てはまるものがあれば○で囲む
  訴え 「お金をとられた」「年金が入ってこない」「貯金がなくなった」などの発言等
  生活状況 資産と日常生活の大きな落差、食べる物にも困っている、年金通帳・預貯金通帳がない等
  支援のためらい サービス利用負担が突然払えなくなる、サービス利用をためらう等
6.その他 上記項目以外に気づいたこと、気になることがある場合に記入
   
 
出典)首都大学東京 副田あけみ教授作成の様式を一部修正 東京都老人総合研究所作成

 
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