トップページ医療機能の分担・地域医療連携
診療所や病院などの医療機関は、それぞれが役割に応じた「医療機能の分担」を行っています。身近な場所で主に軽症の患者さんの診療にあたるのが診療所、入院が必要な重い症状の患者さんの診療にあたるのが病院という役割分担です。
一般的には、まず身近な診療所で受診し、入院治療が必要であると判断される場合には救急病院などに転院し、治療を受けることになります。もちろん、病気やケガの状態によっては、救急車で二次・三次救急の医療機関に直接、搬送されることもあります。
入院を必要としない急病患者に対する医療。夜間や休日に行われている初期救急診療には、次のものがあります。
入院を要する中・重症患者に対する医療。「救急病院」などと呼ばれる医療機関です。都では、365日24時間、緊急に入院治療が必要となった患者さんに対応する救急医療機関を確保しています。
生命の危機が切迫している重傷・重篤患者に対する救急医療
※東京都では、他の医療機関では救命治療の継続が困難な小児重篤患者を24時間体制で必ず受入れ、救命処置が受けられる体制(「こども救命センター」)を確保しています。
初期救急の医療機関は、区市町村の広報誌やホームページに「当番医」などとして掲載されます。
また、いざというときのために、近隣の救急病院の所在地や電話番号などを確認しておきましょう。
医療が高度化・専門化しているなか、急性期の治療を行う病院やリハビリテーションを行う病院など、医療機関にも特徴があります。
急性期を脱し、病状が安定してきたMさんは、急性期の治療を行っている病院から、次に必要なリハビリテーションを行うために転院をすすめられたのです。
急性期から回復期での集中的なリハビリテーションを実施するために、リハビリテーション医療の入院日数が決められています。脳血管疾患の場合、以下のようになっています。
(1)脳血管疾患、脊髄損傷などの発症または手術後2カ月以内の状態、または義肢装着訓練を要する状態の場合
→→→ 150日以内
(2)高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷の場合
→→→ 180日以内
※高次脳機能障害……記憶・注意・思考・言語・学習などの知的な障害。
入院期間などの判断は医師によります。
退院後も在宅で医療・介護サービスを受ける必要がある場合もあります。そのため、退院前から担当の医師や看護師、リハビリスタッフなどに、退院後の生活や利用すべきサービスについて相談しておきましょう。医師や訪問看護ステーション、ケアマネージャーなどと退院調整を行うための窓口や専門の看護師や医療ソーシャルワーカーが配置されている病院もあります。ここでは、自宅に戻った後も、安心して療養できるよう医療と介護サービスの相談に乗ってくれます。地域包括支援センターでも様々な制度や地域資源を活用して適切に医療・介護サービスが受けられるように相談に応じてくれます。
近年、救急医療だけでなく一般の医療も、地域の病院や診療所が医療機能を分担し、かつ連携しながら治療を行う動きが活発になっています。「地域医療連携」とか「地域完結型医療」などと呼ばれ、分担と連携によって、効率的で質のよい医療の推進を目指しています。
現在、多くの医療機関には転院先を紹介してくれる部署があり、「医療支援室」「地域医療連携室」などの名称で呼ばれています。
Sくんの祖母も病院の医療支援室からの紹介で、「回復期リハビリテーション病棟」をもつ自宅近くの病院へ転院が決まりました。
医療機関では、効率的・安全な医療を実現するために、次の取り組みをしているところもあります。
各医療機関内で、疾患ごとに標準的な治療・検査・ケア・処置・指導などの内容やそれらを実施する時期などを、医師、看護師などが共同して一覧表にまとめ、患者に対して提示するものです。
急性期の病院から在宅療養まで切れ目ない医療を受けられるような診療計画を作成し、治療を行う医療機関等で共有して用いるものです。
かかりつけ医・かかりつけ歯科医」とは、何でも気軽に相談できる自分の医療のパートナー。適切な医療を受けるためには、直接大病院を訪ねる前にまずは「かかりつけ医・かかりつけ歯科医」と十分に相談することが、より効果の高い治療へとつながります。
受診時及び薬局へはお薬手帳を忘れずに持っていきましょう。
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