ホーム >> 事件No.03 ウイルスにキック! >> くわしいページ
事件No.03 ウイルスにキック! くわしいページ
ノロウイルスとは?
「ウイルス」は微生物(びせいぶつ)の一種で、「細菌(さいきん)」よりさらに小さいものです。食中毒を起こすウイルスの代表といえばノロウイルスです。
細菌とウイルスを比べてみよう
細菌の主な特徴(とくちょう)
- 大きさは・・・いろいろな大きさのものがあるが、およそ1〜5μm(マイクロメートル)である。(1μm=0.001mm)
- ふえ方は・・・適度(てきど)な温度と水分、えいよう分などがあれば、自分でぶんれつしてふえることができる。
- 代表的な食中毒細菌は・・・サルモネラ、腸炎ビブリオ、腸管出血性(ちょうかんしゅっけつせい)大腸菌(だいちょうきん)、カンピロバクターなど。
- 食中毒が起きる季節は・・・年間通して起きるが、気温が高くなる初夏から初秋に起きやすい。
ウイルスの主な特徴
- 大きさは・・・いろいろな大きさのものがあるが、数十〜数百nm(ナノメートル)で、細菌よりもさらに小さい。 (1nm=0.000001mm)
- ふえ方は・・・人や動物の体内など、決まった場所でぞうしょくする。
- 代表的なウイルスは・・・ノロウイルス、A型肝炎(かんえん)ウイルス、E型肝炎ウイルス など。
- 食中毒が起きる季節は・・・年間を通して起きるが、ノロウイルスは特に冬に多い。
食中毒の発生状況(じょうきょう)について調べる
ノロウイルスって?
ノロウイルスは人間の小腸でふえるウイルスです。冬に多く発生し、感せん力がとても強いのが特徴(とくちょう)で、10個くらいのウイルスが人の体の中に入っただけでびょう気になってしまうことがあります。60度10分ほどの加熱(かねつ)では感せんする力を失いません。また、消毒用アルコールでもやっつけることがむずかしいウイルスです。
もっとくわしく調べてみよう
ノロウイルスはどうやって感せんするの?
ノロウイルスの感せん経路は、大きく分けて次の3つです。
- 1.手についたノロウイルスが口から体内へ入る
- 2.食べ物について口から体内へ入る
-
ノロウイルスがついた食品や、感せんした人が手をよくあらわずに調理した食品を食べることで感せんします。特にカキなどの二まい貝を生や加熱(かねつ)不足で食べることで感せんすることがあります。
- 3.空気中にただよっているノロウイルスが口に入る
-
ノロウイルスは、乾燥(かんそう)しても人に感せんする力を長い間持っています。発しょうした人が吐いた物から空気中にウイルスがただよい、それが人の口などに入って感せんすることもあります。
感せんするとどうなるの?
ノロウイルスに感せんしてから症状(しょうじょう)が出るまでの時間は、24〜48時間です。はげしいおう吐(と)、腹痛(ふくつう)や下痢(げり)などの症状が出ます。だいたい3日以内で回ふくします。
便(べん)や吐(は)いた物の中には、大量のウイルスがふくまれています。 また、感せんしても全員が発しょうするわけではなく、症状が出ない人やカゼのような軽い症状ですむ人もいます。しかし、症状が出なくても、感せんした人の便の中には、ウイルスが出てくるのです。
ノロウイルスによる食中毒を予防(よぼう)するには?
ノロウイルス感せんをふせぐためには、手あらいで手についたウイルスを落とすこと、食べ物を十分に加熱することが大切です。 また、ノロウイルスに感せんした人からの二次感せんにも注意が必要です。
手あらいが大切
こんなときに手をあらいましょう。
トイレの後/外から帰ってきた時/食事の前/料理(りょうり)をする時
石けんを使って下の図のようにていねいにあらいましょう。
手あらいについてくわしく調べてみよう
十分な加熱
『食中毒予防三原則:菌(きん)やウイルスをつけない、ふやさない、やっつける』があります。しかし、ノロウイルスは、感せん力が強く、10個くらいでも感せん・発しょうしてしまいます。また、ウイルスなので食品中では増えません。
ですから、ノロウイルスの場合は、ウイルスを『つけない、やっつける』が大切になります。手あらいとともに食品の加熱も十分に行いましょう。カキなどの二まい貝は中心部まで十分に加熱してから食べましょう。食品の中心部の温度が85℃〜90℃、90秒間以上でノロウイルスをやっつけることができます。
生野菜、くだものは
野菜、くだものなど、加熱しないでそのまま食べる食品は十分にあらいましょう。切ったり、もりつけたりする前には手もよくあらいましょう。
家族がノロウイルスに感せんしたら
子どもは感せんしやすいので、発しょうした人の世話は、大人の家族の人にやってもらいましょう。
発しょうした人は、おう吐や下痢で体の中の水分が失(うしな)われています。少しずつでもいいので、水分を取らせるようにしましょう。
発しょうした人の世話をするときは、ゴム手ぶくろやマスクをして、世話の後にはかならず手をあらいましょう。
発しょうした人の吐いた物や便には、ノロウイルスがたくさんふくまれているので、かわいてウイルスが空気中にただよい出さないよう、その処理(しょり)は、できるだけ早く行わなければいけません。子どもは近づかないようにして、お家の人に片づけてもらいましょう。
吐いた物などを処理するときには、かならずゴム手ぶくろ、マスク、エプロンなどをつけ、塩素系消毒剤(えんそけいしょうどくざい)で消毒します。
よごれた服などは塩素系消毒剤につけて消毒し、ほかの家族の服とは分けてあらいましょう。