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事件No.11 レイニーデイ・グッドバイ(2)
- 園子見て! カビが生えてきたよ!
- シャロクカビは胞子(ほうし・種(たね)のようなもの)でふえる。
この胞子は、目に見えないけど、わたしたちの周(まわ)りにたくさん飛んでいるんです。
高いしつどと適当な温度、それに栄養(えいよう)になるものがあると、カビはすぐふえるのです。
わたしたちの手にもカビの胞子はついているので、料理をする前などには手をよくあらいましょう。
- シャロク
カビが生えやすいサンドイッチを作るときは、手ぶくろをしたり、ラップを使ってパンにカビの胞子をつけないように。
ブルーチーズのカビは特別(とくべつ)です。カビの生えた食べ物は、食べてはいけません。
表面のカビを取っても、中までカビが入り込んでいるし、どんな種類(しゅるい)のカビが生えているかわからないからね。 - シャロク
ピーナッツやトウモロコシなどに生えるカビの中には、アフラトキシンという強力な毒を作るものだってある
のです。
作られたカビ毒は、熱(ねつ)に強いから、にたり焼(や)いたりしても消えないんです。 - 園子あ、かおりちゃんがお父さんにおこられた理由って...
- シャロクパン屋さんがカビに気をつけるのは当然(とうぜん)です。
エアコンを止めてしまった事にきびしくおこったのは、そのことを分かってほしかったんでしょうね。
- 次の日 シャロクの事務所 -
- かおり
そうだったんだ...。
わたし、パパとちゃんと話してなかったな。すなおにあやまらなきゃ。 - 園子これは約束(やくそく)のレポート。それからくわしいページも見てみて。
それにしても、お父さんと話してないって、何かあったの。 - かおり ...わたし、今日引っこすんだ。
- シャロク今日! 引っこし、ですか。
- 園子なんで、なんで引っこすの なんでもっと早く言ってくれなかったの?!
- かおり
パパの作るパンがみとめられて、遠くの町の大きなホテルにお店が出せることになって。わたしもその町に行くの。
言い出せないままとうとう引っこしの日になっちゃった...
言いたくないけど今日こそは二人にお別(わか)れを言わなきゃ。
ありがとう。さよなら。
- シャロクさびしくなりますね。
- 園子ジメジメは終わり!
かおりちゃんのやつ、さよならじゃないよ!
またいつか会えるし! - シャロクそうですね。また会えます。
- おわり -
(注)この物語はフィクションです。 実在の人物及び団体とは一切関係ありません。