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事件No.13 ライバルはグルメ くわしいページ
肉の生食は危険(きけん)です
牛やニワトリのおなかの中には食中毒菌(しょくちゅうどくきん)がいることがあります。肉にするとき、この菌が肉につくのを完全に防ぐ(ふせぐ)ことはできません。最近、とり肉、牛レバーなど、お肉を生で食べたことが原因(げんいん)の食中毒が多く発生しています。
生の肉には食中毒菌がいる
とりわさ、レバさし、ユッケなどの生肉料理や、焼肉などで加熱不足の肉を食べたことによる食中毒が発生しています。原因となる菌は、カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん)などがあります。
これらの食中毒菌は、100個くらいの少量の菌でも食中毒を起こします。鮮度(せんど)がいいからといって、肉を生または半生で食べることはたいへん危険(きけん)です。
とくに、抵抗力(ていこうりょく)の弱い子どもやお年よりの場合、食中毒の症状(しょうじょう)が重くなりやすく、腸管出血性大腸菌による食中毒では、死亡(しぼう)してしまうこともあります。子どもやお年よりは肉を生で食べないようにしましょう。
食中毒を防ぐためには
- 肉はかならず加熱(かねつ)して食べましょう。肉を生で食べることはやめましょう。
肉の中心部の色が赤くなくなるまで、よく火を通しましょう。
(加熱目安:中心部温度75℃で1分以上) - 肉を焼くときはせん用のはしやトングを用意して、自分が食べるためのはしで生肉にふれないよう注意しましょう。
- 生肉は、他の食品と分けて調理・保存しましょう。生肉に使ったまな板や包(ほう)丁などは、十分にあらい、消毒(しょうどく)してかわかしましょう。
- 生肉をさわった後は、石けんを使って丁ねいに手あらいをしましょう。
腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん)とは
大腸菌は人や動物の腸にいる細菌で、ほとんどのものは人に害(がい)を与えることはありません。しかし、いくつかの大腸菌は人の病気(びょうき)の原因になることがあります。腸管出血性大腸菌は、「ベロ毒素(どくそ)」という毒素を作る大腸菌をいいます。代表的なものは「O157」で、そのほかに「O111」や「O26」などがあります。
症状が出るまでの期間は平均4~8日で、腹痛(ふくつう)、水のような下痢(げり)、発熱(はつねつ)がみられます。症状が重くなると、下痢に血がまじる血便(けつべん)となります。腎臓(じんぞう)にも障害(しょうがい)を受け、死亡してしまうことがあります。
腸管出血性大腸菌は、少量の菌で発症(はっしょう)するため、感せんした人の便にいる菌が、手や指につくことによって他の人にうつる場合があります。とくに、いっしょに生活する家族に感せんしてしまうことがあるので、トイレの後や、発症した人の世話の後にはよく手をあらうなど、十分な注意が必要です。
カンピロバクターとは
牛やニワトリ、ペットや野生動物など、いろいろな動物が腸の中にこの菌を持っていることがあります。また、最近、このカンピロバクターによる食中毒がふえています。カンピロバクターは、人に感せんしてから症状が出るまでの期間が2~7日(平均2~3日)と長いのが特徴(とくちょう)です。このように症状が出るのがおそいため、食中毒の原因となった食品が分からない場合も多いのです。
腹痛、下痢、頭痛、38度以下の発熱が主な症状です。そして、カンピロバクターによる食中毒の後、手足の麻ひ、呼吸困難(こきゅうこんなん)等を起こすギラン・バレー症候群(しょうこうぐん)を発症することがあります。