ホーム >> 事件No.20 宇宙から来た相談者(2)
事件No.20 宇宙から来た相談者(2)
- 園子 そもそもHACCAPってどういう意味なの?
- シャロク 簡単に言うと、HACCPのHAとは、食品を作るとき、食中毒菌などの食品の安全性を損なう「危害要因」を調べ、 それがどのようなものか、どうしたらなくせるかなどについて分析することです。
- シャロクCCPとは、工程の中で、危害要因をなくすために重要な、連続してチェックできるポイントのことです。例えば、食中毒菌をやっつける加熱の完了時点がこれに当たります。
- シャロク 食品を作るときに危害要因を分析してそれを除く工程を決め(HA)、その工程のポイントを連続してチェックする方法がHACCPシステムです。
- 園子 これまではどうやって安全を確認していたの?
-
シャロク
最終製品の検査をすることで行われていました。
でも、これでは検査していない製品が確実に安全かどうかは分からないですよね。
ところで和戸さん、ここでクイズです。
- HACCPシステムを最初に作ったところはどこでしょう? -
-
シャロク
このHACCPシステムを最初に作ったところは次のうちどこでしょう?
NASA、日本の厚生労働省、レトルト食品メーカー。
-
園子
厚生労働省じゃない?
だって、食品衛生の担当部署だよね? -
シャロク
残念! はずれです。
でも厚生労働省は、「食品衛生法」に基づく仕事をしていますね。この法律の中でも、HACCPシステムが取り入れられていますよ。 - 園子レトルト食品が悪くなったら大問題だから、レトルト食品メーカーじゃないかな。
- シャロク 残念! はずれです。
でも、レトルト食品メーカーではHACCPシステムを取り入れている工場もありますよ。 -
園子
NASA(アメリカ航空宇宙局)じゃない?
宇宙で食中毒になったら大変だもの。 - シャロク 正解です。安全な宇宙食を作るためのしくみとして、1959年にNASAがHACCPシステムを完成させました。
-
シャロク
安全な宇宙食のためにNASAが考えたこと
・作る過程でどこに危険があるかを調べる(例:食中毒菌がいるか)
・その危険を無くす方法を決める(例:加熱)
・チェックポイントを決めて常にチェックする(例:加熱時間や温度をチェック) - コバデフ星人 1959年、地球人の宇宙での歴史はそう古くないのですね。
- シャロク そうですね。飛行機で空を飛んだのはその50年くらい前ですし。
-
コバデフ星人
めざましい進歩です。
もうすぐ我々と同じように宇宙旅行にいくことができそうですね。 - シャロク はい。そうなれば、ぜひコバデフ星にも行ってみたいですね。
-
園子
今日のレポートです。くわしいページも読んでみてください。
ところで、コバデフ星ではどんなものを食べているの? -
コバデフ星人
あ、ちょうどお弁当をもっています。これですよ。
とてもおいしいんですよ。
-
シャロク
なるほど... お、おいしそう、かな...。
地球の食べ物とはだいぶ違いますね。 - コバデフ星人 はい。ただ、食材がまったく違う星でもHACCPシステムの安全な食品を作る考え方はとても参考になります。
- シャロク そうですね。地球でも宇宙食に限らず色々な食品製造の安全管理に役立てられていますよ。
- コバデフ星人 そうだ、お礼にこのお弁当をさしあげますよ。
- 園子 え!? あ、あの。こ、こまったな。
- コバデフ星人 あ、そのお弁当は安全ですよ。えんりょなさらずに。
では、さようなら。いつかコバデフ星にいらっしゃい。
HACCPシステムで安全な食品を作ってお待ちしています!
- コバデフ星人は、帰っていった -
- シャロク さようなら。
- 園子 ...シャロク、そういえば、「たまにはめずらしいものが食べたい」って言ってたよね。
- シャロク 和戸さんも「いいね」って言ってましたよね。
- おわり -
(注)この物語はフィクションです。 実在の人物及び団体とは一切関係ありません。